あらすじ
大学受験で文系を選択した人にとって理解が難しい世界――「物理」。しかし、家電が動くのも、飛行機が飛ぶのも病気を発見できるのも、部屋の明かりがともるのもすべて根底には物理学が存在しています。それだけ社会の根底理論となっている「物理」を知らないことはビジネスパーソンにとって大きな損失ではないでしょうか? そこで「京大名誉教授」×「関西大手予備校・研伸館講師」という教えるプロがタッグを組み、「物理が苦手」な人のための物理の本を制作しました。日常の中にある技術に活用されている物理の世界をわかりやすくお伝えします!
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Posted by ブクログ
ジェットエンジンやレントゲン、MRIなどの身の回りにあるものを物理学視点で語られた一冊。
これらはこういう仕組み/考え方で作られていたのか、と勉強になる一冊。
内容もライトなので、サクッと読めてしまう。
個人的にはもう少し事例が多くあった方が嬉しかったかな。
Posted by ブクログ
物理なんてやった記憶もないけど、すごく楽しめました。
おそらく高校1年生で物理基礎はやったけど、本当に覚えていない。嫌いなら嫌いで覚えているはずだけど、それすらも覚えてない。
でも仕事関係でちょっと気になることがあり、それ自体は理解できたが、もっと本質を勉強したいと思い、最近は物理の本を片っ端から読んでます。
そうすると、身の回りがなんてこんなに面白いんだろうと感じる日々です。
この世の諸原理なるものを理解するためのアプローチが物理だと勝手に解釈していますが、物理ってとっても面白い。
あとがきに、物理の苦手を払拭するための方法、文系のための、ビジネスマンのための物理の勉強の方法なんかも書いてあって、タメになった。
「棚上げ法」「不完全法」「基本問題を解きまくる」なんかはどの勉強方法でも応用できると思います。
Posted by ブクログ
日常の中の物理をコンセプトに、何の気なしに周りで起こっている現象や利用している機器なんかがどういった原理なのかを解説している。
が、理系音痴の私はやっぱり腹落ちするまでの理解には到達できないなー。日々利益を享受しているノイズキャンセリングの「単振動」や「位相がずれる」といった用語や現象がどうも理解できない。そんな時は最終章にも述べられている「棚上げ法」でどんどんその他書籍を読んでみたりで量をこなしていくことで、光明を得るときがくると信じてる。
個人的な学びは、遠視・近視と老眼・白内障は原因が異なる・前者は眼球の変形で、後者は水晶体の濁りなんだって。乱視な私は眼がゆがんでいるのかと少し怖くなってしまった。あとは、ローレンツ力は、危機なじみなさ過ぎて響きで記憶に残った。中学でみんなやる「フレミング左手の法則」の意味を、再学習してここにモーターの原理が隠れていたのかーとしみじみ。ただふざけていた過去の自分を叱責したい念に駆られる。後悔先に立たず。あとあと、「湿度」が相対湿度でその空気中における法は水蒸気量に対する割合なんだとこれは衝撃。湿度90%ってほぼ水中じゃーんとか呆けたこと言ってる過去に自分にグッバイ。
中学理科も崩壊している自分には十分難しい内容でしたが、身近な題材で取っつきやすさは申し分なし。物理力が抽象化→予測→観測→修正・補正の手順であるなら、よくビジネスで喧伝されるPDCAサイクルなんてものと似ているところはあるんだな、と。物理の思考力というのは、人生の見方を拡張してくれるし物事の根源はなんだろうと、哲学などの人文学とは異なるアプローチが取れるのだと感じる。画一的な人間ではなく、もっと多面的で豊かな人間に。そんな文系マンに手に取ってみては。
Posted by ブクログ
理系教育のスペシャリスト2人によって書かれた本。生活の延長線上にある物理の理論を使った事象やモノが解説される。
内容は非常に分かりやすく、読み物として単純に面白かった。役立つ知識も多かった。
ただしこの本の醍醐味は知識を得ることではなくて物理の世界に「慣れる」ことがと思う。
自分は数学と物理が嫌いすぎて文系の大学に進んだが、何の因果かばりばりの理系フィールドであるメーカーで今は仕事をしている。まさか図面を読むような仕事に就くとは思わなかったが、何年か仕事しているとそれが楽しいと思うようになった。
それでも物理や数学にはアレルギーが未だにあるので、これを克服するためにこうした本を読むようにしている。理系のロジックを理解して、「大したことない」と思う経験を積んでいくことがこのリハビリになると信じている。
Posted by ブクログ
回折レンズは強め合った光を複数の角度で作り出せる
放射能を身近な電球の明るさに関する言葉と比較して整理すると、放射能は電球が光を出す能力、Bqはワット、SV は人が感じる明るさを表すLxに相当する
15分ずつ次から次へと勉強する中身を変えていくのも集中力を保つのには非常に効果的です
クオリティと起源を天秤にかけて作業する
時間をうまく活用できるのはいい加減を良い加減と変えて使いこなせる人である
Posted by ブクログ
読書を通じて新たな知識が得られる事が、純粋に楽しい。しかし、学生時代に受験で使わないからと物理を勉強もせず浅い知識のままになってしまい、公開している人も多いだろう。世の中の仕組みや構造をもっと理解すれば楽しいだろうに。
本著は具体的なテーマに沿って分かりやすく解説してくれるし、テーマに興味が無い、やはり分かりにくいという事であれば、飛ばして読んでも差し支えない。例えば、水晶体の話、内視鏡、X線、重粒子線によるガン治療、引力や気象など幅広い。解説の仕方も、イヤフォンの音質の差はなぜ生まれるのか、というように身近だ。ちなみに良い音質を求めるなら、高音域に適した軽い振動板と、低音に適した大きな振動板を両立させる事。ケーブルのノイズを減らすために電気抵抗が少ない銅の純度が高い事が条件だ。
こんな風にして一つや二つ発見があるし、物理を避けていた文系学生ならば、必ず学びがある。読んで損は無い一冊だと思う。
Posted by ブクログ
1.この本を一言で表すと?
物理の法則をわかりやすく解説し、そこから一般化と抽象化を行うことを解説した本。
2.よかった点を3~5つ
・初めて知った内容
→海王星の発見にもニュートンの影響があった(p118)、イオンエンジンは、宇宙空間での推進にのみ用いられる(p135)、地球の内部や地震も、波の性質から調べている(p173)、地球の磁場が生命を守る(p217)、
・そもそも人間が見ることのできない赤外線を、機材を使って漢書しているのが赤外線カメラですから、赤外線に対応する彩りは存在しないのです。(p227)
→言われてみればその通りだと思う。人間が見ることのできないものだから。
・「与えられた物理法則にのみ従って考える」「文字式や法則をイメージがする」と言う作業になれるのです。(p240)
物理の学習はまず、正しいとされている基本的な法則(ルール)を受け入れ、正しく使いこなせるようになることから始まります。(p242)
ここで先の棚上げ法を用いて「質量かける角速度イコール力」と、呪文のように口ずさみながら練習問題を解いていくと、そのうちに中身がわかってきます。(p252)
→予備校時代の時、数学は理解することと問題ができるようになる事は全く違うことだと言うことを教わった。物理も同じだと思う。そのことをよく解説できていると思う。
・将来予測のために膨大なシュミレーションがなされていますが、本来は予測のもとに立てた当初のモデルが信憑性のあるものかどうかの検証が必要なのです。(p265)
→モデル化すること自体が非常に難しい。そのモデル化が間違っていれば結果も間違ってくる。地球温暖化現象の趣味レーションを例に挙げているが、そのことをよく念頭に置いておくべきだと思う。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・物理現象の解説と、なぜ社会人にとって物理が有益なのかと言う解説の間に大きな溝があると思う。
・なぜ物理学がビジネスに効く教養なのかと言う点がよくわからなかった。
3.実議論したいこと
・物理モデルを自分の仕事に活かすとすればどのようにすれば良いのだろうか?
5.全体の感想・その他
・物理現象の解説の部分は、半分ぐらいは元々理解していた内容だった。