鎌田浩毅のレビュー一覧
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自然災害時のハザードマップを作るのを富士山麓など観光地は嫌がるが、20万以上の麓住人だけでなく多くの観光客の避難のために様々な事態を想定して避難経路の想定は不可欠。
火山灰は粉末ガラス類似で、空中にあると航空機の飛行が不能、道路上にあるとクルマの走行が困難となる。噴火の空電で電波障害も起こり携帯通話もネット接続など通信も困難になるかもしれない。
放射能という見えない脅威「だけ」の原発事故避難でも数々の不手際があった。噴煙、火山弾、溶岩流、火砕流、に加え通信障害により混乱、道路渋滞、交通途絶など地震被害が加わり想定上限以内でも首都機能が麻痺する事態が考えられるが、対策は想定されているだろうか? -
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4月から授業が始まって教科書を読むことが多くなって、なかなか他の本を読んでいませんが、今月末に地震学入門の授業が金沢であるので、そのための予習の意味も含めての一冊。
前半は大地震発生のメカニズム、後半は減災のための実践的な内容の本でした。首都圏での地震における帰宅困難者向けの帰宅支援マップを使い、東京丸の内から千葉県松戸市まで実際に歩いてチェックする内容はなるほどって思う視点がたくさんありました(私は会社と自宅が徒歩1分だけど(^^;)。日本は、プレート構造を思えば必ず地震は起きるという運命にある立地。将来の損害を考えずに便利だからと首都集中が続く姿を、戦争の時代に投影して現在は「負ける戦争から直ちに撤退する時期」と言っています。10年前に書かれているけど、文化庁の移転くらいしか分散化は進んでいないですね。 -
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ネタバレ地球の現象は構成要素を足し合わせれば理解できるものではない。マクロで見る目が必要。デカルトの近代科学の基礎(要素還元主義)とは異なる。
宇宙のダークマターは23%の質量をもっている。実際に見える者は4%、残りの73%はダークエネルギーではないか。
いて座スターAに太陽の400万倍のブラックホールがある。銀河の中心。
太陽の10倍以上の星は、超新星爆発のあと中性子性になる。30倍以上の星はブラックホールになる。太陽は白色矮星となって寿命を終える。
太陽の重力を受けるのは、1万天文単位。地球から太陽までの距離が1天文単位=AU。海王星までは30AU。
地球型惑星と木星型惑星。
公転と時点は同じ向き。
冥王星は準惑星になった。数多くの準惑星がある。
月は、地球に見せる側には重い物質があるため、引力にひかれて地球に向いている。
p24 -
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ネタバレ日常の中の物理をコンセプトに、何の気なしに周りで起こっている現象や利用している機器なんかがどういった原理なのかを解説している。
が、理系音痴の私はやっぱり腹落ちするまでの理解には到達できないなー。日々利益を享受しているノイズキャンセリングの「単振動」や「位相がずれる」といった用語や現象がどうも理解できない。そんな時は最終章にも述べられている「棚上げ法」でどんどんその他書籍を読んでみたりで量をこなしていくことで、光明を得るときがくると信じてる。
個人的な学びは、遠視・近視と老眼・白内障は原因が異なる・前者は眼球の変形で、後者は水晶体の濁りなんだって。乱視な私は眼がゆがんでいるのかと少し怖くなってしまった。あとは、ローレンツ力は、危機なじみなさ過ぎて響きで記憶に残った。中学でみんなやる「フレミング左手の法則」の意味を、再学習してここにモーターの原理が隠れていたのかーとしみじみ。ただふざけていた過去の自分を叱責したい念に駆られる。後悔先に立たず。あとあと、「湿度」が相対湿度でその空気中における法は水蒸気量に対する割合なんだとこれは衝撃。湿度90%ってほぼ水中じゃーんとか呆けたこと言ってる過去に自分にグッバイ。
中学理科も崩壊している自分には十分難しい内容でしたが、身近な題材で取っつきやすさは申し分なし。物理力が抽象化→予測→観測→修正・補正の手順であるなら、よくビジネスで喧伝されるPDCAサイクルなんてものと似ているところはあるんだな、と。物理の思考力というのは、人生の見方を拡張してくれるし物事の根源はなんだろうと、哲学などの人文学とは異なるアプローチが取れるのだと感じる。画一的な人間ではなく、もっと多面的で豊かな人間に。そんな文系マンに手に取ってみては。 -
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2022.09.30
いわゆる「南海トラフ地震」や富士山の噴火など、これまでの地震の歴史を交えながら必ずくると言われている大震災に向けてどう行動するべきかを理解することができた。
防災のためにあれをやろう!と強く意識するのではなく、日常の中に溶けこませていくことが大事。
例えばいつも持ち歩くカバンの中に飲料水や軍手を入れておくことも大事。
最も読んでいて素晴らしいと思ったのは東日本大震災で生まれた大量の瓦礫を使って防波堤を作る仕組み。
次に津波が来たときにその勢いを抑えることはもちろん、本来ゴミになってしまうものを再利用する考え方も素晴らしい。
世の中には防災に関する知識が溢れている。
「とりあえずこれを買っておけばいい」知識もあるが、なぜそれが必要なのか、防災に関する根本的なところを知ることができる良書だった。 -
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理系教育のスペシャリスト2人によって書かれた本。生活の延長線上にある物理の理論を使った事象やモノが解説される。
内容は非常に分かりやすく、読み物として単純に面白かった。役立つ知識も多かった。
ただしこの本の醍醐味は知識を得ることではなくて物理の世界に「慣れる」ことがと思う。
自分は数学と物理が嫌いすぎて文系の大学に進んだが、何の因果かばりばりの理系フィールドであるメーカーで今は仕事をしている。まさか図面を読むような仕事に就くとは思わなかったが、何年か仕事しているとそれが楽しいと思うようになった。
それでも物理や数学にはアレルギーが未だにあるので、これを克服するためにこうした本を読むようにしている。理系のロジックを理解して、「大したことない」と思う経験を積んでいくことがこのリハビリになると信じている。
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読書の苦手な人にとって、とても知的なイメージのある中公新書を手に取ることはハードルが高いと思う。ところがこの本は、読書が苦手な人向けに、丁寧に構成されている。筆者が教鞭を取る京大の学生だけが対象ではなく(決して優秀な人が対象ではなく)、本を手に取らない世の中の人達全般に向けられた「読書法ガイド」である。
まず、目次がとても分かりやすい。気になる箇所から「つまみ食い」できるように、各章がキャッチーな言葉で並んでいる。
そして、この本は各章の「冒頭」に要約が記されている。まるで新聞の見出しのようだ。章末に要約があるだけでも丁寧だが、冒頭にある本はなかなか無い。つまり、目次を読んで、気になった章のページをめくり、要約を読んでみて、興味が湧いたら次のページに進めば良いのである。読書が苦手な人でも、この本から何か1つでも得られるように、仕組まれている。
さて、この本から受けた自分なりの読書メソッドは、以下の2点である。
①本を「最初から順番に、最後まで慌てて読む」必要は無い
・目次をサラッと見て、気になる部分だけ読めばよい
・ゆっくり読んだ方が頭に入るので、慌てて読むよりも効果が高い
・途中で読むのを辞めて、別の本に手をつけても良い
②本の内容を理解できなくても自信を失うな
・学者が推敲せずに書いた文章は乱雑
・難しい本は、著者が悪い
・読書とは既に知っている9割を確認すること
・未知の分野の本は速読できないし、一読では理解できない
鎌田先生の「地球科学講座」は、今も京大の超人気授業らしい。本題の火山の話よりも、ノートの取り方、読書術や勉強法、お洒落の話まで、良い意味での「脱線」が多いのだろうと、察しがついた。
古本屋で実質200円で購入したが、前半を中心に得るものが多く、鎌田先生の授業を受けているくらいの価値がある。相当コスパの良い投資であった。