鎌田浩毅のレビュー一覧
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今までありそうで(あったかもしれないが)見つけられていなかったテーマ。いろんな分野の先頭を走る研究者が各々愛する論文を語るという、極めて興味深く面白かった本。各々の研究テーマが違うのはもちろん、各々の研究者の感性や語り口がそれぞれ全く違っていたのも面白かった。一般向けに少し噛み砕いてくれている人もいれば、専門用語もりもりで愛が溢れている人もいた。どちらも素晴らしいと思う。いわゆるオタク文化にも通ずるところがあると感じた。専門家から見た「私見を含んだ」サイエンス的エッセイは非常に面白かった。
大学時代を振り返ると、論文を読むのは嫌いではなかったし、面白かったがやはりどこかタスクの一つになっていて心の底から楽しんで読めていなかったと思った。川上先生の章の基礎研究のあり方は非常に共感できた。面白いを追求し、誰かの心を踊らせるようなものを世に出せている時点で価値はあると思う。森林分野以外にも、他分野のインパクトのある論文を読んでみたい。ぜひ続編を出してほしい。さらに言えば年に一回でもいいから定期刊行してほしい。 -
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この本の途中で著者は、大学センター試験を受ける学生のうち、理科で地学を選ぶのはわずか7%と嘆く。
私個人的な経験でも、40年以上前の受験時に地学を選択したが一定数以上の生徒が受講しないと授業を行わない、と言われて往生した記憶がある。
地質学、古生物学、宇宙論、天候、太陽活動まで、地学のカバーする範囲は広い。その地学を最新の知見をもって解説し、最新の地学を俯瞰できるのが素晴らしい。
「できるのは防災ではなく減災」など、うなずける指摘多数。この分野の専門家である著者が、地学にもっと興味を持って欲しい、という動機をもって書き上げた良書。
地学はこの1冊で。 -
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もとは塵だらけの宇宙。これが少しずつ集まって、集まるとき隕石となって、
熱と水分を地球にもたらす。火の玉地球が出来上がる。
太陽との距離が絶妙で、水星のようには干上がらず、火星のように冷え切らない、
奇跡の星が生まれた。火の玉から雨によって地表が冷え、空気の層も生まれる。
生物が生まれる。パンゲア大陸がプレートに乗って少しずつ動く。
マグマが噴出し火山が噴火する。プレートがずれて地震が起こる。
そう、この本の主役は地震と火山。
京都大学名誉教授がわかりやすく地学を教えてくれる。
教室と銘打つくらいなので、私も知っていることも結構あった。
興味深かったことをいくつか。
温暖化が叫ばれているが、食糧不足になる慣例化のほうが怖い。
温暖化を防ぐための太陽光パネルもどう廃棄するのか、、
地球の寿命は100億年。火の玉が冷え切るまで。
でもその前に太陽の膨張であと10億年で飲み込まれる。
南海トラフ地震は2035年前後5年、つまり2030年代に来る。
東日本大震災の比ではない死者が出る。今から備えねば。
日本は1995年から地震の多い時期に来た。
経済と自身の関係を見ると、江戸の昔から地震の期間は経済が停滞する。
今回の日本の失われた30年はまさに合致する。
高度成長期は地震の少ない時期だった。
時代の変わり目に渋沢栄一などが登場した。若者に期待したい。
なんだかスケールのでかい「教室」だった
1章 地球は変化し続けている
2章 地球内部のマントル
3章 プレート・テクトニクスとはなにか
4章 マグマのしくみ
5章 巨大噴火のリスク
6章 今後必ず起きる超巨大地震
7章 これからを生きるために大切な「長尺の目」 -
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自分が高校生の時に学んだ理科の科目と言えば、化学、物理及び生物の3科目であった。地学のリテラシーについては本書でも触れられているが中学レベルに留まっている。だが、今後の南海トラフ地震や首都直下型地震に関する防災の知識を深めるためには地学の知識は欠かせない。そのような課題意識の下に本書を手に取った。
本書は誤解を恐れずに言えば、問題集の性格が強い。随所にセンター試験の過去問を軸に説明が展開される。タイトルが「やりなおし高校地学」とあるように、最低限の知識は求められるが、解説は非常に詳しいので、別途入門書が求められるということはない。当然、高校地学の知識など無いに等しい状態で問題に当たっていくことになるわけだが、存外に常識や直感が役に立っていると感じられ、それに科学的な裏付けを加えていく知的興奮ともいうべき感覚を味わえる。
何度も戻って読み返したい一冊に仕上がっている。 -
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上、中、下の3巻シリーズの最終巻です。
今から6500万年前に、メキシコ湾に巨大な隕石が衝突して、その影響で恐竜が絶滅した話、
巨大な火山の噴火で地球上の平均気温がとても下がって夏がなくなった話、アメリカのイエローストーン国立公園は巨大火山の噴火のあとのカルデラという話など、下巻も相変わらずスケールの大きな話です。
人類の先祖が気候が寒冷化して数千人という水準まで少なくなってしまい、それからまた増えてきた、という話も心に残りました。
3巻を通じて、地球科学のスケールは日常では考えられないほど時間、空間的に大きな話で圧倒されました。
そして、小さな、地球の歴史の中ではほんとうに新参者の私たち人間が地球温暖化や森林破壊など地球に(善悪は別として)大きな影響を与えていることに、何かを感じました。