あらすじ
東日本大震災を境に、日本列島は「大地変動の時代」に入ってしまった! 複数のプレートがひしめく恐るべき地理的条件にあるこの国で生き延びるには、「地学」の知識が不可欠だ。しかし、高校での履修率は低く、多くの人の地学リテラシーは中学レベルで止まったままである。ご存じ「地学の伝道師」が、地学の「おもしろいところ」「ためになるところ」だけを一冊に詰め込んだ、すべての日本人に捧げるサバイバルのための地学入門。
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Posted by ブクログ
最後の方は、南海トラフ地震と火山噴火の仕組みとこれからの対処の仕方であった。ニューズでは日本の火山ばかりの話であるが、白頭山の火山噴火については初めて知ることができた。
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[概要、目次]
・地球は丸かった(人類が地球を計測した歴史について)
・地球の歴史を編む(地層、化石について)
・過去は未来を語るか(斎一説と激変説)
・そして革命は起こった(大陸移動説について)
・マグマのサイエンス(マグマについて)
・もう一つの革命(マントルの対流と生物の繁栄)
・大量絶滅絶滅のメカニズム
・日本列島の地学(日本の地震について)
・巨大噴火(過去の巨大噴火、未来の巨大噴火)
[感想]
初心者でも分かりやすく、各章ごとに興味深いテーマを扱っていて飽きなかったです。
序盤で扱われていた地学と宗教の関係にも関心があります。もっと深堀したい。
地学はとてもスケールの大きな話で、浪漫を感じます。
それを研究し解明した人類の智の営みについても。
「日本列島の地学」「巨大噴火」の章は、おそらくこれから体験するだろう地震と噴火の話で、現実的ですね。
いつ起きてもおかしくない巨大地震ですが、地学的スケールで言えば、100年200年の単位で予想がズレるのも普通なんでしょうね。
「日本列島の地学」の章で、地震確率が高い地域の紹介がありますが、断層地震においても、能登は完全にノーマークでしたもん。
Posted by ブクログ
内容がわかりやすく、興味深い内容なので、読み物として最適かつ教養も得ることができる。内容は、地球の成り立ち、地層、火山、地震についてである。
地層は、地球のこれまでの歴史を物語っており、その解析によって現在までの地球の変遷が解明されてきた。中でも、プレート・テクトニクスやプルーム・テクトニクスの発見によって、地震の仕組みや火山噴火の解明、大陸・地形のでき方などに大きく寄与してきたことが分かる。
Posted by ブクログ
私は子供の頃から地球や宇宙など地学に含まれる分野が好きだった。しかし日本の大学受験では地学が選択されることは少ない。私自身も理系だが高校時代には地学は全く触れることはなく、中学理科のレベル(しかも「ゆとり世代」である)までの知識しかなかった。
子供の頃からあった興味に加え、地震・火山の知識は日本に住んでいる限り必要と考え、地学を勉強したいと思うようになった。そして書店で見つけたのが本書である。
プレート・テクトニクスやプルーム・テクトニクスについて存在は知っていたが、本書を読んでより深く理解できた。
日本やその周辺では大地震・大噴火が繰り返し発生してきた。地学はそれを解き明かし、研究者たちはこの先起きうる災害に警鐘を鳴らしている。知識をもって災害に備えたい。
Posted by ブクログ
◯著者が同じだけあって、やりなおし高校地学と近い内容。地学という学問の起こりから丁寧に解説。まさに、過去を学べば未来が分かるというキーフレーズをそのままスタイルとしていて説得力がある。
◯地震や火山などによる災害は怖いものではあるが、その反面、地球という大きくて1つの生命の営みを感じられるものでもあり、国境や文明で分けられた人間のいかに小さいことかを教えてくれる。
◯自分の悩みすらも大したことではないのだと地球が教えてくれている気がする。
Posted by ブクログ
大学入試では、理科は地学を選択した(共通一次導入前)。小松左京氏の「日本沈没」がベストセラーになり、プレート・テクトニクス理論が一般に知られようになった。
最近読んだ上田早夕里氏の「華竜の宮」「深紅の碑文」を読んで、プルーム・テクトニクス理論に興味をもった。
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プルームテクトニクスと2038年大地震予測くらいが新しい話になるかな。総花だが一通り大きなところは出ていて楽しかった。難しくなくかけているのは一般教養教えてる先生ならでは。
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素晴らしい。衝撃の絶対的必読書。日本に住んでいる方、読むことです。どんなホラーより怖い。
この本の読後、まさかの展開。世間話をしていたら偶然にもその友人を通してサイン本を頂きました。繋がることがあるんだなあ。読んでいる?いいや、呼んでいるのだ。
Posted by ブクログ
高校で地学を履修する生徒が少なくなっていることへの懸念は,重要な指摘だ.物理や化学に比較して身近な事象を扱うのだから,一般的な知識を学校で教える必要がある.プレートテクトニクスについてはある程度知っていたが,プルームテクトニクスは知らなかった.地球内部まで,様々な考察がなされていることに驚いた.大量絶滅が5回発生したことは知っていたが詳しく解説されていて,認識を新たにした.興味ある語り口には地学に対する愛着が感じられ,京大で人気講座であることもわかる.
Posted by ブクログ
地学はマイナー感があり、高校の先生(あだ名・コペルニクス) がいやいや教えていたのを思い出す。ここでは地球科学とのこと。
武田信玄は動かざるごと山の如し、と言ったが、地学では非常にゆっくり動くこと山のごとし、である。
大陸移動説、またマントルの動き、磁場ができることによる生命の発展など、興味深い。
最後は南海トラフ地震や火山噴火の話で、現実に引き戻された。
Posted by ブクログ
まさに、「その分野の第一線の専門家が、一般の人たちに向けて専門分野について最新の知見まで含めて包括的に分かりやすく、そして興味を引くようにコンパクトに説明してくれる、という「新書」という書籍形態の特長を体現している良書と思います。
Posted by ブクログ
以前、釜さん生の講演会に行き、その帰りに本屋で買いました。大変わかりやすく、地学の重要性を再認識しました。高校時代に勉強した地学と比べ、新たな発見が随分出てきているので勉強になりました。
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地学の知識はずいぶんと昔のままだった。アップトゥデイトしてもらった。日本の状況を考えると、後20年の内に南海トラフ大地震を含む西日本大震災が起こるし、朝鮮半島では白頭山の噴火も考えられる。それに富士山の噴火も?東日本大震災で、日本列島は新しい時代に入ってしまたんだな。
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日本人として足元を固めるために読んでおくと良いと感じました。
その中でもプルームの擾乱→地磁気強度の低下→寒冷化と様々なことが一連の流れであるという部分が面白かったです。
Posted by ブクログ
地球科学のすすめ。地学は学生の間では不人気の科目らしい。大学受験の必須科目とされていないことによるようだが、この本を読んでみると、人間生活に密接に関わる学問であることが判る。例えば、地震や火山の噴火で災害が起きると、マスコミが「想定外」の現実に騒ぐことがあるが、地学の基礎知識があればある程度対応が可能であり、著者はそういう知識を身につけておくことが重要と説く。地学は一見地味な学問に見えるけれど、将来のリスクに備える意味では重要な分野だと思う。因みに自分は高校時代に地学を勉強したことがある。受験の為に勉強したが、この本を読んで改めて勉強してみたくなった。
Posted by ブクログ
濃淡を付けながらの解説しているが、他のテーマと関連するところは細かく説明しているため、理解が深まった。
テクトニクス=変動学は、地学を変えた。
それまでは固定した地球を考えていたが、プレートテクトニクス、プルームテクトニクスの導入により、動的に考えられるようになった。
すなわち、時間軸を導入できるようになった。
46億年の地球の歴史、38億年の生命の歴史の中で、さまざまなことが地球上に起きている。
大量絶滅は5回もあった。
それを生き延びた生物から我々は生まれた。