【感想・ネタバレ】京大人気講義 生き抜くための地震学のレビュー

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Posted by ブクログ

「3.11」の後に書かれた、地震を中心とした地学・防災学に関する一般入門書。

「日本周辺でもM9クラスの地震は普通に起こりうる」という、3.11後に常識化した考え方を踏まえた地学一般書。東海・東南海・東海の各地震は、3連動タイプが起こることを前提に被害などを説明していることが特徴的。
また貞観地震(869年)の前後に富士山を含む日本列島の火山活動が活発化したことを踏まえ、火山活動についての説明も入れている。著者の専門が火山学、ということもあり、こちらも踏み込んだ内容まで触れている。

今までの地学系一般書との大きな違いは、防災学についての内容を大きく扱っていること。「帰宅支援マップに従って歩いてみた」というのはフィールドワークをやってる著者らしい一節ですが、他にも防災グッズについての解説もある。
従来の地学一般書であれば「防災情報はなかなか正確に伝わらない」の一行で済まされていたような箇所が、かなり踏み込んで解説されているのも特徴的。昔の「公的機関から市民へ」という情報伝達モデルではなく、双方向的なコミュニケーションや互助的コミュニティを考察した上での防災情報伝達モデルを元に詳しい解説が行われている。

「京大人気講座」という名称から、関西向けな内容が多いのか、と思っていたのですが、関東についての記述も多かったりして読み手の地域問わず読める一冊。

ただし、防災学的な分野に記述を割いている分、地学についての情報量はそれほど多くない。地学により深い興味のある人は、作中で触れられている関連一般書にも触れた方がいいと思う。

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2014年07月21日

Posted by ブクログ

有名な鎌田先生の著作だけあって,極めて平易で分かりやすい文章です.

個人的には,「結果防災」の考え方に惹かれました.河川の土手部分に桜並木を植えるのは,地盤が緩みがちな春先に,一般市民に足で踏み固めをしてもらい,堤防を強化する目的があったそうです.

先人の知恵に学ぶべきことが,本当にたくさんありますね.

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2013年04月21日

Posted by ブクログ

4月から授業が始まって教科書を読むことが多くなって、なかなか他の本を読んでいませんが、今月末に地震学入門の授業が金沢であるので、そのための予習の意味も含めての一冊。
前半は大地震発生のメカニズム、後半は減災のための実践的な内容の本でした。首都圏での地震における帰宅困難者向けの帰宅支援マップを使い、東京丸の内から千葉県松戸市まで実際に歩いてチェックする内容はなるほどって思う視点がたくさんありました(私は会社と自宅が徒歩1分だけど(^^;)。日本は、プレート構造を思えば必ず地震は起きるという運命にある立地。将来の損害を考えずに便利だからと首都集中が続く姿を、戦争の時代に投影して現在は「負ける戦争から直ちに撤退する時期」と言っています。10年前に書かれているけど、文化庁の移転くらいしか分散化は進んでいないですね。

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2023年04月11日

Posted by ブクログ

2022.09.30

いわゆる「南海トラフ地震」や富士山の噴火など、これまでの地震の歴史を交えながら必ずくると言われている大震災に向けてどう行動するべきかを理解することができた。
防災のためにあれをやろう!と強く意識するのではなく、日常の中に溶けこませていくことが大事。
例えばいつも持ち歩くカバンの中に飲料水や軍手を入れておくことも大事。
最も読んでいて素晴らしいと思ったのは東日本大震災で生まれた大量の瓦礫を使って防波堤を作る仕組み。
次に津波が来たときにその勢いを抑えることはもちろん、本来ゴミになってしまうものを再利用する考え方も素晴らしい。

世の中には防災に関する知識が溢れている。
「とりあえずこれを買っておけばいい」知識もあるが、なぜそれが必要なのか、防災に関する根本的なところを知ることができる良書だった。

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2022年10月01日

Posted by ブクログ

すばらしい本。具体的、実践的でとてもよかった。この本の値段は800円だけど、たった800円で本当に命を救えると思った。大切な人にプレゼントしたい本。

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2014年01月07日

Posted by ブクログ

この本を読んで、災害時帰宅マップを買った。著者も帰宅マップを片手に実際に歩いた体験が書かれており、フィールドワーク的な要素があって面白かった。

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2013年10月24日

Posted by ブクログ

これまた絶望的な気分になる本 大地震頻発するようで
とりあえず国が破れても自分は生き残れるようにしなくてはならぬが、現状あまりにも備えがなさすぎるなあ うちには食料ほぼストックされてないし
とはいえ鎌田さんの理想の備えのレベルはかなり高いし、予測は厳し目にし過ぎなのではと思わなくもないけど、万一起きたらと考えるとこんなもんか そして確かに万一が起こる可能性は高まっているのだろうなあ

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2013年03月28日

Posted by ブクログ

P224 土手の花見➡結果防災
P232 濱口悟陵(ヤマサ醤油7代目)➡和歌山県広村での稲村の火(1854安政南海地震)、その後の防波堤建設、

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2017年12月03日

Posted by ブクログ

出だしが地学教科書レベルなので肩透かしだが、その後はきちんと3.11以降の具体データ、具体論に終始している。
どうしても徐々に薄れる危機意識は仕方が無いので、都度、意識を引き締めること。

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2013年08月20日

Posted by ブクログ

筆者の言うとおり、日本は間違いなく東日本大震災後、地殻の活動期に入った。専門家に指摘されるまでもなく、素人でもわかる。
また、筆者の説くとおり、一人一人が減災の意識を持って備えることの重要性も、よく理解できる。
それでも、生き延びれるかどうかは所詮運次第と思う、自分がいる。

家族のことを考えれば、頑張れるかな。

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2013年05月20日

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