【感想・ネタバレ】火山噴火 予知と減災を考えるのレビュー

あらすじ

日本列島には108の活火山があり,思いがけない時に噴火しては人間社会を騒がせる.「減災」とは,噴火による災害を科学の力(噴火予知)でやり過ごす知恵である.一方,噴火の後には,長い期間に亘って火山の恵みを享受することができる.火山の恩恵と魅力を伝えつつ,自然に対する畏敬の念を悠揚とした視点で書き綴る.(カラー口絵2頁)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

著者はテレビによく出てくる人なんですね。
その番組を見ていないから知らなかったです。

火山の噴火は短いけれども
それから生まれる恩恵は実に長い…
きちんと兆候を予知し、
非難につなげれば被害は避けられませんが
人命に関する被害は抑えられるのです。

火山の噴火の形も様々です。
島に由来するのが2つもあることに驚き。
そのうち1つは火山の英語の語源にもなっているのです。
これぞ火山、といった感じですね。

風評被害のところは
必ず覚えておいてほしいことです。
噴火の災害だけではなくて
あらゆる災害にも言えることだと思いますよ。

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2018年09月23日

Posted by ブクログ

火山噴火について、きちんと説明してくれる本を探していたところ、情熱大陸にも出演された火山学者鎌田氏の2007年の著作が再販されていたので読んでみました。
アウトリーチ(研究成果を一般社会に伝えること)の重要性を主張されている鎌田氏の本だけに、読みやすく、またそれでいて内容もしっかりしています。そこはさすが岩波新書。
火山噴火の概要、予知の現状、減災の方法など2007年当時での火山学の最先端を知ることができます。
なぜ噴火の前兆現象として火山性微動が重要なのか、噴火のタイプ別による災害の種類の違いなど、火山噴火のニュースを読み解く際に役立つ情報や、地震予知よりも噴火予知のほうが実用段階に達している、など興味深い情報満載でした。
災害をもたらす元凶という負のイメージで火山を見るのではなく、豊かな自然(景観や肥沃な土壌と農産物)をもたらしてくれる存在や信仰の対象など、火山に対する著者の愛情や畏怖の念が感じられる一冊です。

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2016年05月21日

Posted by ブクログ

 テレビ出演も多い火山学者,鎌田浩毅の本。特定の火山ではなく,火山噴火について一般的にまとめている。
 ちょっとかわった人で,本も面白い。火山,地球科学を通じて科学の啓発教育活動に力を入れており,子供向けの本も書いている。どの本にも噴火の様子や火砕流の写真が載っているが,記述的であるべきその説明文にも「みごとな噴火」とか「美しい山体」とか,情緒的な表現が多い。
 彼にとっては,メディアを通じて皆に火山のすばらしさを伝えるのが非常なよろこびなのだろう。その思いがひしひしと伝わってくる。

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2011年10月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

[ 内容 ]
日本列島には一〇八の活火山があり、思いがけない時に噴火しては人間社会を騒がせる。
噴火を科学の力(噴火予知)でやり過ごし、災害を減らす知恵が「減災」である。
一方、噴火の後には、長い期間にわたって火山の恵みを享受することができる。
火山の恩恵と魅力を伝えつつ、自然に対する畏敬の念を悠揚とした視点で書き綴る。

[ 目次 ]
第1章 火山噴火とはどんな現象か(溶岩流-地表に出たマグマ 軽石-泡立つマグマの破片 ほか)
第2章 噴火のタイプとその特徴(噴煙柱が立ちのぼるプリニー式噴火 爆発的なブルカノ式噴火 ほか)
第3章 噴火は予知できるか(地震を調べる 地殻変動を測る-火山体の膨張と収縮 ほか)
第4章 噴火が始まったらどうするか(活火山のランク分け 活動中の火山のレベル化 ほか)
第5章 火山とともに生きる(溶岩の流れを変える 災害は短く、恵みは長い ほか)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年04月27日

Posted by ブクログ

本当に火山が好きで研究を続けているんだとひしひしと感じる。あまり世に知られていない火山に関するいろいろな現象を紹介しており、また噴火の際の減災対策なども書かれている。火山に興味がない人も自然科学系の読み物として楽しめる一冊。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

火山の基礎知識から、予知、減災(防災ではない)、温泉とかの恵みまで分かりやすくまとめている。溶岩の表面でピンピンはじける音がするポッピングのことなど、フィールドワークをしてきた学者らしい、臨場感や、研究対象への思い入れがはいっている。

噴火予知は、いつ、どこで起きるかについては概ね実用レベルに達しているらしい。北海道の有珠山の2000年噴火などでは、予知のおかげで人的被害を出さずにすんだ。しかし、噴火の規模や推移なんかは、まだまだ予想するのが難しいと。

「火山の災害は短く、恵みは長い」と主張される。恵みは、温泉など観光資源や、豊かな土壌、地下水など。観光業への風評被害をおそれて防災訓練に消極的になる事例にたいして、情報公開とハザードマップなどの対策が大事と説くが、少しでも不安要素があれば観光客が敬遠するのは止むを得ないことなので、ここは難しいよなと思う。

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2018年11月05日

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