鎌田浩毅のレビュー一覧
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火山学、地球科学を専門とする鎌田浩毅氏の本。
従来の所謂ビジネス書に対して疑問を投げかけつつ、想定外のことが起きることを前提にした「ゆるい計画主義」や、未来を計画的にコントロールするのでなく、かといってなすがままに身を委ねるだけでもない、偶発的な出来事を生かしていく「計画された偶発性」を提唱しているのは、ビジネス書を多読し、自身が御嶽山の噴火を予想できなかったことなどの経験を基にしているだけに説得力はある。
だからといって、ビジネス書自身を真っ向から否定しているのでもなく、火山学が意味のないことではないとも言っている。
恐らく講義として話を聞いた方が面白そうな内容と思われた。 -
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基礎的な部分からかなり専門的な部分にまで踏み込んで火山と地震について述べられていた。
3.11はそれだけでインパクトが大き過ぎて、その4日後に富士山直下でM6.4、最大震度6弱の地震があったことは知らなかった。それ以降、山体が側火口のある北西ー南東ラインと直角の北東ー南西方向に伸びているらしく、宝永噴火から300年の沈黙もどうなることやら…。
2030年プラスマイナス5年のうちに南海トラフ地震が起きる可能性が高いとあったので専門家にはその被害をできるだけ少なくする対策を練ってもらい、一個人はそれに備えてやれることをやっておくしかないように思いました。「正しく恐れる」ことが大事なのだね。
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火山の噴火による様々な被害。例えば、火山灰、溶岩流、噴石、火砕流、泥流。こうした被害はどこの火山でも起こり得るが、富士山が噴火した場合、その山体規模や東側に首都東京があることなど、日本に与える影響は計り知れない。富士山はここ300年ほど噴火していないが、いまも活火山であり、近いうちに噴火する可能性も十分あるという。著者は、東日本大震災や、近く起こるであろう南海トラフを震源とする東南海地震によって富士山の噴火が誘発されるという。実際、過去にもそのような関係性が見られる。
そのリスクに警鐘を鳴らすとともに、他方で、火山の恵みは噴火の被害よりもずっと長期にわたって恩恵を与えるという点にも留意を促し、 -
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地球科学のすすめ。地学は学生の間では不人気の科目らしい。大学受験の必須科目とされていないことによるようだが、この本を読んでみると、人間生活に密接に関わる学問であることが判る。例えば、地震や火山の噴火で災害が起きると、マスコミが「想定外」の現実に騒ぐことがあるが、地学の基礎知識があればある程度対応が可能であり、著者はそういう知識を身につけておくことが重要と説く。地学は一見地味な学問に見えるけれど、将来のリスクに備える意味では重要な分野だと思う。因みに自分は高校時代に地学を勉強したことがある。受験の為に勉強したが、この本を読んで改めて勉強してみたくなった。
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火山噴火災害についてのアウトリーチ(研究成果を広く一般に告知すること)に取り組んでおられる鎌田氏による、富士山噴火の可能性と南海トラフ地震の関係について解説している本です。
前半部分は火山灰、溶岩流や火砕流といった火山災害の例を富士山が噴火したケースを想定して解説しています。
そして後半部分では富士山の噴火と、近い将来に発生が予想されている南海トラフ地震との関係について触れています。海溝型地震とその震源近傍に位置する火山の噴火とは極めて連動性があるというのが結論で、その理由について最新の研究成果を紹介しています。
富士山というと美しい稜線と日本を象徴するような存在として「静」のイメージでとらえ -
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日本列島の中には3枚ものプレート(北米、ユーラシア、フィリピン海)が重なり合う地球上でも極めて珍しい場所がある。
そんなプレートが引き裂かれる場所に富士山はある。
こんな場所だから噴火を繰り返し造られたのが富士山だ。
「日本を代表する」と言われる富士山は、実は特異な性格を持つ「巨大」な活火山だということを忘れてはならない。
富士山噴火の影響を受ける東京に住んでいると、最も長期的に被害をもたらす火山灰に怖さを感じる。
火山灰は細かいガラスの粉で、積もれば雪のようには融けてくれない。
水を含めば粘土のように固まる。よって洗い流そうとすると下水管が詰まる。
エアコンや車のフィルターが詰まり故障する -
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ネタバレ<目次>
はじめに
第1章 ムダな読書で人生を浪費しないための新しい読書術
第2章 読まずにすますほど読書の効果が飛躍する
第3章 「読まなくていい」を見抜く選書眼の養い方
第4章 「読む必要がない」を見抜いて確実に頭に残す方法
第5章 読後のアウトプットにつながる習慣
おわりに
<内容>
地球科学者の京大教授鎌田先生の本。自分の読書暦を本書で語ってくれるが、理系ながら結構文系の古典を読破されている。この本の骨子は「本は全部読む必要はない」。そのためにまえがき・目次・中見出し・奥書きを見て、必要箇所だけ読めば済む、と述べる。あとは本を汚せ、とか他の方も言っていることが書いてあります