土屋京子のレビュー一覧

  • ナルニア国物語4 カスピアン王子

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    ナルニア国物語の4巻目。これまた原著タイトルに忠実に、岩波書店版にはあった「つのぶえ」の表記がない。

    ピーター王らが築いた黄金時代から何百年も過ぎ、ナルニアの地は異国の民テルマール人に征服されていた。〈もの言うけものたち〉やドワーフは殺され、あるいは追い払われ、精霊たちの姿はない。
    カスピアンは、テルマール人の若き王子である。支配階級にありながら、古き良きナルニアに心を寄せていた彼は、半ドワーフの家庭教師に導かれ、ナルニアの仲間たちと共に叔父王に反旗をひるがえす。圧倒的な戦力差に絶体絶命となったカスピアンは、魔法の角笛を吹く。それは、ロンドンに戻り日常生活を送っていたピーターたち4きょうだいをナルニアへ呼び戻すものだった…。

    タイトルロールはカスピアン王子だが、これはやはりピーターたちの物語である。そして、成長し過ぎたピーターとスーザンにとっては、ナルニアでの最後の冒険となることがアスランによって告げられる。実際、今回、末っ子のルーシー以外はアスランの姿や声がわからない状況が続く。シビアだ。

    アスランは不思議な存在である。その姿は輝くライオン。海の彼方からやってきて、大帝の息子であるという。つまり、彼は至上の者ではない。ナルニアの地が、あの世界でどのよう位置を占めるのか曖昧だが、アスランはナルニアの他にもいくつもの地を管理しているとされる。今回、アスランはナルニアが荒廃するに任せていた。ナルニアの民からさえ、アスランの存在は消えかかっていたのである。そのくせ、ピーターたちをさも当然のように使い、ナルニアに復権するとカスピアンを王に指名するのだ。何がしたいのか、アスラン。
    しかし、多くの神話において、神のされることは理解不能なものである。理解することを拒絶するものである。信じるしかない。ナルニア国物語は、偉大なるアスランの神話でもある。

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    2022年01月04日
  • ナルニア国物語2 ライオンと魔女と衣装だんす

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    ナルニア国物語の2巻目。光文社文庫版では、より原著に忠実に、「衣裳だんす」がタイトルに加えられている。

    前作のディゴリーとポリーの冒険から数十年後。ディゴリーは著名な教授になっており、片田舎の広大な屋敷に住んでいた。そこに戦火から疎開して、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーという4人のきょうだいがやってくる。4人で屋敷を探検しているとき、末っ子のルーシーが衣裳だんすを潜り抜けると、その先には冬に閉ざされたナルニアの森が広がっていた…。

    ファンタジーには異世界に通じる抜け穴のバリエーションがあるが、衣裳だんすが異世界へつながっていたというアイデアは本当に秀逸。ドラえもんの宇宙開拓史なんかも延長線上にありそうな気がする。私も子どもの頃に、かくれんぼで何度も衣裳だんすに潜り込んだ。子どもは狭いところに潜り込みたいものなのだ。

    解説でもキリスト教の影響の色濃さを指摘しているが、それは確かに強く感じる。アスランの復活とキリストの復活の類似性にはなるほどと思う。しかし、それは大人になった今だからの感想なのかもしれない。サンタクロースが登場し、ギリシア神話やケルト神話的なものまで登場するから節操がないともいえる。

    以下余談ながら、衣裳だんすのくだりを読むうちに、はるか昔の特撮ヒーローものである「兄弟拳バイクロッサー」を思い出してしまった。小学生の頃の記憶なので曖昧ながら、ナルニアよろしく、衣裳だんすが異世界につながっていて、弟が乗ったバイクを兄が担ぐという斜め上な必殺技を繰り出すヒーローだったような…。図らずも、読書が回想法になってしまった。年だなあ。

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    2022年01月02日
  • あしながおじさん

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    メールでのやり取りじゃなくて
    誰かと手紙で文通したくなる本だった。
    手書きの文章を郵送して時間をかけて届けることで想いや温かさがより伝わって来る気がした。

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    2021年12月25日
  • あしながおじさん

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    1910年の作品とは思えない、現代に通じるアイロニー。所々で反語的な言い回しがあり、痛烈な欺瞞への批判と感じられるか、感じ悪いと一蹴するかのギリギリを攻めていると思う。
    最終章にておっと思うのも言わずもがなであるが、途中途中で『おじさん』サイドに感情を感じる不思議。
    懸命に書いたプロットを批判され、落ち込み燃やすも、次の日は気を切り替えた台詞が、『夫と子が沈んだとしても、次の日には夫と子供を作るだろう』この喩えがとても印象的でした。

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    2021年09月04日
  • ナルニア国物語6 銀の椅子

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    タイトルは『銀の椅子』だけど、銀の椅子がほぼ活躍しなかったので、記憶に薄かった。
    そしてまさかのユースティス続投!そしてかなりいい奴になってるのに比例して見た目も良くなってる〜!
    パドルグラムがめっちゃカッコいいと思った。

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    2021年08月06日
  • ナルニア国物語4 カスピアン王子

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    タイトル『カスピアン王子』だけど、カスピアン王子の影がうすかった…。期間限定でしかナルニアに出入りできないのは寂しい。

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    2021年08月01日
  • あしながおじさん

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    100年も前に書かれた話しなのに、現代の小説かと思えるほど、色褪せない素敵なストーリーでした。少女の生き生きとした毎日が、映像として目に浮かぶような描写に感心させられました。

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    2021年07月14日
  • 小公子

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    ある男の子の人生が突然好転するお話。
    印象だったことは、最初から最後まで主人公の男の子はお母さんのことを一番に考え愛していたこと。
    誰からも好かれる容姿と性格を持つ男の子を中心に周りの人達を変えていく物語。

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    2021年06月25日
  • 小公子

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    アメリカ生まれのセドリックがイギリスの伯爵のお爺さんのところに、跡継ぎとして行くことになるお話。

    予想以上にジーンとする場面があって、顔を洗いに3回洗面所へいくことに。
    心の純粋さ。自分のことより他人を思いやることで得られる心のあたたかみにじんとした。
    人生について大人が考えさせられる内容だと思う。

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    2021年06月05日
  • 秘密の花園

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    子どもの成長に必要な物を教わった。

    このお話のメインは、
    やはり秘密の花園。

    最初に花園に足を踏み入れたメアリが、
    動物や自然の成長とともに、
    自らの心も豊かになっていく。
    また、ディコンやコリンなどのお友達だちと遊んだり、
    一緒に自然の育て、
    一緒の秘密を持つことで、
    いわゆる、
    『子どもらしさ』を得ていく。
    その様子が、読んでいえ清々しい。

    また、コリンも同じく、
    親からの愛情を得ていなかった分、
    メアリやディコンから認められることで、
    自信をつけ、
    良く遊び良く食べ、
    どんどん成長していく。

    親からも愛情ももちろん大事だが、
    子ども同士での成長、
    自然の成長、共通の秘密を持つことのワクワクさなど、
    大人でも楽しめる内容だった。

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    2021年01月30日
  • 秘密の花園

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    両親を亡くし、英国の叔父の屋敷に引き取られたメアリ。
    「秘密の花園」の存在と再生、彼女と関わる人々の成長を描く。
    全27章。解説、バーネット年譜、訳者あとがき有り。
    ヨークシャーの豊かな自然の中で育まれる、庭の再生と
    子どもたちの成長の物語です。
    両親を亡くし、インドからヨークシャーの叔父の家へ。
    ミッスルスウェイト屋敷に引き取られた、つむじ曲がりのメアリ。
    謎の「秘密の花園」の存在を知り、発見。動物たちと仲良しの
    ディコン、病弱な従兄弟のコリンと共に、その再生に熱中する。
    愛情に飢えたメアリとコリンが豊の自然の中で変化し、成長。
    彼らを支える個性豊かな人々。女中のマーサとその母スーザン。
    老庭師のベン・ウェザースタフ。なによりも自然を愛し慈しむ
    マーサの弟ディコンとの出会いは、メアリとコリンを成長させる。
    それは季節の移り変わりと共に再生する「秘密の花園」のように。
    小・中学校で福音館書店版に親しみ、手元には西村書店版がある
    『秘密の花園』の大人版です。
    訳者あとがきでは原書は、素っ気ない文章なので、手加減なしで
    翻訳したと書かれてますが、挿絵が無いこともあり、
    かえって想像力が膨らむ内容になっています。
    インドやヨークシャー、クレイヴン氏が訪れたヨーロッパの描写。
    季節の移り変わりと生物たちの息づき。
    壮大な屋敷の内外と部屋。美味しそうな食事の情景等。
    素っ気ないとはいうものの、登場人物たちの描写は丁寧で、
    メアリとコリンの心と身体の成長が変化していく様子が良い。
    また、ヨークシャー訛りも訳者の苦心でしっくり物語に合ってます。
    だけど、タマゴちゃんって・・・謎の翻訳は原書に当たって調べて
    みようかな?西村書店版も再読してみよう。

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    2021年01月25日
  • あしながおじさん

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    ネタバレ

    読んだ気になっていたけど、そもそも小さい頃に読んで無かったのかもしれない。ジェルーシャが最初17歳なことに驚いた。

    そしてあしながおじさんとあだ名をつけるセンス。よすぎ。

    読んでいて絶対ジャーヴィスのこと好きになるし、ジャーヴィスも絶対ジュディのことが好きだと思ってわくわくしながら読んでいたから最後びっくりした。絶対おじさまは手紙読んでて、ジュディのことがかわいくてかわいくて仕方がないよね。

    ジャーヴィス死んじゃってないといいなあ。

    小さな頃に読んでいたらどう思ったのだろうか。それが気になる。


    古典もよいな。

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    2021年01月21日
  • ナルニア国物語2 ライオンと魔女と衣装だんす

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    『ナルニア国物語』の第2巻の物語の構成は、ある意味とても素朴かも知れません。

    解説でも触れられていますが、物語の基本型である日常から非日常への「行って、帰ってくる物語」であり、悪を乗り越えて、魔女に支配された世界の秩序を取り戻し、子どもたちは人間的に成長する。
    おそらくこれ以上無いくらい、物語らしい物語だと思うのです。

    そんな素朴な物語に味をつけるのが、登場するキャラクターたちと、作者であるC・S・ルイスの語り口であったりする気がします。

    ナルニアの国に最初に迷い込んでしまうルーシーの素直な感じであったり、長男のピーターが勇気を示したりと、子どもたちの活躍もさることながら、ナルニア国ならではのファンタジーの世界の住人たちが、個人的になおのこと好きです。

    最初にルーシーと出会い、彼女を助けるフォーンのタムナス。魔女に見つからないよう、子どもたちにしゃべらないように促しつつも、自分の作ったダムが褒められるとうれしがるビーバーの夫。
    美味しそうな食事を振る舞うビーバーの夫人は、魔女の追っ手が迫ってきてもマイペースで、魔女に囚われた巨人やライオンは、どこかとぼけている。そして、神秘的であり神々しくもある世界の創造主であるアスラン。

    物語は基本的に作者(神)の視点で語られるのですが、その文体が時折、物語を語るのではなく、読者に語りかけてくるようになるのも面白い。

    衣装だんすに閉じ込められることを、異様に注意したり、またビーバーが子どもたちにダムを褒められたときの表情については『自分の丹精した庭を案内するときや、自分が書いた物語を読み聞かせるときに人がよく顔にうかべる、あの表情だ』と語りかけ、

    子どもたちが哀しみにくれる場面があれば、『この本を読んでくれている諸君がこの夜のスーザンやルーシーほどみじめな気もちを味わった経験がないことを祈っているが――』と語りだし、
    『一晩じゅう涙がかれるまで泣きあかした経験があるとしたら――最後にはある種の静謐な時間が訪れることを知っているだろうと思う』と語りかける。

    この語りは物語の流れを阻害するものではなく、一種のアクセントになっているように感じます。

    後、この『ライオンと魔女と衣装だんす』で驚いたのがサンタクロースが、実際に登場人物として現われ、子どもたちに魔女との戦いのためのプレゼントを渡すところもなかなかのインパクト。
    完全なる空想の世界の物語と思いきや、急に子どもの頃から身近だった空想が、突然現われるその意外性が、なんとも印象的です。

    物語の型や子どもたちのそれぞれの雰囲気は、児童文学らしく素朴でごまかしがありません。一方で突然作者が語りの中から現われたり、あるいはサンタクロースのような子どもの大好きな空想が、物語の中に現われたりと、どこかごった煮のように感じられるところがあります。それななぜなのか。

    自分は、作者のC・S・ルイスが読者として想定していた子どもへ、どうやったら物語と物語の声を届けられるか、考えた結果がこの素朴で、一方でごった煮のような物語と語り口だったのでは無いかと思いました。

    物語のところどころでキリスト教を思わせるところがあります。解説によると『ナルニア国物語』は、キリスト教弁証家のルイスが、聖書を子ども向けに書き直したにすぎない、という批判もあるらしいです。そうみると物語がところどころ寓話的なのもうなずけます。

    でも、その枠を越えて「固い寓話よりも、サンタも魔女もライオンも巨人も、喋るビーバーも出した方が、おもろいやん」というサービス精神のようなものが、物語に根づき、そして時折顔を出しているように思えてきます。

    児童文学らしく真っ直ぐな物語ですが、その分小手先の技術では誤魔化しきれない、作者のC・S・ルイスの読者への思いが確かに乗っかってこその、世界的な名作なのだと思います。

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    2020年06月14日
  • あしながおじさん

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    あしながおじさんの正体がいったい誰なのか、わくわくしながら読み進めた。
    ある人のご好意で暗い孤児院からやっと明るみにでて暮らせることになったその喜びが1枚、1枚の手紙に綴られる。少女の書くその手紙はなんとも美しくはつらつとしていて、文章全体をキラキラと輝かせている。

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    2020年03月02日
  • ナルニア国物語5 ドーン・トレッダー号の航海

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    第三作。趣向を凝らし《転》にあたり、(前2作の好評で)自信がでてきて著者の語りたかったことが語られ(平面世界であることが明かされ)ナルニアが存在する世界の意義やシリーズの大団円の構想も見えてきたようだ。帆船の“絵”がアプローチとなり(「結婚祝に贈られた」にも意味がありそう)。異世界転移は前二作の森と一変して海上。世間臭い七つ島の権力交代劇からあとは奔放な空想が繰り広げられるが…『声の島』でアスランがはっきりと姿を見せ寓意性が明らかになる/『星の島』からの先の《世界の果て》は、死後世界または天国の象徴らしい

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    2020年02月09日
  • ナルニア国物語2 ライオンと魔女と衣装だんす

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    フランク王の裔は絶えたらしく英国から新たな人材を求めて…展開が早い。が、ビーバー家の昼食は細かく描写。他にも食事はわりとていねいに描写。人間以外の夫婦の描写も全篇でここだけではないか?(リアルでは家族を作るのは人間だけ)性欲のマイナス評価以外の描写は少ない。/「ファンタジー」というのはかっちりと世界を造形してなくてはならないが、子供にこびてサンタクロース出したりしては破綻していないか??タムナスさんの蔵書のタイトルを見てトールキンは「こりゃダメだ」と見放した。もちろん英語だったんだろう(サンタは英米文化)

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    2020年02月09日
  • ナルニア国物語4 カスピアン王子

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    発表では第2作、『ライオン…』の続編。子ども達(かつての兄弟姉妹4王)は一年後(夏季休暇直後、新学年初日)ナルニアに戻ったが/解説・井辻朱美も「映画のほうが面白い」ようなことを言っている。小説のクライマックスの「アスランが見えないの?私だけでも行かなくちゃ」はカルト宗教にハマった一員を家族が取り押さえかねているような感じ/この巻から(ナルニアを含む平面世界の)現代史に入る。ナルニア(を含む世界全体)の終わりは近い/「歴史教科書のはじめが神話であるのは故無きことではない」民族=nationの基は神話だから。

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    2020年10月06日
  • ハックルベリー・フィンの冒険(上)

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    誰もが一度は耳にしたことがあるであろう作品、「ハックルベリー・フィンの冒険」。これは同じトウェインの「トム・ソーヤーの冒険」の続きにあたる作品である。
    自分は「トム」は読まずに本作を読んでしまったのだが、「ハック」だけでも十分読むに値する作品である。

    時は19世紀半ば、アメリカ南部ではまだ奴隷制が普通に存在した時代。
    主人公のハックルベリー・フィンは、父親の元からの逃避行の途上で、知り合いの黒人奴隷ジムと行動を共にするようになる。
    ハックは、ジムを逃がそうとし、北部の奴隷制の無い自由州へ向かおうとする。
    その道中の物語が本作の内容である。

    今のアメリカで奴隷制を正しいと思っている人はいないだろうが、当時はごく当たり前のこととされていた。
    当然ハックもその「常識」に捉われていたのだが、ジムとの個人的な交流をとおして、彼も自分も同じ人間であることを知らされ、奴隷として扱うことに躊躇いを見せるようになる。
    作中、彼自身はそれを「地獄に行ってでも」というほどの覚悟で宗旨替えをすることになるのだ。

    この作品を読んで強く感じたことは、「常識」が人を捉える力の強さと、その「常識」の相対性だ。
    どんなに開明的で先入観のない人であっても、人間社会で過ごしている以上は、何かしらの常識の元で育ってきているわけで、そしてそれは自身と渾然一体となっていて、不可分のものとなっている。
    だから、その常識から解き放たれるということは、文字通り自己の一部を喪失する体験に違いない。
    それほど重く困難なことなのだ。
    歴史上の人物のその時々の判断に対し、現代の視点から評価をしてしまいがちだが、その時代の常識の枠から超え出ることがどれほど困難なことか、それはよくよく差し引いて考えねばならないことだろう。

    そして、どんなに堅固に見える常識であっても、絶対不変なものもない。
    つまり、今正しいと思われていることも、数百年後の人々にはおかしな風俗の一つと見られるようになる時が来るということである。
    だから、世の常識・良識や倫理観に抗う必要はないのだが、あまりにカチカチの原理主義に陥るのもどうだろう、
    まあそういう考えもあるよね、とりあえずは妥当だよね、という程度の距離感で捉えておくのがよいのかもしれない。
    そうでないと、それこそ世の「絆」に縛られて、身動きできなくなってしまうだろう。

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    2019年12月29日
  • 秘密の花園

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    とても前向きになれるキラキラしたお話だった。
    自分も秘密の花園に入ったら考え方が素直になれるだろうか。
    子供向けではあるかもしれないけど、大人も読んではっと気づくこともありそうです。

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    2019年12月10日
  • ナルニア国物語2 ライオンと魔女と衣装だんす

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    今読み返すと「復活」の瞬間があまりにも近い気がする。それゆえ「喪失」の後の深い哀しみが薄れてしまう気もする。しかも「喪失」の瞬間に立ち会ったのがスーザンとルーシーのみなのもどうしてだろう。作者は敢えてその瞬間を少年達に見せないようにしたのか?謎は深まる。

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    2019年11月13日