土屋京子のレビュー一覧
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ひょんなことから街から逃げ出したハックが黒人逃亡奴隷のジムとミシシッピ川を筏で下っていく冒険物語。
奴隷制の厳しいアメリカ南部に下っていく中で、
黒人奴隷への厳しい扱いや雄大な自然の残酷さ、カネに執着する卑劣な人達など様々な難局にぶつかる。
そんな困難をハックの頭のキレ(デタラメな口からのでまかせも多いけど)と2人の真っ直くでしなやかな心で乗り越えていく。
こんなにも2人に寄り添って大冒険ができたこと、ほんとうに幸せだった!
ハックが覚悟を決める良心との葛藤シーンは
何度読んでも心が熱くなるし、涙が出る。
当時の社会の通説を風刺しながらも
ミシシッピ川流域の島々をこんなにもありありと描いた -
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登場人物全員が成長する(アスランを除き)。
シャスタ 夢見る少年から英雄
アラビス
ものいう馬ブレー
ものいう馬フイン
アーケン国王子
ラバダシ王子
原題「The horse and his boy」。ナルニアは“物言うけもの(鳥や人外の者もいる)”の国だから、馬は主権者。
牡馬ブレーと牝馬フインはさらわれてきて「しゃべれると分かると見世物にされる」普通の馬をよそおっていたが、同じく逃避する希望の人をそれぞれ相棒としてナルニアを目指して脱出行のさなか遭遇し合流。賢かったのは牝馬のほう/
ふつう馬は人間の4倍速く老いる、ものいう馬は人並に長いのだろう。2頭は「たいへんな長寿になるまでナルニ -
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ほら見ろー!
な、言った通りやん、な(誰に何を言うたん?)
はい、フランシス・ホジソン・バーネットの名作『小公女』ですよ!
みんな大好きセーラお嬢様ですよ!
原題は『A Little Princess』で、ここで言うPrincessとは王女様(王族の血を引く娘)ってことではなく、「いつも自分の幸せより他人の幸せを思いやる気高い心を持った人」という意味です
分かりやすく言うと、わいみたいな人ってことやんな(おい)
まぁね、結局最後はこういう真っ当な心を持った子が幸せになるのよ
そうでなければいかんのよ!
なんのための小説かってことですよ
小説の存在意義ってそういうことでしょうが!
嫌な -
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ネタバレとても面白かった。敬虔なトムが神の教えに従い、黒人奴隷の渇ききった心に愛を与える。トムの優しさに触れた黒人奴隷はトムの信じるクリスチャンの心を知る。今日では「アンクル・トム」という言葉は「白人に屈従する黒人」という意味を持つらしくタブーとされている。しかし、屈従などこの本のトムはしていなかった。自分の口できちんと白人に抵抗し、自分の強い心を示していた。著者は黒人奴隷の人間らしい心を認め、白人の無視する心をたしなめた。文中にも天国から除外される人は積極的に善行を行わないことを糾弾されるとある。屈従しているのは奴隷問題に対し見て見ぬ振りをしていた当時の白人の方であって、アンクル・トムの小屋のトムは
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よい魔法とはみんなが使える魔法なのだ
誰も彼も、大人も子どもも、老人も、キツネもカラスもこまどりも、子羊だってリスだってポニーだって使えるのだ
そうだ自分も今日からよい魔法を唱えよう
土屋京子さんの『秘密の花園』である
え?原作はバーネット?フランシス・イライザ・ホジソン・バーネット?
わーっとるわ!
分かってて言うとるんだわ!
それほど土屋京子さんの新訳がすんばらしかったんだわ!『秘密の花園』史上最高の日本語訳だわ!
他の訳一切読んだことないけど言い切れます
とっても分かりやすいのはもちろんだけど、ご自身があとがきで仰ってるんですが、まず土屋京子さん、この『秘密の花園』を児童文学では -
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ネタバレつい最近光文社文庫で新訳ができたということで、昔からタイトルだけは知っていたものの読めてよかった。世界史の資料集で『奴隷制度を告発した』とか紹介されていたような気がしたのでもっと堅苦しいものかと思っていたが、当時の実情を知るのみでなく読み物としてもとても面白かった(最後のハリス一家の大団円はできすぎ感も否めないが)。登場人物それぞれのキャラがたっており、奴隷制度への受け取り方もさまざまに描かれているのも興味深い。また、黒人奴隷の側も必ずしも善人ではないのもよかった。
現実にはジョージ坊ちゃまのいないアンクル・トム、逃亡に失敗するハリス家が多かったのだろうと胸が痛む。
これを受けて昨今に残る -
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ネタバレ南部のシェルビー家いたトムは、ある日借金返済を含め、売られることになる。いつか買い戻すと言うことを信じて、ニューオーリンズの奴隷市場へ向かうことに。トムは南部ニューオーリンズに向かう船の中で主人サンクレア氏と一人娘エヴァに引き取られる。サンクレア氏の下で、とても幸せに過ごすがある日一人娘のエヴァは心臓の病で亡くなり、続けてトムを解放しようとしていた主人のサンクレア氏もカフェにいたところ喧嘩に巻き込まれて突然亡くなる。
残された奴隷たちは、主人のサンクレア氏の妻マリーと過ごすが奴隷市場に売られることに。トムとアドルフと他6人はスケッグズ氏によってリグリー家に引き取られていくことに。トムは具合の悪 -
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面白かったし他の人にも勧めたい。
世界史の資料集にタイトルが出てきたのを何となく覚えていて、ちょっと前にハックルベリー・フィンの冒険を読んだりBLM運動もあったりしたのもあって黒人奴隷・差別の歴史に興味を抱いて読んでみた。
程よい人数の登場人物と場面切替もあり読みやすい。トムが真面目実直な人物だからこそどうか少しでも良い生活を送って欲しいと思う(下巻はまだ読んでないので)。奴隷を「使う」側の白人の側にも良心的な登場人物がいて救われる。また、奴隷制度廃止の北部の心情の中には、(オーガスティンの推測としての)オフィーリア嬢のように近くに置いておきたくないという立ち位置もあるつと
奴隷にされ酷使