青柳碧人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
探偵小説家の江戸川乱歩と、多くのユダヤ人の命を救った杉原千畝。その2人が若きときに知り合い、友となったという設定で書かれた、ノンフィクションとフィクションを合わせた本書。
何者でもなかった2人が、抱いた夢を実現すべく、時に迷い、立ち止まりながらも歩み続ける。その姿、また彼らを支える人々に引き込まれた。
彼らのように歴史的に大きなことを成す人はほんの一握り。天賦の才というものはあるのだと思う。けれど、誰もが経験するように、悩み、迷い、立ち止まり、時に自信をなくす。そしてまた、そんな彼らを支え励ます友がいる。それが清々しい。
読後感がよく、楽しめました。
2人を取り囲む人々も魅力的にある -
Posted by ブクログ
ネタバレ歩む道は違えど信念を同じくした乱歩と千畝。交錯する2人の人生があまりに面白くて夢中で読んだ。2人が残した功績は果てしなくすごい...。if小説とはいえ、こうあって欲しいとさえ思った。
2人ともいつもどこか孤独だったんだと思う。そんな中絶望の淵に立たされても信念を曲げられそうになってもなんとか立ち上がり向かっていく背中にグッときた。「悩んだら優しい方を選ぶ」ってとてもいいフレーズ。
また有名な作家さんが出まくっていてこれはミステリー好きは必読だな...と思ったり。横溝正史との関係値、最高すぎる。私の知識だと聞いたことはあるけど読んだことはない方も多くて、おかげで読みたい本が増えました笑
寂 -
Posted by ブクログ
私の好きな作家さん4人の短編集。初めて本格的な大人のミステリーに触れるのにぴったりです。怪盗レッドの秋木真さんがこのメンバーに入ってるの、児童文学読みにはニヤリとさせられます。4人(4作品)なのは、作品順にホワイダニット、フーダニット、ハウダニット、そして叙述トリックをテーマにそれぞれ書かれているから。作品の表紙に気をつけて読むべきポイントなども示唆してあり、本当にミステリー入門書を意識したつくりになってます。内容は小学生でも大丈夫だけど、やはり殺人など出てくるし、装丁が大人向けなので、中学校以上向け。
「ヤンキー、ミステリと出会う」青柳碧人
WIND BREAKER な感じのヤンキー高校( -
Posted by ブクログ
ネタバレ「雨月物語」‥タイトルは聞いた事ある、コワイ話なんだろうな、ぐらいの認識で、読んだことはない。
でも、これを元にしてるのだったら読んだ方がいいでしょう、と思い、「雨月物語を一編」→それを元にした本書の一編」という感じで読むことにした。
「雨月物語」の話をベースに、時代は現代に置き換え、アレンジして、電化製品を必ず物語にからませる。アレンジはいいとして、何故電化製品を?このキテレツな設定は、普通は考えつかない。発想の勝利だと思う。
元々の話が、うすら怖い感じの怪談で、オール電化でも雰囲気はそのまま、うまく現代風にしてある。電化製品のからませ方も違和感なく、なるほど〜という感じ。だいたい、後味 -