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函館の数学エリート養成所「斐三郎(あやさぶろう)進学会」の卒業生たちが「黒い三角定規」の一員となりテロを画策しているとの情報が入った。数学好き中学生・浜村渚は武藤刑事と共に函館に向かう。五稜郭の数学的美しさに感動する渚だが、そこに最強の敵キューティー・オイラーが現れ……。絶好調数学ミステリー第三弾。(講談社文庫)
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Posted by ブクログ
昨夜、一人の少女が―― 「はじめまして。千葉市立麻砂第二中学校二年の浜村渚といいます」 「あれ、キミは……。どうしてこんなところに?」 「最近あるネットのサイトで、『tenkiya友の会』という数学サークルができたという情報が入りまして、ひょっとしたら数学テロ組織『黒い三角定規』と関連があるのでは...続きを読む……と武藤さんが言っていたもので。あ、武藤さんというのは警視庁の『黒い三角定規・特別対策本部』の方です。武藤さんはまだ来ていませんか?」 「来ていませんが」 「困ったなあ。ちょっと待たせてもらっていいですか?あなたがtenkiyaさんですよね?」 「ええ、ボクがtenkiyaです。待ってもらうのは構いませんが」 「ありがとうございます。では失礼します」 「何かこの部屋。本がたくさんありますね。本棚に収まらず、机の上やパソコンの周りにまで。この本を全部読んでいるのですか?」 「いや、大半の本は“積読”状態だよ。そのキミが言っていた『tenkiya友の会』ができたサイトの影響で読みたい本がどんどん増えていくんだ。このままでは家計にも響いてくるとつれあいもいい顔をしていないね」 「あ、これ、『オイラーの贈り物』。かのオイラー先生が書いた本ですね」 「オイラー自身が、「はい、贈り物」って本を書いたんだったら相当お茶目なんだけど。それはオイラーの公式e^πi=-1について一から解説している本だよ。今ひそかに売れているそうだね」 「『その2』でキューティー・オイラーが着ていたTシャツにも書かれていた式ですね。あ、私の本もあります」 「そうなんだよ。ちょうど一週間前に本屋さんで見つけて、思わず3冊買ってしまった。そこで今『3さつめ』を読み終えたところさ。『1さつめ』,『2さつめ』に比べてかなり難しくなっているみたいだね。何度も前を読み返したりして、少し時間がかかったよ」 「そしたら、私のこともよくご存じですよね。『黒い三角定規』のテロ活動と闘っていることも……。『tenkiya友の会』にとっては、やっかいな存在なのでは?」 「いや、ちょっと待って。どうも誤解があるようだ。先ほどキミは『tenkiya友の会』を“数学サークル”と言ったけど、正しくは“数楽サークル”だ。いや、サークルですらないのかもしれない。何せ、面白い数楽の本を紹介することが会員の唯一の任務で、他に何もない。もちろん「幽霊」でも構わない。数学テロ組織『黒い三角定規』とは一切無関係だよ」 「では、武藤さんたちの情報は誤りなんですね」 「その情報はもしかして、クレタ人から得たものでは?『その3』の第log10章では登場してきているよね」 「私は詳しくは聞いていないけど、そうかもしれません。千葉から出てきてタイヘンだったのに……」 「そう言えば、『その3』では第log10000章で北海道の函館まで行ったよね。五稜郭はやっぱり美しかったかい?」 「それはもう……。正五角形って黄金比も隠れていて、美しいですよね」 「でも今回ボクが楽しめたのは、第log1000章の『「プラトン立体城」殺人事件』だった。読んでいて森博嗣の『笑わない数学者』を思い出したよ。立体トリックは素敵だよね」 「そうなんです。私も小説は読まないのに。あれは本当に数学の問題だったんですよ」 「ところで、一つ気になったことがあるんだけど」 「何ですか?」 「第log10000章でマダム・エミーが黒い三角定規のメンバーかと聞かれたキューティー・オイラーが『真部分集合ではないけど、共通部分はφ(ファイ)ではないって感じ?』と答えているよね。このφは空集合の意味で使っていると思うけど間違いじゃないかな」 「えっ!どういうことですか?」 「そこの『数学入門辞典』で「空集合」を引いてごらん。何て書いてある?」 「えっと、『自然数について0を考えたように,集合についても元(要素)を1つも持たないものも集合と考えると扱いやすい.これを空集合という.なお空集合の記号は,もともとゼロ記号0(またはO)と記号/の合成であり,ギリシア小文字φと混同しやすいので注意する必要がある.』……」 「つまり、空集合の記号はφではないんだよ。キューティー・オイラーにしては初歩的なミスを犯したものだ」 「でも、いろいろな本に空集合の記号はφって書いてありますよ。それはどうしてですか」 「おそらく、印刷技術によるものなのだろう。『ゼロ記号0(またはO)と記号/の合成』という記号が作りにくくて、ギリシア小文字φで代用した。それを読んだ人が空集合の記号はφと誤解した。その誤解が広まったという次第さ。学校の先生でもφ(ファイ)って言う人が多いからね。でも最近は、正しく『ゼロ記号0(またはO)と記号/の合成』で書いてある本も増えているよ」 「ありがとうございます!千葉からわざわざ出てきた甲斐がありました。私も『tenkiya友の会』に入ってもいいですか?」 「ああ、もちろん大歓迎だよ」………… ――目が覚めた。
エピメニデスの「クレタ人は嘘つきだと、クレタ人は言った」 こういうことを考えるの、大好きです。クモの問題もとてもおもしろかったです。数学ってたのしいと、この本を読んであらためて思いました。
数学が教育から排除された日本で起きたテロリスト、 「黒い三角定規」の数学と対峙するために警察に協力する、 中学生「浜村渚」の物語の第3弾。 かつて北海道函館にて数学エリート教育所として存在した、「斐三郎進学会」 の卒業生が、黒い三角定規の一員となりテロを画策しているという情報が入り、 解決のために...続きを読む、武藤刑事と共に浜村渚は函館に向かう。 1弾からずっと数学がらみで、結構難しい問題が次々と登場するも、 教育で数学がなくなったり、 あまり数学が得意じゃない警察だったりで、浜村渚がいいように扱われ ている節がある。数学が得意な人は数学を楽しみ、苦手な人は、 文学として数学は傍観して楽しめるので、数学ミステリーではあるが、 そこまで気張って読むこともない。 今作に登場するとある牛柄を好むキャラが、こち亀に出てくる、 特殊刑事の1人に見えて、オマージュなのかと思えてくる。 少し違うのは、横柄な態度をとらないやさしさがあった(笑)。 解説で、当時東大大学院生でタレントの木村美紀さんが、 解説で登場する数学の問題を解説してくれてるので、作中で 解らなくても、少しは理解できるようになるかも?知れない。
2冊目は?だったが 今作で取り返してくれた 登場人物も増えて、今後が更に楽しみ 木村さんの解説も、問題の解説も含めて素晴らしい
本の世界にどっぷり浸れる良書です。適度に砕けて刺戟的、好奇心も満たされ、とてもバランスのよい本だと思います。息抜き、気分転換にもってこいですね。
今までより少し内容が難しかったけどイラストがあったり恋心に例えたり、中高生の時に読んでたらもっと共感できて面白く読めたんじゃないかなと。惜しい...
内容がよく出来ていて面白く、本当に中2?と言うくらいに数学が出来難事件を解決していくのは、とても読んでいる人を引き込むような面白さであった
読むたびに、学生時代に数学の楽しさに出会えていれば、なんてことを思う。あんなに嫌いだったはずの数学がやってみてもいいかも?と思えるだけでと価値があると思う。
今作はミステリ要素も数学的要素も強まっている。 少しややこしいかもしれない。 ただ、図で説明していて説明は易しいし、数学的視点から見た函館の五稜郭なんていうテーマも興味深い。 『クレタ島・嘘つき迷宮』では「嘘つき村と正直村」のような、子供の頃に流行った遊びが出て来る。 自己言及のパラドクスやら、論...続きを読む理学やら証明やら、難しく考えることもできるし、子供のなぞなぞのように楽しむこともできる。
『2さつめ』で期待していたトポロジーが、「クレタ島・嘘つき迷宮」で見事な形で表現された。「アイシテルの正弦」での三角関数の説明も楽しかった。角度の単位は中学生が読むことを前提に度数で表現したものか? 函館を舞台にした「武田斐三郎の街で」では、五稜郭の築城が数学的にも美しいものであることが理解できた。...続きを読む斐三郎の設計と施工技術が素晴らしい。ドクター・ピタゴラスの反撃が始まった。次はどんな数学で楽しめるだろう?
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浜村渚の計算ノート
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青柳碧人
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