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Posted by ブクログ
サクッと読めてしまうけれど、出てくる数学の話が奥深くて、読むたびにいつもちゃんと数学を勉強しておけばよかったと悔やむはめになる
後書きの作者の「役に立つ」「役に立たない」の二元論で物事を考えて自ら切り捨ててしまうのではなく、「何の役に立ててやろうか」と自分自身の中で常に考え、将来の楽しみに変えていけるような人間を目指してみようという話が印象に残った。要不要で物事を考えると結果的に自分の未来の幅を、自分自身で狭めていることになる、というのは本当にその通りだと思う。
(これは私事でしかないけれど、あれほど苦手だったはずの数学に、推しが数学教師というそれだけの理由で自らワークを買い直したり数学に関する書籍を読んだりする日が来るなんて高校の時は予想だにしなかったわけだし)
数学のみならず、勉強するってこういう事なんだということに向き合わせてくれる一冊だと思う
Posted by ブクログ
天才数学者・高木源一郎(通称:ドクター・ピタゴラス)率いる数学テロ集団「黒い三角定規」と闘う中学2年生浜村渚&特別対策本部の活躍を描くシリーズ第2弾。今回も各章は常用対数で表されています。
そのタイトルと数学的内容は
第log10章「その処刑台、カラフル」……ルービック・キューブの話
第log100章「麗しのルイ様」……指数の話
第log1000章「割り切れなかった男」……剰余の話
第log10000章「不思議の国のなぎさ」……n進法の話
となっており、エピローグとして「ケーニヒスベルクの夢」という章があります。
「黒い三角定規」のメンバとして登場するキャラクタは、第1弾より洗練されてきているような気がします。特に第log10000章に登場する「キューティー・オイラー」はドクター・ピタゴラスの片腕的存在だそうですが、かなり魅力的です。この章では捕えられてしまうのですが、エピローグでは留置場からあざやかに脱出します。
『プレーゲル川の橋を、全部一回ずつ渡ってから、わたしを捕まえにきてね♡――Cutie Euler』というメモを残して……。
これで「だから『ケーニヒスベルクの夢』なのか!」と気付いたアナタ。かなりの数学マニアですね。
この「キューティー・オイラー」の脱出により、「3さつめ」への期待も高まっていきます。
なお今回も各章の中の節の番号も凝っています。
第log100章は指数がテーマなので、
5^0(=1),4^(1/2)(=√4=2),3^1(=3),2^2(=4),5
となっていますし、第log10000章は2進数で
1,10(=2),11(=3),100(=4),101(=5)
となっています。
他の2章は、√1,√4,√9,……となっているのですが、私の個人的な趣味としては第log1000章は裁判の番号が823543などを始めとして、7を大きなテーマにしているので、
142857/999999×7(=1),285714/999999×7(=2),428571/999999×7(=3),
571428/999999×7(=4),714285/999999×7(=5)
とでもしてほしかったなぁと思いました。
それほど今回も数学ゴコロをくすぐられます。
ところで、第log1000章で浜村渚は、定期テストの勉強もせず、「デデキントさん」の本を読んでいたという描写が出てきます。この本はおそらく『数について――連続性と数の本質――』でしょうが、中学生でこれを読むとは恐るべしです。19世紀になってやっと実数の本質を明らかにしたという記念碑的な本なのですから。
ここにも見られるように浜村渚は、数学者を「さん」付けで呼びますが、唯一オイラーだけは「先生」と呼びます。これは『数学ガール』のミルカさんにも共通する特徴です(ミルカさんはオイラー以外は呼び捨てですが)。
やはりオイラー先生は「我々すべての師」(ラプラス)なのでしょう。
魅力的な「キューティー・オイラー」の登場と、相変わらずの数学フリークぶりに「3さつめ」への期待大です。
Posted by ブクログ
日本政府における理数系教育、主に数学の教育の大幅削減に伴い、
ドクター・ピタゴラスが、数学を愛する人たちを従え、
テロを起こし、その事件を解決しようと奔走する警視庁の面々と、
数学に長けた、中学二年生の浜村渚の連作短編集の第2弾。
今作は、タイトルでわかっちゃう人も多いかと思いますが、
連作短編の最後の話が、ルイス・キャロルの不思議の国のアリスを
オマージュした作品となっていて、とある理由からテロリストに属する
数学を愛する、天才少女を追って、
不思議な世界に迷い込む刑事が数学の謎を解くことになる。
前作よりも、ガッツリ数学が出てくるので、数学好きは楽しめるし、
苦手な人も数学にもしかしたら興味がわいてくるかもと言う展開が多く、
1話目はルービックキューブが絡んでくるのも面白いし、
中学二年生の浜村渚が社会科目に苦手な場面があるのだが、
こと数学が絡んでしまうとなぜか詳しく語り始めてしまうところが、
色々関係してくる場面もあって、楽しめました。
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