あらすじ
数学テロ組織「黒い三角定規」との闘いは終わらない。数学好き中学生・浜村渚と警視庁特別捜査班の今回の敵は、弱冠二十歳で米国名門大学留学資格を得た美女、コードネーム「キューティー・オイラー」。4×5が12になるような特殊進法に支配された世界で、渚と武藤刑事の命をかけた期末テストが始まる! (講談社文庫)
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Posted by ブクログ
サクッと読めてしまうけれど、出てくる数学の話が奥深くて、読むたびにいつもちゃんと数学を勉強しておけばよかったと悔やむはめになる
後書きの作者の「役に立つ」「役に立たない」の二元論で物事を考えて自ら切り捨ててしまうのではなく、「何の役に立ててやろうか」と自分自身の中で常に考え、将来の楽しみに変えていけるような人間を目指してみようという話が印象に残った。要不要で物事を考えると結果的に自分の未来の幅を、自分自身で狭めていることになる、というのは本当にその通りだと思う。
(これは私事でしかないけれど、あれほど苦手だったはずの数学に、推しが数学教師というそれだけの理由で自らワークを買い直したり数学に関する書籍を読んだりする日が来るなんて高校の時は予想だにしなかったわけだし)
数学のみならず、勉強するってこういう事なんだということに向き合わせてくれる一冊だと思う
Posted by ブクログ
懐かしい数式や公式が出てきてそういえばそんなだったと思い出しながら...
不思議の国のなぎさが一番面白かった。まさか数学的要素があったとは思わないし、一番ファンタジー色濃くて好きな話。
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数学ネタのお話は問答無用で面白い気がします。
日本では現実で理系科目への扱いが悪くなってきており、現在ではないにせよ数十年、数百年後には物語のバックグラウンドとして設定された世界が現実化されないかとても心配になります。今回の話は、不思議の国のアリスを先に読んでおいた方がより楽しめるかなと思いました。
Posted by ブクログ
数学エンタメとして楽しく読める作品。「麗しのルイ嬢」では累乗がテーマ。3のマイナス1乗が即座に答えられなかった自分に凹んだ。数学者でもあったルイス・キャロルに敬意を表して書かれた「不思議の国のなぎさ」は、オチが落語的で、そこもエンタメだな~と思うところ。n進法は、答えを示されれば納得なのだが、その規則性に気付くには柔らかい思考が必要。エピローグは一筆書き問題。トポロジーの原点だが、今後の展開に出てくるかな?
Posted by ブクログ
天才数学者・高木源一郎(通称:ドクター・ピタゴラス)率いる数学テロ集団「黒い三角定規」と闘う中学2年生浜村渚&特別対策本部の活躍を描くシリーズ第2弾。今回も各章は常用対数で表されています。
そのタイトルと数学的内容は
第log10章「その処刑台、カラフル」……ルービック・キューブの話
第log100章「麗しのルイ様」……指数の話
第log1000章「割り切れなかった男」……剰余の話
第log10000章「不思議の国のなぎさ」……n進法の話
となっており、エピローグとして「ケーニヒスベルクの夢」という章があります。
「黒い三角定規」のメンバとして登場するキャラクタは、第1弾より洗練されてきているような気がします。特に第log10000章に登場する「キューティー・オイラー」はドクター・ピタゴラスの片腕的存在だそうですが、かなり魅力的です。この章では捕えられてしまうのですが、エピローグでは留置場からあざやかに脱出します。
『プレーゲル川の橋を、全部一回ずつ渡ってから、わたしを捕まえにきてね♡――Cutie Euler』というメモを残して……。
これで「だから『ケーニヒスベルクの夢』なのか!」と気付いたアナタ。かなりの数学マニアですね。
この「キューティー・オイラー」の脱出により、「3さつめ」への期待も高まっていきます。
なお今回も各章の中の節の番号も凝っています。
第log100章は指数がテーマなので、
5^0(=1),4^(1/2)(=√4=2),3^1(=3),2^2(=4),5
となっていますし、第log10000章は2進数で
1,10(=2),11(=3),100(=4),101(=5)
となっています。
他の2章は、√1,√4,√9,……となっているのですが、私の個人的な趣味としては第log1000章は裁判の番号が823543などを始めとして、7を大きなテーマにしているので、
142857/999999×7(=1),285714/999999×7(=2),428571/999999×7(=3),
571428/999999×7(=4),714285/999999×7(=5)
とでもしてほしかったなぁと思いました。
それほど今回も数学ゴコロをくすぐられます。
ところで、第log1000章で浜村渚は、定期テストの勉強もせず、「デデキントさん」の本を読んでいたという描写が出てきます。この本はおそらく『数について――連続性と数の本質――』でしょうが、中学生でこれを読むとは恐るべしです。19世紀になってやっと実数の本質を明らかにしたという記念碑的な本なのですから。
ここにも見られるように浜村渚は、数学者を「さん」付けで呼びますが、唯一オイラーだけは「先生」と呼びます。これは『数学ガール』のミルカさんにも共通する特徴です(ミルカさんはオイラー以外は呼び捨てですが)。
やはりオイラー先生は「我々すべての師」(ラプラス)なのでしょう。
魅力的な「キューティー・オイラー」の登場と、相変わらずの数学フリークぶりに「3さつめ」への期待大です。
Posted by ブクログ
全面が白いルービックキューブの存在自体は知っていたが、その上目隠しキューブだなんてとてもじゃないが無理。
そのままのルービックキューブもできないし……。
ルービックキューブの中なんてなかなか入れるものでもないし、渚が興奮するのも分からなくはない。
渚の発言は数学を殺しの道具にせず、真理を愛する人間に与えられた共有財産だと考えるからこそのものだと思う。
敏腕企業家のルイ嬢も数学の魅力の前では虜になるし、渚の愛情はすごいと思う。
プレーゲル川の橋の問題は頭をひねらせたことがある。懐かしい。
柳田さんの解説も面白かった。
Posted by ブクログ
数学の知識も身について、一石二鳥な作品の2さつめです。
改めて数学って不思議だなあ、って思いました。
早く次の話が読みたいです。
(2013/02/23)
匿名
「ラッキー7」ではなくて…
古代バビロニアでは、60進法で生活していたので、
60を割りきれない最初の自然数の7は不吉な数字だっと教えられました。
なるほど。
Posted by ブクログ
数学好きの中学生・浜村渚&警視庁特別捜査班VS数学テロ組織『黒い三角定規』の攻防を描いたシリーズ2作目で、事件に関係があるルービックキューブや『不思議の国のアリス』を絡めた数学のクイズが面白く少し数学に興味が湧いたのが印象的だった。
Posted by ブクログ
日本政府における理数系教育、主に数学の教育の大幅削減に伴い、
ドクター・ピタゴラスが、数学を愛する人たちを従え、
テロを起こし、その事件を解決しようと奔走する警視庁の面々と、
数学に長けた、中学二年生の浜村渚の連作短編集の第2弾。
今作は、タイトルでわかっちゃう人も多いかと思いますが、
連作短編の最後の話が、ルイス・キャロルの不思議の国のアリスを
オマージュした作品となっていて、とある理由からテロリストに属する
数学を愛する、天才少女を追って、
不思議な世界に迷い込む刑事が数学の謎を解くことになる。
前作よりも、ガッツリ数学が出てくるので、数学好きは楽しめるし、
苦手な人も数学にもしかしたら興味がわいてくるかもと言う展開が多く、
1話目はルービックキューブが絡んでくるのも面白いし、
中学二年生の浜村渚が社会科目に苦手な場面があるのだが、
こと数学が絡んでしまうとなぜか詳しく語り始めてしまうところが、
色々関係してくる場面もあって、楽しめました。
Posted by ブクログ
この小説は私には飛ばし読みが必要みたい。でも読むのを辞めたとは思いません。それは面白いからです。設定は多少無理があるが、それを受けても面白い。
Posted by ブクログ
浜村渚シリーズ2巻目。
浜村渚が問題を解決する話ではないが、ルイ会長のお話が好きだった。指数の不思議さと、ルイ会長の実業家としての手腕、賢く強かかつ上品な立ち居振る舞いに心を奪われた。
アリスの話はファンタジー色が強かったが、あとがきを読んでこういうのもアリだなと思った。たしかに数学の問題も「不思議の国」である。ところでルイス・キャロルと言えば哲学のイメージもある。数学も哲学も童話に押し込めてしまった。すごい作家だ......。
Posted by ブクログ
第2巻では、ルービックキューブという親しみやすいテーマや、秀吉などの数学的逸話が出て来る。
しかし、『不思議の国のなぎさ』が一番すごかった。
SF×ファンタジー×ミステリ×数学。
タイトルの通り、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」のオマージュだが、そもそも「アリス」に数学的要素があったということに驚き。
この話では「進法」が扱われるが、説明はわかりやすい。
私も初めて理解したくらいだ。
Posted by ブクログ
本書は数学の本質的な楽しみ方をポップに教えてくれます。ストーリー構成がハラハラドキドキであり、キャラクターの個性も豊かなので、数学の要素を抜きにしても十分面白いです。
そこに思わず人に話したくなるような数学の知識も盛り込まれており、楽しいの相乗効果が生まれているような気分になりました。
Posted by ブクログ
前作より渚ちゃんの人となりがより判る2冊目。数学以外は苦手でテストに悩んだり友達が出てきて普通にじゃれあったりして可愛い。でも事件に数学で挑む姿は相変わらず頼もしい。今回の数学はルービックキューブやn進法の説明等苦手な身としてはよりややこしくなっていたけど本文中にあるように「数式を覚えるのではなく理解する」と面白さが増した。その点では「麗しのルイ嬢」「割り切れなかった男」が良かった。「不思議の国のなぎさ」は魅力的な幹部が出てきたり元ネタを上手く絡めていたりでいいけどファンタジー強めでちょっと浮いてるかなー
Posted by ブクログ
①その処刑台、カラフル、②麗しのルイ嬢、③割りきれなかった男、④不思議な国のなぎさ、エピローグ:ケーニヒスベルクの夢、ルービックキューブ王子始め、悪役面々もなかなか一癖二癖あって面白い。
Posted by ブクログ
ルービックキューブや裁判員制度など、
日常にあるものに関連する数学をテーマに
事件が起きる。
「不思議の国のなぎさ」は問題作。
作者お気に入りの作品らしく、
かなり話の構成として難しいので
「不思議の国のアリス」とセットで
読み返してみたくなるような
手の込んだ作品だと思うが、
個人的にはこれは数学で良いのか?
と思ってしまう。
(まあ、n進法の話なので数学なんだよな…)
Posted by ブクログ
白衣に眼鏡の理系男子が不愛想に謎解きをしてくれるのは、もちろん嬉しい。が、小さくて可愛い女の子がキラキラっと楽しそうに数学の説明をしてくれるのもなかなかよろしいっ!
でも、今回一番微笑ましかったのは、裁判長!
Posted by ブクログ
古本屋で一冊目と思って買ったら、表紙と中身が違ってシリーズ二冊目だったんですけど!
ライトノベルぽくてすごく読みやすい。
簡単な計算とか出てきて楽しいですね。
Posted by ブクログ
計算するのは面倒だから、登場する計算式は全部、そうなのねって文字として認識。n進法とか、ちゃんとやると面白いんだろうけど、数学好きじゃないから言葉としてそのまんま読み流す。それで十分面白かった。国語の方が好き。
Posted by ブクログ
作者も書いているが、
『不思議の国のなぎさ』をどう捉えるかが、難しい
個人的には、いまいちだが、
これが好きな人がツウなのか
シリーズとしての評価は、もう少し読んでから
Posted by ブクログ
どうしても、テロリストに対して、君たち手段間違ってるよと声を大にしていいたい気分が抜けないけど、まぁ、それを言っても始まらないので。ルイス・キャロルは数学大好きだったんだね。あんなセリフがあったなんて知らなかったなぁ。武藤君がちゃんと理解し始めてるのが偉い。読んでも全然理解できてない私。読み飛ばしてるのもいけないんだろうけど。
Posted by ブクログ
面白かったけれども。
第1弾に比べるとわくわく感が減ったような気がした。
特に「不思議の国のなぎさ」は「不思議の国のアリス」に絡めたかったのはわかるけれど、ファンタジー過ぎこだわり過ぎくど過ぎな感じ。
「数学を愛するがゆえの犯行」を声明しているからには、犯行そのものも数学(数式や定理など)で揃えてほしかったような。
どんどん巻を重ねてシリーズも5さつめになっているけれど、あまりない数学そのものをテーマに据えたミステリーなのだからもっと練り上げたものが読みたかったかも。
わかりやすく数学に触れられる物語としてはとても読みやすい。
渚のキャラクターも愛らしくて気に入っている。武藤刑事を筆頭に周囲の人たちも個性的で面白い。
それに比べて犯人側の描き方が浅いような。
短編だということを差し引いても、もう少し印象に残る犯人像があってもよかったかな…とは思った。
Posted by ブクログ
数学的にはそんなに難しい話題を扱っていない、というか、基本的な内容だけなんだけれど、それでも数学に興味を持ってもらうには面白いエピソードを創っていますね。(^^
特に、エピローグが好印象。
一筆書きができるかどうかの判断についての説明がとてもわかりやすかったですね。
で、アリスの回は、ちょっと印象がいまいち。
あれだけついていけるということは、あのひと実はかなり数学の素養がある人じゃないんだろうか?って思っちゃうよね。
主人公の存在意義に小さくはあるけど疑問が浮かんじゃう感じ。
Posted by ブクログ
★3.5
いよいよ、物語が本格的に進み始めたという感じですね。いろいろと伏線(キューティー・オイラー)もあって、今後の話が楽しみです。
でも現実の世界では、文系強化ではなく、理系強化の方向にあります。文系テロでも起きるんでしょうか?
Posted by ブクログ
話は3つ。
ルービックキューブと裁判員制度裁判と不思議の国のアリス。
数学は奥深いなぁ、と思いつつ、
今回はついていくのに必死。
しかし、最後のアリスで完全お手上げ。
十進法とか二進法とか。
そういえば、数学だったか算数だったか、
これを授業でやった時、私は完全に投げた。
さじもペンも教科書も。
わかんなくって読んでも
面白いのは面白いのだけれど、
わかればもっと面白い。。。だろう。
一番簡単な「19は二進法で1011」を息子に教えてもらう。
指で数えるその方法を試す。
おお!見事に1011じゃないか。
私ってすごい。
これ、数が大きくなったらどうするの?
「たすき掛けのがあるから・・・それも説明する?」
「たすき・・因数分解?・・いえ、結構です」
その横で娘が、「え、リレーっすか?」
んー、私は彼女と同レベル。
それなりに楽しんだ数学音痴な私であった。
只今、同僚に人気のこのシリーズ。
みんな、自分じゃ読まないで、
子どもに読ませてるんだけど。
ええ~、一緒に読もうよぉ。