【感想・ネタバレ】浜村渚の計算ノート 4さつめ 方程式は歌声に乗ってのレビュー

あらすじ

テロ組織「黒い三角定規」が、いよいよ浜村渚に直接対決を挑んできた。渚と武藤龍之介をミュージカル劇場に招き寄せ、一次方程式を解けという。だが、その問題は普通のやり方では解けないうえに、「黒い三角定規」の驚くべき策略を示唆するヒントも仕込まれていた! シリーズ第五弾。(講談社文庫)

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モンティ・ホール問題の『絶対に変えたくなる性格』と『絶対に変えない頑固な性格』という例えが分かり易かった
ディオファントス知ってるけど二次方程式とかだと思ってた
展開図苦手 2・3通りてすごない?

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2022年01月17日

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数学大好きな中学2年生 浜村渚がテロ組織『黒い三角定規』に立ち向かう物語4さつめ(実は5巻目なのだが)です。

今回も、それぞれの章は常用対数を用いて表され、各章の小節番号は√で表されるという凝った部分は相変らずですが、第log10000章(つまり第4章)『オペラ座の未知数』の小節番号には驚かされました。
はじめから順に
 440.000,493.883,523.251,587.330,659.255,698.456,783.991,880.000
となっています。

この数列を見ただけで瞬時に「ハハァ~ン あれだな」と察しが付く人は相当鋭いか、病的なマニアでしょう。私はこの目次を5分間ほど見つめて、何とか目星を付けました。
全部で8つの数字であること、第8項が初項のちょうど2倍になっていること、ちょっと等比数列っぽいところなどがヒントです。

このように今回も、目次から楽しませてくれます。

詳しいストーリの紹介は控えさせていただきますが、この物語が進むにつれて、浜村渚も成長しているのだなぁと感じたところが随所に見られました。

1つ目は、第log10章の確率を考えるときの前提である『同様に確からしい』という仮定についての説明です。
渚は、この表現は「確率っていう不確かな問題を心の底から楽しむために、私たちがしなければならない宣言」と言っていますが、なかなか見事な解釈です。
この表現は、例えばサイコロの6通りの目が「どれも同程度出やすい」ということは、

「そうではないかも知れないが、『それにひじょうに近い』ことは確かなので、かりにそうだと定めて(仮定して)、計算を始めよう。」(『数学文化』第19号「統計はここがおもしろい」野﨑昭弘)

という内容と同じです。
今の学校教育では、確率と言えば、単に「ある事象の場合の数/すべての事象の場合の数」と定義されるものと教えられることが多いのですが、ここには確率を考えるところの精神が明確にされており、すばらしいと言えます。

2つ目は、第log100章の『2通りの箱が折れる展開図』です。
これは「あとがき」で著者も述べているように、『数学セミナー』2012年11月号にも紹介されているものです。物語の中で触れられている『3通りの箱が折れる展開図』については、この『数学セミナー』に詳しいのですが、実はこの記事は“特集「この10年で解決した問題」”の中の1つです。
つまり、渚はこのような最近の数学事情にもかなり精通してきているということが明らかになっているのです。

3つ目は、第log1000章での教育についての言及です。
この世界ではもともと「心を尊重し他人を慈しむ人間性を否定する」との理由で理系科目を教育から追放しようとする文部科学省と、それに対抗し、理系科目復活を目指すテロ組織『黒い三角定規』が対立しているのですが、今回、そのどちらでもない「第三の道」が提示されている部分があります。

渚の親友、長谷川千夏(通称:セチ)はテロリストに
 「大人たちってどうしてすぐ、教育を自分たちだけのものにしたがるの?」
 「どうして、役に立つものと立たないものを、勝手に決めたがるの?」
 「私たちだって、大人と一緒に未来を作りたいんだ!」
と叫びます。
それを聞いた武藤刑事は「教育というのは本当は、大人と子どもが一緒になって、同じ『未来』という方向を、真剣なまなざしで見据える姿勢を育てるためのものなのではないだろうか」と考えます。ここには、文科省の道でもなく、『黒い三角定規』の道でもなく、そこから止揚された教育の方向性が示されていると思います。

このように、物語が進むにつれての浜村渚とその周辺メンバの成長はなかなか見ものです。今後につながる展開もほのめかされていますので、続編に期待大です。

また、初めて「参考文献」が示されたのも嬉しい配慮です。
ますます面白くなる物語世界からもう目が離せません!

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2017年08月16日

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ネタバレ

青柳碧人による数学ミステリーシリーズ第5弾。
本作ではモンティ・ホール問題というクイズ番組から生まれた数学の確率論や折り紙と数学の関連性、バーゼル問題や音楽と数学の関連性など、いろんなテーマで物語を構築している。最終章のようにミュージカル仕立ての章などもあり、バラエティーに富んでいて、かつ相変わらずの軽妙な文体で非常に読みやすい。
数学にまつわる解説もたとえ話や図などをうまく使って非常にわかりやすくまとめてあり、数学が苦手な人でもきちんと理解できるように配慮されているあたりはシリーズ通しての特徴だろう。
本作ではドクター・ピタゴラスがあまり登場しなくなり、キューティー・オイラーらシリーズ通しての出てきたキャラクターに新キャラクターが加わってその穴埋めをしている。終わり近くには衝撃の展開も用意され、次巻への期待は嫌でも高まっていく。
テロや殺人といったきな臭いテーマを扱いながらも、どこかホワっとした感じが、読後感もさらりとさせている要因かもしれない。

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2015年03月30日

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ネタバレ

方程式懐かしい〜
『オペラ座の未知数』はみんな歌い出すから何事かと。
ドクターピタゴラスが亡くなって新しいトップに変わるであろう黒い三角定規、どうなるのか...!?

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2024年12月01日

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面白かった、
中学のテストに出る時に読みたかった、子供にも分かるくらい丁寧に説明されていて、理解しやすかった

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2022年12月03日

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中身、というより、中学数学で習った「移項」の意味をこういうことだったのか!と理解できたのが一番良かった。「覚えろ!」じゃなくて理屈がわかったら勉強って楽しくなるんだな、と大人になった今改めて痛感する。捨ててしまった数学の知識を改めて拾いに行きたいと思える一冊。

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2022年08月08日

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4さつめで、「黒い三角定規」はターニングポイントを迎えた感じ。幹部・サージョン・ヤコビーの登場、病魔に侵されたドクター・ピタゴラス、新たな主導者・ファントム! モンティ・ホール問題は私が苦手な確率だ。数学的に折る折り紙が特徴的な千羽鶴しずえに向けた「3通りの箱が折れる展開図」の問題を提起する渚に感動してしまった。最後のミュージカル仕立ては、メロディーが分からないところもあって、残念ながら楽しさ半減だった。

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2021年12月21日

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今回扱われるテーマは、「確率」、「図形(折り紙)」、「方程式」などの小学生でもわかるもの。
しかし、使い方を変えたり、深く追及していくと…?というおもしろさがある。

モンティ・ホール問題が一番興味深かった。
そういえば、高校生の時も確率問題が一番好きだった。

シリーズ通しての謎も明らかになっていくので注目。

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2020年10月07日

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今回からイラスト付き登場人物紹介がついてイメージ湧きやすくなったシリーズ5冊目。猿にテレビ局がジャックされた中で起きるクイズ対決や特殊な折り紙での殺人事件や病院での連続毒殺事件の解決に数学が貢献する。渚ちゃんの説明がとても判りやすくて数学愛に溢れていて楽しい。ルートや方程式、モンティ·ホール問題とか比較的取っ付きやすい物が多かったからかな。愛を示す事で周りがどんどん数学の魅力に気付いていく(大山さんの進化ぶり!)渚ちゃん方式は黒い三角定規達も取り込むのか?と一瞬思ったけど最後にどんでん返しが来た。どう布陣が変わっていくのか。次も楽しみ。

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2020年06月20日

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このシリーズは理系脳も回転させながら読めるので面白いですね。ラストはまさかの新展開へ!
あとがきでコミック版も出ていることを知りましたので、チェックしたいと思います。

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2018年10月02日

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ネタバレ

選択問題に確率の話を交え、
折り紙の折り目を関数で表し、
二乗数の暗号解読で暗殺を阻止する。

思った以上に日常は数学で表現、解決できることで溢れていることを認識させてくれる。

扱われる数学の問題も充実しているけれど、各登場人物の背景も(極端なのだけれども)「そういう関わり方が原因で数学が好きに(嫌いに)なることがあるんだな」という気づきもあったりして。

この小説を読むと、学校で学ぶこと(方程式とか)も、愛着が湧くような表現で紹介するから見方が変わる。

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2017年07月23日

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シリーズも五冊目となり、そろそろこのノリにも慣れてきました頃です。
数学の問題を出してくれるのは嬉しいです。……解けませんでしたが。
挿絵がありましたが、あれはちょっといらなかったかなあ。
(2013/05/10)

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2016年08月20日

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数学と折り紙とかミュージカルとかを組み合わせてるのが面白かったです。折ったところが鋭利な刃物になるっていう折り紙すごい!あったらこわい…浜村渚ちゃんと武藤さんが一緒に協力して解いていくのが楽しい。数学嫌いなのでこんな風に好きになれたらいいなーと思いました。

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2016年02月10日

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ネタバレ

シリーズ4冊目。前回、催眠暗号解除プログラムを発見して、武藤刑事が表彰されたところから。再び黒い三角定規のテロが起こり、少しずつ親玉であるドクターピタゴラスへ近づいていく。
しかしその事件を解決していく中、ドクターピタゴラスの体調不良による代替わりが示唆されており、その相手がラストで判明。
1人だけ理由が明確でなかった、武藤刑事が催眠暗号プログラムによる教育を受けなかった理由も次回明らかになるかも?
今回は渚の友達のセチが活躍。教育をなんで子供に押し付ける前提で話をしようとするのか、共に未来を作るために考えないのか、というセチの疑問に尻込みする黒い三角定規のメンバー。
確かに子供に限らず、教育ってスッゴい難しい。パワーもいるし、何が正解か答えがないから、一方的に押し付けてないか、ためになっているのか、数字では表せない。
作中で狙われた教育評論家の大御所が実は数学嫌いで行きたい大学に進めなかったという背景があって、国の教育はトップのトラウマと好みで形作られているのかもしれないなと思った。

この本では、確率と方程式をテーマにしている。確率は数学の中で一番好きな問題だった(すごい実用的だったから…)し、方程式は数学の最初に習う問題なので、前回のサインコサインに比べたら、問題も優しく感じた。
この本を読むと、高校の問題集を解きたくなる。
ただの公式を教科書に載せるより、そこにまつわるエピソードを備考に書いた方が数学に愛着が持てるような気がする。

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2015年07月14日

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~数学テロがミュージカル?~
数学テロ集団vs数学大好き中学生の、浜村渚の計算ノートシリーズ5冊目。
今回も黒い三角定規の起こす事件で東京は大騒ぎ。
猿の大群がTV局を占拠してみたり、殺人折り鶴が飛び交ってみたり、中東の毒薬を使って病院で連続殺人が起きたり、最後にはお台場が封鎖されて、なんと数学ミュージカルが開演したり。
そんな中でも、ストーリーは進んでいき、黒い三角定規にもある変化が…

シリーズファンにはますますやみつきの一冊です。
ちなみに五冊目のお話とは関係ないですけど、浜村渚をドラマ化するなら、本田望結ちゃんがイチオシの私。
目がトロンとした感じなんか出せそう。

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2014年10月24日

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今回はセチの登場が大きかったかなぁ。渚とは違うけどこの子もいいキャラだ。
ふぇるま島の後だと、ミステリーとしては少々見劣りしてしまう感じもします。ですが、これが本来のノリなんですよね。

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2014年04月15日

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浜村渚の計算ノートシリーズはどれもおもしろいです!数学好きにはたまらないですね。渚ちゃんを見ていたら数学の楽しさがとても伝わってきます。数学って美しいですよね。公式にしても、考え方にしても、とても綺麗で無駄がないんです。世の中すべてが数学一色って訳じゃないですけど、わたしたちの生活のあらゆる所に数学って関係してるんです。数列なんか特に。わたしはパイナップルやひまわりを見るたびに数学目線で見ちゃいます(笑)

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2014年03月07日

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三さつめの終わりに提示された謎をひきとる形で始まりますが、安心して読むことができました。テロリストを油断させたり改心させたり、でも中学生らしさも溢れていて…つまりいつもの浜村渚です。数学とミステリーのバランスで言うと、一さつめがいちばんよかったのですが、そのバランスを保ちつつ、さらなる謎もちりばめていて、続きがとっても気になります!

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2014年04月21日

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今回もまた数学が楽しい物だと感じさせる面白さだった。   
数学を排斥することで立場を失いテロリストになってしまった哀れな人間もちゃんと描いていて考えさせられる。   
そしてラストに衝撃の展開が。  続きが気になります。

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2014年02月09日

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ミュージカルが見物なわけですが、その後死にたいミュージカルに移行しそうな瀬島刑事が1番の見物でしょう。そして数学にはついていけてない私…。

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2014年01月05日

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以前より数学の説明が分かり高くなった気がします。
そのおかげで、理解出来て楽しめました。数学の雑学も変わらず面白いです。
難を言えば、流石にミュージカルは分かり辛かったです。

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2013年10月30日

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息子が好きなので僕も読んでいるこのシリーズ。ミステリとしてはそこそこですが、数学のトリビアは好きです。この本では、これまでいくら読んでもピンときにくかった条件付き確率の「ベイズの定理」の説明が、わかりやすくて秀逸に思いました。2通りに折れる展開図の話も、初めて知り非常におもしろく思いました。

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2013年10月02日

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正確に書くと星3.8。
今回もとても面白かった。
特に、方程式のところがわかりやすく解説されていて、子供向けというのがよく伝わった。

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2022年09月23日

Posted by ブクログ

シリーズ累計5冊目。今回は再び連作短編でした。毎回新しい数学の知識を思い出せてたのしいです。移項とか、懐かしかったです。まさかのミュージカル調とか面白かった(笑)小説でやるには難しいですね。曲がピンとこないと、場面が思い浮かばなくてちょっと苦労しました。話的にはまだまだ続きそうですし、武藤さんの秘密もそろそろ明かされそうなので次も楽しみです。

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2014年10月05日

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「習ったことだけしかできないような大人には、なりたくないです」
 学校で習ったことは何一つままならないくせに、習っていない大好きな数学のことばかりやたらと知っている彼女の言葉には、僕にとってこ)以上ないくらいの説得力があった。
(P.254)

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2014年06月22日

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浜村渚の計算ノート4さつめ~人気クイズ番組の司会者が誘拐され,地下のスタジオが猿たちに乗っ取られて,渚が解答者に選ばれる。電源を切って赤外線暗視スコープ付きのガスマスクで機動隊が突入する。義務教育から数学を消した教育会議委員が殺人折り紙で殺害され,折り紙で次の犯行が予告されていた。次の標的は木更津の山奥の病院にいる。病院長がVIPの世話をしており,栄養士がつぎつぎに替わる病室を自動販売機業者に教え,毒を注射しようとしている。山中の橋も折り紙で作られているが,その橋が燃やされ,大山あずさは川に転落して,大腿骨骨折の重傷で入院した。ドクターピタゴラスは瀕死の重傷らしい。新しい主導者を紹介するため,お台場の劇場が乗っ取られ,一次関数が3問出されるが,答えは同じだという。「ファントムは一人,じょうずに現れ・・・」の歌声に気づく~ 3と1/2は長編でだれたけど,これはミュージカルの部分以外は軽快で結構。漫画家の権利を貰った漫画家が解説を書いているが,これは明らかに宣伝! まっ,どうでもいいけど

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2014年05月20日

Posted by ブクログ

普段通りの連続短編かと思いきや、ミュージカルが始まった!?ストーリーでは黒い三角定規にも転換期がやってきて今後が気になる。


千羽鶴しずえとキューティーオイラーの実力行使は、思わぬ幕切れになった。
教育課程から数学が削除されたことについて、今まではこじつけた設定で説明されていた。
しかし、この設定についてもう少し掘り下げてくれそうな展開で、今後が気になる。

突然のミュージカルには驚いた。
ここで、1巻あとがき(?)に「数学の面白さについて書こうと思ったら渚などの設定が出てきた」というようなことが書いてあったのを思い出した。
そうかんがえると、渚や他の登場人物の面白さ可愛らしさが出ていて意外と良かったかも。

本巻からイラスト付きの登場人物紹介が始まった。
扉絵だけでなく、登場人物勢ぞろいのイラストもよくできている。
尾財さんは思ったより老け顏だった…。
あとキューティーオイラーがかわいい。

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2014年05月17日

Posted by ブクログ

確率に関する話題の時に、主人公の浜村渚が『同様に確からしい』について非常に良い事を言っている。

<数学ってのは何よりも正しいことを大事にするので、数学が好きな人は自分の口から不正確な言葉がでるのをとっても嫌うんです。だから『同様に確かである』とは絶対に言えません。でも、『同様に確かであるとはハッキリ言えない』って正直に認めてしまうと、確率っていうとても面白い問題を考えられなくなってしまってヤなんです。だから、その両方をクリアするために『同様に確からしい』って言い方を思いついたんですよ…>

数学の曖昧さをとことん排除する魅力について語っている件である。しかし、こんかいの”4さつめ”は非常に曖昧な終わり方をしているのが残念である。
シリーズものの宿命かも知れないが、新たな展開に進むときの終わり方としても、数学的な妙を残して欲しかった。

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2014年04月19日

Posted by ブクログ

面白かった。
数学絡ませてのミステリ。
サクッと読めるところにも好感が持てる。
はやく次出ねーかな。

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2013年10月14日

Posted by ブクログ

頑固な「=」さんを怒らせないようにっていうのが凄く良かった。なるほど〜っと久しぶりに数学してみたくなった(笑)

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2013年09月27日

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