青柳碧人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ俺内で妹にしたい子ナンバーワン、浜村渚ちゃん。
計算ノートシリーズは6冊目です。
このシリーズ楽しいなぁ面白いなぁで済ませてきたけど昨今の事件から科学は暴走しやすい、ということに今更ながら注目してみた。
このシリーズの世界では、全てを正しいか正しくないかで科学分野は人間教育にふさわしくない、よって義務教育で科学分野を教えることを禁止する。
禁止された数学復権のために数学テロを起こす集団、黒い三角定規と、それを解決する浜村渚の話が物語の主題である。
さて、科学は暴走しやすい、と書いた。昨今の事件とはもちろんSTAP細胞の論文偽造の話である。
この事件で科学分野全体の権威は地に落ちただろうし、多額の税金を投入して科学分野を発展させなければいけないのか、という追及もされるだろう。
自分も一時期は理系の大学院に身を置いていた。
うちら理系からすると「駅前でアンケート取って卒研にするクソ文系ども」という感覚である。
少なからず理系学生は文系をそう見ていると思って間違いない。
人文科学分野の研究に証明のプロセスはあるのか。それが無ければ研究とは言えないだろ、と。
理系の研究は証明して立証しなければ、その研究に価値はないのだ。
価値の無い研究には予算がつかないのはもちろん、研究者として生きていくことができない。
ゆえに、捏造、科学の暴走はなくならない。細胞関係だと数年前だが韓国のファン・ウソク教授も同じようなことやっていた。
今回のはエリート研究者(少なくとも理研のリーダーはエリートだろ)を袋叩きにして笑いのネタにして研究者の地位から引きずり落とされた。
そんなことをしなくても、結果を出せない研究者は研究から追い出されることになる。
結果のための研究である。
これではねつ造はなくならない。
この「計算ノートシリーズ」読んでると、研究の前段の勉強することの意味を考えさせられる。
勉強に楽しさを見出したからこそ研究者は研究者になったんだろう。
STAP細胞にしても、最初から全てがねつ造だったとは思えない。
最初に「ん?」と最初の取っ掛かりがあったから研究が始まったんだろう。
STAP細胞は無かった、ということに収まりそうだが、最初の取っ掛かりすらもなかったことにするのは残念だ。
「ドクターなんか進んだら人生詰むから、マスターで就職しておけ」
理系学生の不文律である。
残念極まりない習慣、制度だ。
試験のための勉強、結果のための研究を続けているうちに、いつか何かのツケは払うことになるだろう。
以下、本作のあらすじ。
数学テロ組織、黒い三角定規の総帥ドクター・ピタゴラスが病死したことから話は始まる。
新たな総帥、黒い三角定規の中でも過激派のアドミラル・ガウスが更なる数学テロを企てる。
鑑識課23半のメンバーが何者かに拉致された。
助け出すには数字の魔法陣を解かなければいけない。
失敗した解放を正解にするために渚が作った魔法陣は。
かつて熱心な教育でクラスをまとめ上げていた数学教師が職を失い、黒い三角定規のメンバーとして学校に戻りテロを起こした。
その教室に、危険をわかっているのかいないのか単身乗り込む渚ちゃん。
「巣箱の数よりもたくさんの鳩がいるなら、どこかの巣箱には二羽以上の鳩がいる」
単純明快、当たり前な「鳩の巣理論」で「ランダムな5つの自然数の差は必ず4の倍数になる」ことを証明できる。すごい。
山道を迷い込んでたどり着いた館のゲートは奇妙な放物線を描いていた。
不気味な図形に囲まれたパップス・ギュルダン荘の謎を渚が明らかにする。
図形の体積は「(回転する図形の面積)×(その図形の重心が一回転した距離)」でも表せる。
京都で連続殺人事件が起こった。
事件現場には京野菜が残されるという奇妙さだ。
京都の通りの碁盤の目を駆使した二次曲線の接戦が交わる場所には何があるのか。
次巻にも期待。 -
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数学を愛する中学二年生の少女、浜村渚が(警察と共に)数学テロリストに立ち向かう、シリーズ第六弾です。前の巻の終わりに、テロリスト集団「黒い三角定規」を率いていたドクター・ピタゴラスの死が知らされます。ドクター・ピタゴラス亡きあと、組織は新たな代表をたて、さらに数学テロを推し進めていくのですが、新たな代表となった人物は、なんと武藤刑事のかつての知り合いだった…。というところから始まり、浜村渚の数学愛があふれた内容となっています。
数学は相変わらずまったく分からないし、数式を見てもちんぷんかんぷんなのですが(笑)、図や表に助けられ、各章での言いたいことは何となく分かりました。黒い三角定規と関係なく数学を愛する人も登場し、数学を愛する人=テロリスト、ではないことが明示されます。当たり前ですが、大事なことですよね。
ドクター・ピタゴラスに従っていた人々が、全員新しい指導者に忠誠を誓ったわけではありません。黒い三角定規の組織は今後どうなるのでしょう。続きが気になる六巻めでした。 -
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ネタバレ本作は数学ミステリシリーズの番外編にして初の長編。
キューティー・オイラーの挑発を受けて、瀬戸内海のとある島に向かうはずが、途中で合流した岡山県警の捜査員に連れられ、全く別の増留間島(ふえるまじま)に到着してしまった渚たち一行。そこではある女性が不審の死を遂げており、その真相を巡って渚たち一行が活躍することになる。
本作では珍しく、武藤刑事が推理をし、真相に迫るという番外編ならではの展開もあり、もちろん、数学にまつわるウンチクも盛り沢山で、渚たちが泊まることになったホテル・ド・フェルマーもこれでもかというほどの数学尽くしだったりと、シリーズ好きにはたまらない仕掛けがたくさん盛り込んである。一方で、本作で始めてシリーズを読んだというひとでも違和感なく物語世界に入れるような配慮や、数学はちょっと苦手という人でも、その魅力の一端が覗けるような気配りがなされ、かと言って、実際のところどうなの?と思う読者にはより深い所への誘いも含め、ちょんとわきまえられているあたりは、この作者はホントに数学が好きなんだなあと、むしろ微笑ましくなるほどである。
フェルマーの最終定理は名前くらいは聞いたことがあるし、それが世界中の数学者たちを悩ませてきた超難問の一つということはしっていたが、さらに深く知りたくなってくる、そんな副作用も本作にはある。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ数学が義務教育から外され、ドクター・ピタゴラスのせいで危険な学問ということにされてしまった世界で、ドクター・ピタゴラス率いる「黒い三角定規」に対して天才的な数学力で謎を解いて行く女子中学生・渚の活躍を描くシリーズ第3弾。
本作ではやや難しいネタがストーリーの軸となっていて、実際図を書いて見ないと何のことやらわからないものもあったりして、文字面だけ読んでる身としてはちょっと辛かった。しかし、解決編できちんと図を使って説明されているため、なんとなくわかった気にさせられるあたり、作者の思う壺かもしれない。
それにしても、五稜郭、過去旅行で見たことはあるが、数学的にそんなにも美しい建造物だったとは思いもよらなかった。確かに、日本国内ではかなり珍しい星型の城郭は、それだけでも見る価値はあると思うが、数学的視点を持って見るとまた違った印象を持つもののようだ。本作を読んで、函館旅行に行きたくなってしまった。 -
Posted by ブクログ
同じ高校同じ大学、6歳差。これは事実の様だ。
「二人が友人であった」仮定で、出会いから人生の大事な時期にいつもお互いがkeyとなる。
どこまでがノンフィクションで、どこがフィクションなのかがわからなくなる。主人公たちとそれぞれの豪快な妻たち、周囲の友人たちを大げさ過ぎるほどの個性を引き立て表現されており、楽しい。
当時の政治家たち、当時活躍し始めた推理小説作家たち、等等、そんなに都合よく知り合いになるはずないでしょ。ツッコミつつ、飽きずにあっという間に読んでしまった。
大正から昭和にかけての歴史的な事実も、二人がどの様に関わってきたのか心情を思うと哀しくなった。
江戸川乱歩
何十年ぶりに読んでみるか。
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Posted by ブクログ
待っておりました渚さん。季節柄でしょうか今回は鰻屋さんで事件です。これをきっかけにあちらこちらで数学のためのテロ活動が繰り広げられます。
日本は世界の中で理数系を得意とする性質がありながら政は文系が席巻している構造でしょうか。生活する上では嫌でも数字との密な付き合いが必要なのに。
今回のテーマは和算とのこと。公式や定理の名前には外国人ばかりで自国の優れた思考は灯台下暗しでした。小説家でも難解な数学の問題を考案して著書にしたためながらも正答は記さない。解答は別の作家が自身の小説の中に記すなんてなかなか粋なQ&Aですね。電車の広告や週末の新聞などにクイズがあって、「答えは来週の〜」とか「答えは〜のホームページ〜」とか直ぐに分からないとイラっとしてしまう自分が情けない。
テロ行為は賛同できかねますが、数学を復活させるための黒い三角定規には全面的な否定ができません。むしろ応援すらしたくなります。また、楽しい数学の問題と再会する日を楽しみにしています。