山田順子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
イスラエルのSFシーンの中心人物2名によって、英語圏の読者向けに編まれたアンソロジー。ここでのSFは科学小説 Science fictionではなく思弁的小説 Speculative fictionを指しており、非リアリズム小説全般を覆う定義と考えると収録作の幅広さが納得できる。邦訳は英語からの重訳になるが、元々英語で書かれた作品も5作、ロシア語で書かれた作品が1作収録されている(ほかはヘブライ語)。巻末には編者による「イスラエルSFの歴史」も。
以下、特に気に入った作品について。
★ ガイ・ハソン「完璧な娘」(中村融 訳)
テレパスの訓練教育を受けることになったアレグザンドラは、〈死体 -
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Posted by ブクログ
ビブリア古書堂で「たんぽぽ娘」を知り、井上一夫訳の「たんぽぽ娘」を読み、この本を手に取った。
「特別急行がおくれた日」
「河を下る旅」
「エミリーと不滅の詩人たち」
「神風」
「たんぽぽ娘」
「荒寥の地より」
「主従問題」
「第一次火星ミッション」
「失われし時のかたみ」
「最後の地球人、愛を求めて彷徨す」
「11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス」
「スターファインダー」
「ジャンヌの弓」
以上13の短編が収められている。
目的はやはり「たんぽぽ娘」にあった。
本書の訳者は以前読んだものと違い、伊藤典夫氏である。
翻訳者が違うと、やはりどこか質感が変わるもので、私は伊藤訳の方が好き -
購入済み
すごく良かったです
ちょっと悲しいというか、痛ましい真相だと私は思ったのですが、解決までの過程や、登場人物に
作者の健全な思考が感じられる話でした
最後にある作者によるあとがきが一番笑えました -
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ネタバレロバート・F・ヤングが送るSF短編集。全体的にハッピーエンドが多くロマンチックな作品が多い。
「特別急行が遅れた日」
SFでよくある「小さな世界」の短篇。そのネタ自体はオチまで読まずとも察しのつく読者は多いだろう。日常的な日々の中のちょっとした変化と、被造物がこの階層からなる小さな世界とその創造主を意識した所で短篇は終わる。変化はまさに神のいたずらであり、いつもと変わりない日々が固定されているのはゾットするのを通り越して諦観にも似た気持ちを抱いてしまう。
「河を下る旅」
表題作を除けば個人的にはこれが一番面白かった。謎の河下り。薄々その理由に気がついているがそこから目を背けている男女。とど -
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2017/03/09了読。
2017年2冊目。
通勤時にちょっとずつ読んでたので、時間がやたらかかってしまったけれど、最初の一行目から物語の魔法にかかってしまった、幸せなひと時でした。
内容としてはダークファンタジー寄りのホラー。
タイトルから連想していた夜の庭師と実際に出てきた庭師の印象が随分違っていて…思ってたよりホラー要素高めでした。
19世紀半ばのじゃがいも飢饉、アイルランドの多くの人々が飢えで餓死するか、命を懸けて母国を捨ててイギリスやアメリカに渡らなければならなかった。そういうことも、世界史をきちんと勉強していなかったので知らず…(高校は受験対策で日本史だったから…という言い訳) -
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ジョージ・ダグラス・ハワード・コール / マーガレット・コール / E・C・ベントリー / ニコラス・ブレイク / S・C・ロバーツ / フィリップ・マクドナルド / A・A・ミルン / ジュリアン・シモンズ / グラディス・ミッチェル / ロイ・ヴィカーズ / マイケル・イネス / クリスチアナ・ブランド / マージョリー・ブレムナー / ヴィクター・カニング / ジョン・クリーシー / エドマンド・クリスピン / ナイオ・マーシュ / マーティンエドワーズ / 浅羽莢子 / 宇野利泰 / 鈴木美朋 / 中村有希 / 法村里絵 / 深町眞理子 / 宮脇孝雄 / 山田順子3.5 (4)
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ジョージ・ダグラス・ハワード・コール / マーガレット・コール / E・C・ベントリー / ニコラス・ブレイク / S・C・ロバーツ / フィリップ・マクドナルド / A・A・ミルン / ジュリアン・シモンズ / グラディス・ミッチェル / ロイ・ヴィカーズ / マイケル・イネス / クリスチアナ・ブランド / マージョリー・ブレムナー / ヴィクター・カニング / ジョン・クリーシー / エドマンド・クリスピン / ナイオ・マーシュ / マーティンエドワーズ / 浅羽莢子 / 宇野利泰 / 鈴木美朋 / 中村有希 / 法村里絵 / 深町眞理子 / 宮脇孝雄 / 山田順子3.5 (4)
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ネタバレA.A.ミルンのもうひとつのマスターピース。
赤い館で銃声が響き、男の死体が発見される。それはオーストラリアから帰ってきたロバート、この赤い館の主マークの兄だという。しかし肝心のマークも行方不明になっている。マークの従兄弟で遺体を発見したケイリーが何かしたのか? たまたま赤い館を訪れて事件に遭遇したギリンガムは、年下の友人ベヴァリーをワトソン役に私立探偵をやってみようとするのだった。
推理自体はそんなに難しくなくてミステリをよく読む人なら遺体のすり替えだと早いうちに気付いてしまうかもしれない。しかしそんなことが気にならないほど、このミステリは読んで楽しい。まず素人探偵のギリンガムは優れた記 -
Posted by ブクログ
19世紀アイルランドからイングランドに命からがら辿り着いた幼い姉弟が、サワー・ウッズと呼ばれ、誰も近寄らない森の中にあるお屋敷で雇ってもらえることになった。しかし、どうも様子がおかしな主人一家と屋敷の中にまで侵入した巨木。奇怪なことが起こる中、姉弟は屋敷と主人一家の秘密を探っていく。
中盤まではミステリーを読んでるように楽しく読み進めていたが、終盤に差し掛かるにつれ、姉弟愛と姉として、弟として胸に秘めた想い、そして登場人物それぞれの人間らしい欲望と葛藤にどこか共感しながら胸を打たれていった。
大事なものはいつだって本当はとってもシンプルなものだと思う。
切なくも勇気をもらえるゴーストストーリ -