山田順子のレビュー一覧
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1926年エジプト。若くして寡婦となったジェーンは叔母の誘いでカイロにあるメナハウス・ホテル滞在中、殺害された女性客の第一発見者となってしまう。警察に疑われたジェーンは独自に真犯人を捜し始めるが→
エジプトの風景がとてもよく描かれていて良。ミステリだから当然殺人があり犯人探しがあるんだけど、合間にピラミッド見学の場面やラクダに乗るシーンが丁寧に描かれていて読んでいて楽しい。
ジェーンの一人称で描かれるから、人物描写がブレブレなのも、ミスリードと考えたら面白い。→
物語の流れ的にはテンプレ感があるんだけどそれがありならすごい読んでいて楽しいミステリじゃないかと。
私はラストが良かったので、続 -
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旅行先エジプトで殺人事件発生… 事件にもロマンスにも可憐に上品に挑んで #メナハウス・ホテルの殺人
■あらすじ
第一次大戦が終わった1926年、エジプトの観光地。主人公ジェーンは叔母に付き添いながら旅行に来ていた。
高級なメナハウスホテルに滞在していたが、客室で知り合いが殺害されてしまう。刑事は彼女が怪しいと目を付けられ、容疑者になってしまうことに。疑いを晴らすべく、ジェーンは真犯人を探し始めるが…
■きっと読みたくなるレビュー
海外ミステリーとは思えないほど文章読みやすく、プロットも分かりやすい。
登場人物も特徴のある人たちばかりで、人物も関係性も追いやすい。
誰にでもおススメできる良作 -
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本書の作者は、言うまでもなく「クマのプーさん」でおなじみのA.A.ミルン。
本書は文庫サイズで330ページほど。
結構文字もぎっちり詰まっていて、ちょっと読み終わるのに時間かかるかなあ…と思ったら、いざ読み始めると軽妙でスイスイ読めてしまう。
そしてシンプルで面白い!
探偵役のギリンガムは、母の遺産のおかげで働く必要がないほどお金に困っておらず職を転々とし、つい最近また仕事をやめたばかり。友人であるベヴァリーが訪れているときいていた赤い館にぷらっと顔を出したら、たまたま殺人事件に出くわした。
そこで思い立つ。探偵業、結構自分に向いてるんじゃね?(意訳)
素人探偵発足!である。
そして探偵には -
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記憶を無くした世界に響く鐘の音。
それは世界の秘密を閉ざす魔の旋律...
装丁に惹かれコレクションとして購入。
これが幻想文学。
ファンタジー とでは表しきれない、
淡い言葉のベールで包み込まれるような
どこか不思議なジャンル。
小川洋子さんの 猫を抱いて像と歩く と似た雰囲気。
終始ふわふわふわ...
きちんと理解出来ていなくても読み進めてしまうのは、
道筋の分からない地下トンネルを、
僅かな音を頼りに突き進んでいくのと似た感覚だろうか。
読みかけの本だからという使命感ではなく、
本の中になにか大切な忘れ物があるような...
上手に言い表せられないが、そんな気持ちにさせられる。
ストー -
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遂に出ました新訳版! クマのプーさんで有名な英国の劇作家ミルンが書いた長編探偵小説。百年前に書かれた素人探偵二人組のホームズとワトソンっぷりを堪能あれ。
この作品が大好きで、旧訳も何度も読み返してますが、新訳の方もとても読みやすく仕上がっていて良いですね。この話が好きなのは、ワトソンがちゃんと役に立つ。機転が利いて仕事ができて、それでいてホームズ役との揺るぎない友情に溢れていて、そして文章の端々から匂い立つミルンらしいユーモア、作家自身が推理小説好きだから伝わってくる「英国黄金期」の良いミステリの空気感……とどこを読んでてとても心地よいのです。
加納朋子さんの巻末解説がこれまた素晴らしかった -
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これはすごく評価が分かれそうな大人のファンタジーですね。
著者さんが元々詩人だけあって、文章がとても詩的です。
言葉をもたないことが、思考をやめたらどうなるのか、警鐘ともとれる物語。
この先のサイモンとリューシャンを想うと、労いたくもありほんとうにこれでよかった?と問いたくもなり。
でもきっと二人はこれからも共に生きていくのだろうな。失った多くのものの記憶を携えてちゃんと生きていってほしいね。
しかし、この音で地図を描くとか、会話をするとか、すごい発想だなぁ。
万人に受け入れられることをたぶん求めていないようなそんな潔さを感じます。
君にこれを理解できるか?と問われているような。
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SF成分の摂取。飯田橋の書店のフェアで見つけたのだっけな。
初めての著者だったけど表題「たんぽぽ娘」「11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス」「ジャンヌの弓」あたりが好きだったな。ロマンスの方がうまくまとまってる気がするんだよなぁ。いやオチがつきやすいからすっと入ってくるという話かもしれない。
そうか。全編訳者の厳選した傑作だから、どれもしっかりまとまってるんだ。一定の完成度が担保ぽされてる。実際どれも読んで面白かったし、ギミックや世界観に唸った。ただやはり短編だから、「こじんまり」綺麗にまとまってる感もあって。物足りない感もあったのかな。その中でスパイス的にハッピーなロマンス要素がある -
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ゴシックホラー風味の児童文学。
健気な姉弟が働くことになったお屋敷では‥?
19世紀アイルランドでは飢饉が起こり、食べるにも困った国民は、生き延びるために、多くが移住するしかなくなります。
船で親とはぐれた14歳のモリーは弟キップと共に、命からがらイングランドにたどり着きました。
やっと見つけた仕事は、町外れのお屋敷のメイドと庭師。
出会う人はみな止めたのですが。
そこには異様な巨木が家を取り込むかのようにそびえ、夜には庭を動く何者かの気配が‥
奥様と子どもたちは青白く、留守がちな旦那様はなにかのトラブルを抱えている様子。
キップに言えない秘密を抱えたモリーは、お屋敷の謎に関わり、思わぬ