山田順子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
記憶を無くした世界に響く鐘の音。
それは世界の秘密を閉ざす魔の旋律...
装丁に惹かれコレクションとして購入。
これが幻想文学。
ファンタジー とでは表しきれない、
淡い言葉のベールで包み込まれるような
どこか不思議なジャンル。
小川洋子さんの 猫を抱いて像と歩く と似た雰囲気。
終始ふわふわふわ...
きちんと理解出来ていなくても読み進めてしまうのは、
道筋の分からない地下トンネルを、
僅かな音を頼りに突き進んでいくのと似た感覚だろうか。
読みかけの本だからという使命感ではなく、
本の中になにか大切な忘れ物があるような...
上手に言い表せられないが、そんな気持ちにさせられる。
ストー -
Posted by ブクログ
遂に出ました新訳版! クマのプーさんで有名な英国の劇作家ミルンが書いた長編探偵小説。百年前に書かれた素人探偵二人組のホームズとワトソンっぷりを堪能あれ。
この作品が大好きで、旧訳も何度も読み返してますが、新訳の方もとても読みやすく仕上がっていて良いですね。この話が好きなのは、ワトソンがちゃんと役に立つ。機転が利いて仕事ができて、それでいてホームズ役との揺るぎない友情に溢れていて、そして文章の端々から匂い立つミルンらしいユーモア、作家自身が推理小説好きだから伝わってくる「英国黄金期」の良いミステリの空気感……とどこを読んでてとても心地よいのです。
加納朋子さんの巻末解説がこれまた素晴らしかった -
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Posted by ブクログ
これはすごく評価が分かれそうな大人のファンタジーですね。
著者さんが元々詩人だけあって、文章がとても詩的です。
言葉をもたないことが、思考をやめたらどうなるのか、警鐘ともとれる物語。
この先のサイモンとリューシャンを想うと、労いたくもありほんとうにこれでよかった?と問いたくもなり。
でもきっと二人はこれからも共に生きていくのだろうな。失った多くのものの記憶を携えてちゃんと生きていってほしいね。
しかし、この音で地図を描くとか、会話をするとか、すごい発想だなぁ。
万人に受け入れられることをたぶん求めていないようなそんな潔さを感じます。
君にこれを理解できるか?と問われているような。
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Posted by ブクログ
SF成分の摂取。飯田橋の書店のフェアで見つけたのだっけな。
初めての著者だったけど表題「たんぽぽ娘」「11世紀エネルギー補給ステーションのロマンス」「ジャンヌの弓」あたりが好きだったな。ロマンスの方がうまくまとまってる気がするんだよなぁ。いやオチがつきやすいからすっと入ってくるという話かもしれない。
そうか。全編訳者の厳選した傑作だから、どれもしっかりまとまってるんだ。一定の完成度が担保ぽされてる。実際どれも読んで面白かったし、ギミックや世界観に唸った。ただやはり短編だから、「こじんまり」綺麗にまとまってる感もあって。物足りない感もあったのかな。その中でスパイス的にハッピーなロマンス要素がある -
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ゴシックホラー風味の児童文学。
健気な姉弟が働くことになったお屋敷では‥?
19世紀アイルランドでは飢饉が起こり、食べるにも困った国民は、生き延びるために、多くが移住するしかなくなります。
船で親とはぐれた14歳のモリーは弟キップと共に、命からがらイングランドにたどり着きました。
やっと見つけた仕事は、町外れのお屋敷のメイドと庭師。
出会う人はみな止めたのですが。
そこには異様な巨木が家を取り込むかのようにそびえ、夜には庭を動く何者かの気配が‥
奥様と子どもたちは青白く、留守がちな旦那様はなにかのトラブルを抱えている様子。
キップに言えない秘密を抱えたモリーは、お屋敷の謎に関わり、思わぬ -
Posted by ブクログ
1800年代のイングランドのお屋敷を舞台にした、少しホラーなファンタジー。ホーンデットマンションのような…
細かく区切られた表題で、字が細かいわりには読みやすかった。
登場人物が少なめで関係性もシンプルだったから外国名でもすんなりはいってきたのもよかった。
アイルランドと英国の歴史、とりわけアイルランドの歴史的苦難によって、モリー達がこうならざるをえなかった状況が、最後の作者ノートでわかり、何ともやるせない気持ちに…
最後の男たちが団結しているところや、コンスタンスに人間らしい雰囲気が出てきたりとなかなかよかった。
映像化するとしたらどんな感じなんだろうと妄想しながら読んだ。きっと実写だろうな -
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Posted by ブクログ
銀河の星々を結ぶ中継ステーションと聞いてイメージするのは、羽田のようなハブ空港。
行きかう人々。
雑踏の中で次々に起きるアクシデント。
などを想像してはいけない。
アメリカの片田舎のそのまた人里離れた一軒の古ぼけた一軒家。
そこに何日かに一回の割で訪れる宇宙人たち。
人型の異星人もいるが、植物型、液体型・・・さまざまな異星人たちと、イーノックはとれる範囲で最善のコミュニケーション、つまりおもてなしをする。
そんな牧歌的な日々。
近所づきあいはしない。
新聞や雑誌を届けてくれる郵便配達人だけが、唯一の友人と言える。
ライフル銃を小脇に抱えて日に一時間程度の散歩と、自家用のささやかな畑仕事。
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Posted by ブクログ
灰色の風が吹く。
いや、確かに空は晴れているのに、おかしなことだがこの姉弟のいく先は鈍色に染められているのだ。
そのお屋敷は草に覆われ、蔦が這い、屋根はたわみ、苔がはびこっていた。
そして一本の古い木が、主人のように植わっている。
たいていの場合、大きな古い木は優しさを湛え、見守るように聳えているものだが、この期に限ってはそうではない。
その幹に、枝に、根に、すべてに邪悪な雰囲気をまとっているのだ。
なぜか。
それはその木が、人の欲しいと願うものをどこからか出すからだ。
そのどこが悪いのか、って?
本当にそう思うかい?
ものを与える行為は決して一方的な愛の行為ではない。
必ずその代償がある。 -
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Posted by ブクログ
アメリカの片田舎にある何の変哲もない一軒家が、実は銀河の星々を繋ぐ中継ステーションだった!という飛躍がまず素晴らしい。一見するとワンアイデアものにも思えるが、冷戦という時代設定における核の恐怖であるとか人類の進化といったテーマも内包した奥深い作品。
様々な生態を持つ宇宙人たちが主人公の中継ステーション管理人・イーノックの元に訪れ、コミュニケーションをして去っていくという図式は藤子・F・不二雄の『21エモン』を彷彿とさせるが、あの作品の持つほのぼの感とは対照的に本作に漂うのは圧倒的な孤独と厭世的な雰囲気だ。ほぼ不老不死となったイーノックは老郵便配達夫の他はほとんど話す人もなく、殆どの人には先立 -