山田順子のレビュー一覧

  • 夜の庭師

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    1800年代のイングランドのお屋敷を舞台にした、少しホラーなファンタジー。ホーンデットマンションのような…
    細かく区切られた表題で、字が細かいわりには読みやすかった。
    登場人物が少なめで関係性もシンプルだったから外国名でもすんなりはいってきたのもよかった。
    アイルランドと英国の歴史、とりわけアイルランドの歴史的苦難によって、モリー達がこうならざるをえなかった状況が、最後の作者ノートでわかり、何ともやるせない気持ちに…
    最後の男たちが団結しているところや、コンスタンスに人間らしい雰囲気が出てきたりとなかなかよかった。
    映像化するとしたらどんな感じなんだろうと妄想しながら読んだ。きっと実写だろうな

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    2018年07月26日
  • ポケットのなかの天使

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    バスの運転手バードのポケットの中に、突然小さな天使が現れた! バートは天使を家に連れて帰り、アンジェリーノと名付けて、奥さんのベティといっしょに世話をすることにした。学校の調理師であるベティが、アンジェリーノを学校に連れていくと、子どもたちは大喜び。でも、天使を狙う黒い影が…。
    天使が幸せを振りまいて、楽しくなる物語。

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    2018年06月25日
  • ポケットのなかの天使

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    定年間近のバスの運転手バートの胸ポケットに突然、小さな男の子の天使が入り込んでいた!
    学校の調理師をしている妻べティと、アンジェリーノと名付けて世話をする事に。
    べティが学校にも連れて行って、アンジェリーノは大人気。だけど、悪者に捕まって大変。

    すっごく可愛いお話だった。何も悩まず考えず、素直な気持ちでこの可愛い世界に入り込めました。

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    2018年04月23日
  • 夜の庭師

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    引き込まれて一気に読めました
    アイルランドの田舎娘が、なぜ上流気取りの奥様の流儀で家政ができるのか不思議

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    2017年10月24日
  • 中継ステーション〔新訳版〕

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    銀河の星々を結ぶ中継ステーションと聞いてイメージするのは、羽田のようなハブ空港。
    行きかう人々。
    雑踏の中で次々に起きるアクシデント。

    などを想像してはいけない。
    アメリカの片田舎のそのまた人里離れた一軒の古ぼけた一軒家。
    そこに何日かに一回の割で訪れる宇宙人たち。
    人型の異星人もいるが、植物型、液体型・・・さまざまな異星人たちと、イーノックはとれる範囲で最善のコミュニケーション、つまりおもてなしをする。
    そんな牧歌的な日々。

    近所づきあいはしない。
    新聞や雑誌を届けてくれる郵便配達人だけが、唯一の友人と言える。
    ライフル銃を小脇に抱えて日に一時間程度の散歩と、自家用のささやかな畑仕事。

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    2017年09月03日
  • 夜の庭師

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    灰色の風が吹く。
    いや、確かに空は晴れているのに、おかしなことだがこの姉弟のいく先は鈍色に染められているのだ。

    そのお屋敷は草に覆われ、蔦が這い、屋根はたわみ、苔がはびこっていた。
    そして一本の古い木が、主人のように植わっている。
    たいていの場合、大きな古い木は優しさを湛え、見守るように聳えているものだが、この期に限ってはそうではない。
    その幹に、枝に、根に、すべてに邪悪な雰囲気をまとっているのだ。
    なぜか。
    それはその木が、人の欲しいと願うものをどこからか出すからだ。
    そのどこが悪いのか、って?
    本当にそう思うかい?
    ものを与える行為は決して一方的な愛の行為ではない。
    必ずその代償がある。

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    2017年07月06日
  • 絵解き「江戸名所百人美女」 江戸美人の粋な暮らし

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    華やかな娘時代から
    働く世代まで
    庶民から旗本の姫までの
    美女100人が圧巻です

    そして 絵の美女とコマ絵の場所が
    上手にリンクされていて
    見る人が見る 知ってる人が見ると
    なお面白いという 粋な趣向でした

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    2017年06月11日
  • 夜の庭師

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    緑の扉の部屋と夜の庭師のことが気になり、一気に読んだ。
    嘘とお話の違いをモリーとキップは自分たちで答えを見つけていく。時におかれている現実から目を背けることだって必要であるけれど、いつか正面から向き合うときがきたら逃してはいけない。

    ディズニーで映画化されるようだけれど、いまいちピンとこないなぁ。この物語の良さをどう表現するのだろう。

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    2016年11月27日
  • 戦国ファッション図鑑 イラストで解説する戦国時代スタイリング

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    ネタバレ

    やっぱり伊達政宗の兜がいいなあ。
    あの突き刺さりそうな三日月。

    昔の人って、服を着るにどれくらい時間がかかったのだろう。まあ複雑な服着るくらい高貴な人は、自分で脱ぎ着しないのだろうけれど。

    特に体の正面についた刀傷は男の勲章か…
    確かにかっこいい。

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    2016年06月05日
  • 中継ステーション〔新訳版〕

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    アメリカの片田舎にある何の変哲もない一軒家が、実は銀河の星々を繋ぐ中継ステーションだった!という飛躍がまず素晴らしい。一見するとワンアイデアものにも思えるが、冷戦という時代設定における核の恐怖であるとか人類の進化といったテーマも内包した奥深い作品。

    様々な生態を持つ宇宙人たちが主人公の中継ステーション管理人・イーノックの元に訪れ、コミュニケーションをして去っていくという図式は藤子・F・不二雄の『21エモン』を彷彿とさせるが、あの作品の持つほのぼの感とは対照的に本作に漂うのは圧倒的な孤独と厭世的な雰囲気だ。ほぼ不老不死となったイーノックは老郵便配達夫の他はほとんど話す人もなく、殆どの人には先立

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    2016年05月23日
  • 中継ステーション〔新訳版〕

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    優しい世界。
    この表紙の絵まんまです。
    中はキッチリSFなんですけど、どこかファンタジック。
    ザンスシリーズの山田さんの手腕なのかしら。

    中盤まではイーノックの静かな生活が中心に
    描かれており、
    (其処で退屈だと切らないで頑張って!)
    後半は急展開。

    映像化されたりしてもおかしく無さそうですが、
    この優しい世界を読んだ人の中だけで
    こっそりひっそりして置いてもいいのかな。

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    2016年02月01日
  • 中継ステーション〔新訳版〕

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    クリフォード・D・シマックが贈るヒューゴー賞受賞の本書は、やさしさに溢れた作品です。

    アメリカ中西部、ウィスコンシン州の片田舎。農家住まいの元北軍兵士イーノック・ウォレスは齢124にして、外見は30歳にも届かぬ不思議な男。じつは、彼の一軒家は銀河の星々を繋ぐ中継ステーションで、彼はその管理人なのだ。地球でただひとり異星人と接する男。その存在を怪しむCIAが調査を開始し…

    解説でも触れられていますが、銀河を結ぶ中継ステーションが舞台にも関わらず、物語のおおくは、ウィスコンシンの片田舎が誇る緑豊かな自然の描写にあてられます。これは著者自身がウィスコンシン州出身であるように、彼の生まれや育ちが影

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    2015年12月27日
  • たんぽぽ娘

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    SFというか村上春樹的な話で、人間の心の機微を題材にしたものが多く、また男女の交際もかなりの頻度で物語のキーになっている。短編はどれも楽しめたものの、表題にもなっているたんぽぽ娘自体は普通のタイムパラドックスものでした。

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    2015年11月17日
  • たんぽぽ娘

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    おとぎ話のような雰囲気のあるロマンチックなSF短編集。表題作の『たんぽぽ娘』のみ既読でしたが、やはりこれが最高の出来。
    『エミリーと不滅の詩人たち』『主従問題』『神風』『河を下る旅』も好み。
    面白くないなと思うものもあり玉石混交の感はあります。

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    2015年08月09日
  • たんぽぽ娘

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    ・R・F・ヤング「たんぽぽ娘」(河出文庫)の 「編者あとがき」にかうある。「ヤングの短編集を編むとき、ぼくが特化したのは、ロマンスものーーというか、彼のボーイ・ミーツ・ガールものである。ほか の作家ならいざ知らず、彼の作品中ずばぬけた出来ばえを見せているのはボーイ・ミーツ・ガールものとそのさまざまなヴァリエーションだった」(384 頁)。確かに、これはこの通りの短篇集である。これ以上でもなくこれ以下でもない、ボーイ・ミーツ・ガールもの集成である。巻頭の「特別急行がおくれた日」から最後の「ジャンヌの弓」までの全13編、外れはない。どれもおもしろい。
    ・巻頭の「特別急行がおくれた日」は蒸気機関車運

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    2015年03月09日
  • たんぽぽ娘

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    奇想コレクション最終回配本。で持っているのに
    文庫本を買ったのは、ざっくりとした短い話で
    ふわっとしたい気分になりたいときに
    ポケットに入れておけるから。
    それにしても、ちょっと前まで
    入手困難な幻の名作がうちに3冊もある。
    ネットで英語版、苦労して読んだ反動だ。

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    2015年01月13日
  • 本好きに捧げる英国ミステリ傑作選

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    本に関する短篇を集めたアンソロジーで16篇収録。
    ビブリオミステリって本が謎の中心にあるものと思っていたが、もう少し意味が広くて、本に関わればなんでもOKという感じらしい。このアンソロジーもバラエティに富んだ作品が収録されており、思ってたのとは違ったが逆に面白かった。
    ベストはロイ・ヴィカーズ「ある男とその姑」、ヴィクター・カニング「性格の問題」。

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    2025年12月05日
  • 本好きに捧げる英国ミステリ傑作選

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    少しづつ楽しめるのが良い。忙しかったからか疲れてたからか読むのにかなり時間がかかってしまったが。
    ロイ・ヴィカーズやクリスチアナ・ブランドが特に面白かった。

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    2025年11月15日
  • たんぽぽ娘

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    古き良きSFを堪能した。昔は古典SFに集中していた時期があったがご無沙汰だった。この手のSFで良いのは何かと豊かなアイディアに出会える事だ。特に表題作、これに胸を打たれた。なんとロマンチックな。今であればこの物語のあとまで描かないといけなくなるのだが、カチンと切っているところが良い。他の作品もなかなかに良かった。やはり好きなジャンルには手を伸ばしていくべきなのだな。

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    2025年10月31日
  • たんぽぽ娘

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     本作品を知ったきっかけはビブリア古書堂事件手帖。
    同名タイトルの栞子さんの本棚で『たんぽぽ娘』一度読んでいるがロバート・F・ヤングの他の作品も読んでみたいと思い手に取った。

    『たんぽぽ娘』が面白かったので他の作品もきっと素晴らしいものが多いだろうと期待を胸に宝箱を開けるような気持ちで本を開いたのだが思っていたのと少し違っていた。
    というのも『たんぽぽ娘』の持つ物語の雰囲気と他の作品がちょっと違う感じだからかな。
    『たんぽぽ娘』は甘くて切なく余韻が残る読後感があり、情景描写やあの有名な「おとといは兎を見たわ、きのうは鹿、今日はあなた」という詩のような世界観が他の作品からは感じられなかった。

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    2025年10月12日