山田順子のレビュー一覧

  • 夜の庭師
    『人の心の弱さと共に成長する大木を愛でる夜の庭師』

    森の奥の大木に取り込まれた屋敷。
    夜中に徘徊する男の影。
    そんなお化け屋敷のような家に奉公することになった姉弟。
    どことなくジメジメと暗い雰囲気の中…
    ファンタジーというよりはホラー寄りのファンタジー…かな?
  • 夜の庭師
    親を失った姉弟、巨木に抱かれた館、青白い顔の家族、語り部、夜に響く怪しい足音、緑の扉の部屋、願いを叶えてくれる木、勇気という名の松葉杖、打ち明けられない秘密、そして訪れる夜の庭師。
    様々な要素に心捕まれ引きずり込まれる。
  • ポケットのなかの天使
    「肩甲骨は翼のなごり」も素敵でしたが、これはまた雰囲気が違います。
    デイヴィッド・アーモンドの、ほのぼのとして可愛らしい、すべてが優しいお話。

    ある日、バスの運転手バートのもとに、天使がやってきた。定年間近でつまらない日々だったのが、突然輝きだします。
    ポケットに入る小さな天使。
    妻のベティと二人...続きを読む
  • たんぽぽ娘
    たんぽぽ娘が日本人にはよく刺さると聞いていたが、自分も好みの作風だった。
    少女、時間旅行、再会という、こういう物語に弱いのかもしれない。
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選
    イスラエルSF短編集。どの作品も面白かった。思ったより宗教色は薄め、それでもサイエンスよりはファンタジーよりのものが多い。 特によかったのは「完璧な娘」。触れると心が読める少女が遺体に触れ、その少女に共感してゆく。あとは「可能性世界」。未来を演算して書き換える。彼女を救える世界にすることで彼は死ん...続きを読む
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選
    読み応えあり過ぎで疲れるアンソロジー
    ジャンルなり、雰囲気で分けて数冊のシリーズで出してくれれば良かったな
  • 鐘は歌う
    世界観が独特。3/1くらい読んでやっと、この世界線がわかってくる感じ。

    紙の本で読んだので、いやでも残りページ数と展開を照らし合わせてしまいます。ラストは畳み掛けるようなスピード感で。

    これ、音楽家の人とか絶対音感の人が読んだらめちゃくちゃ面白いんじゃなかろうか、というぐらい専門用語(?)が出て...続きを読む
  • 赤い館の秘密
    初ミルン。クマのプーさんで有名な著者。こんなミステリィも描いていたのね。古典ではありますが、新訳なので読みやすかった(^^ ワトスン役のベヴァリーが有能すぎやしないかw 素人探偵ギリンガムのキャラがユーモアもあって良い。事件の真相にはアッと驚いた!まあまあ楽しめたので、星三つ半・・と言いたいとこです...続きを読む
  • 夜の庭師
    何、この傑作!出だしからディズニー映画の映像が眼に浮かぶ。イングランドにたどり着いた姉弟のモリーとキップはようやく雇ってくれる森の中の屋敷を見つけた。天性の語り部モリーと足の悪いキップ。一癖も二癖もあるウインザー家の人々。そして夜になると不気味な足音を立てて夜の庭師がやって来る。なんと魅力的な登場人...続きを読む
  • 図書室の怪 四編の奇怪な物語
    図書室、怪奇小説、クラシックな香り、英国ゴーストストーリーなどと言われれば、そりゃついつい。表題作はまさにそれなんですけど、意外にも他の3篇が私の好みでした。

    仄暗く端正なゴーストストーリーで、とても現代の作品とは思えないほど。100年前の作品と言われても信じてしまいますよ私は。
    ああ面白かった。
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選
    イスラエルのSFシーンの中心人物2名によって、英語圏の読者向けに編まれたアンソロジー。ここでのSFは科学小説 Science fictionではなく思弁的小説 Speculative fictionを指しており、非リアリズム小説全般を覆う定義と考えると収録作の幅広さが納得できる。邦訳は英語からの重訳...続きを読む
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選
    ラヴィ・テイドハーを除けば、名前を聞いたことのある作家さえ一人もいないが、作品のレベルは概して高い。ユダヤ=イスラエル色を感じさせる作品も殆どないが、これは日本の現代SFを読んだ欧米人が、ゲイシャもハラキリも出てこないなんて言うようなもんだろうしね。個人的ベストは、そのユダヤ=イスラエル色を感じさせ...続きを読む
  • たんぽぽ娘
    ビブリア古書堂で「たんぽぽ娘」を知り、井上一夫訳の「たんぽぽ娘」を読み、この本を手に取った。

    「特別急行がおくれた日」
    「河を下る旅」
    「エミリーと不滅の詩人たち」
    「神風」
    「たんぽぽ娘」
    「荒寥の地より」
    「主従問題」
    「第一次火星ミッション」
    「失われし時のかたみ」
    「最後の地球人、愛を求め...続きを読む
  • 赤い館の秘密
    新訳出てたので読んでみた。やっぱり圧倒的に読みやすい。言葉が時代で変化するためか、英語や英語文化の理解度の向上のためか。
  • 赤い館の秘密
    すごく良かったです
    ちょっと悲しいというか、痛ましい真相だと私は思ったのですが、解決までの過程や、登場人物に
    作者の健全な思考が感じられる話でした
    最後にある作者によるあとがきが一番笑えました
  • たんぽぽ娘
    ロバート・F・ヤングが送るSF短編集。全体的にハッピーエンドが多くロマンチックな作品が多い。

    「特別急行が遅れた日」
    SFでよくある「小さな世界」の短篇。そのネタ自体はオチまで読まずとも察しのつく読者は多いだろう。日常的な日々の中のちょっとした変化と、被造物がこの階層からなる小さな世界とその創造主...続きを読む
  • 夜の庭師
    2017/03/09了読。
    2017年2冊目。
    通勤時にちょっとずつ読んでたので、時間がやたらかかってしまったけれど、最初の一行目から物語の魔法にかかってしまった、幸せなひと時でした。
    内容としてはダークファンタジー寄りのホラー。
    タイトルから連想していた夜の庭師と実際に出てきた庭師の印象が随分違っ...続きを読む
  • 夜の庭師
    おもしろかったし、涙する場面もいくつかあり、本当に「物語」を読んだ充実感。
    モリーとキップ、幼いのに強すぎる!
    ただ歴史的背景を知ったら、こうやって生きていた子どもたちが実際にいたと思われ、心が痛む。

    ディズニー映画化、楽しみなような、映画化してほしくないような、複雑な気分。
  • 中継ステーション〔新訳版〕
    寛容が肝要。時代を映した優れた寓話。
    これが書かれた頃は冷戦が更に強まっている時期で、米国は外側ではキューバ危機やらベトナム介入でゴチャゴチャし、内側では公民権運動やらケネディ暗殺やらでゴチャゴチャしていた。そんな中でシマックが何を思い、何を願って本作を書いたのか…大事なのは正義でも愛でもなく寛容な...続きを読む
  • たんぽぽ娘
    知らない内に文庫で発売されていて迷わず購入!
    たんぽぽ娘は何度読んでも、みずみずしい作品だと思います。
    その他の作品も、不思議な気持ちや切ない気持ち、色々な感情が湧き上がってくる素敵な作品ばかりです。