あらすじ
中世史学者のジャック・トレガーデンは、オクスフォード大学時代の友人サイモンから、久々に連絡を受けた。サイモンが住むアシュコーム・アビーの図書室の蔵書目録の改訂を任せたいというのだ。稀覯本に目がないジャックはふたつ返事で引き受ける。だが、アシュコームに到着したジャックを迎えたのは、人が変わったようにやつれ、衰えた友人の姿だった。そこで彼に見せられた、彼の亡き妻の手記には騎士の幽霊を見た体験が書かれていた。表題作「図書室の怪」を始め4編を収録。ポオの研究家でもある著者が描く、クラシックな香り高い英国怪奇幻想譚。/【収録作】「図書室の怪」/「六月二十四日」/「グリーンマン」/「ゴルゴタの丘」
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Posted by ブクログ
図書室、怪奇小説、クラシックな香り、英国ゴーストストーリーなどと言われれば、そりゃついつい。表題作はまさにそれなんですけど、意外にも他の3篇が私の好みでした。
仄暗く端正なゴーストストーリーで、とても現代の作品とは思えないほど。100年前の作品と言われても信じてしまいますよ私は。
ああ面白かった。
Posted by ブクログ
4作品収録されている一冊
表題作が
図書室の怪
今年に入ってから
ホラーものに興味を持って
色々買っているなかで見つけた一冊
ものすごく怖い!!
という感じではなかったけど
背中から黒い何かに追っかけられるような感覚がある
最初の一行から
最後の一行まで
読み返しながら読んだ一冊
最後の一行に受ける衝撃たるや…
人の気持ちや思いとは
受け取る側でだいぶ変わるし
自分が置かれた立ち位置でも変わる
そういう風なことを考えた物語
他に収録されている作品でも
不思議さと不気味さを感じるも
なんだか心にストンと落ち着くものがある
一冊だった…
Posted by ブクログ
読みやすい本かというと、少々ためらうところはある。
しかしミステリーやホラーというジャンルでありがちな、悪意満載の内容ではなく、むしろ悪意は少なめ、過去の悪行に巻き込まれる子孫という感じだった。
表題に4編の奇怪な物語とあったので、同じ長さの短編をまとめたものかなとおもったが、実際は表題にある『図書室の怪』が2/3くらいを締めていた。
若干増長なところはあるけれど、表題作品はとても面白かった。
Posted by ブクログ
2017年刊。
作者はイギリスの人で、もともとエドガー・ポーなどのミステリや怪奇小説を研究してきた学者さんのようで、本作は初めての小説。
表題作は200ページにわたる中編で、その後に短いのが3編入っている。
現代において書かれながら、古き良き19世紀古典怪奇小説のスタイルで、そのアナクロ趣味が特徴である。作曲でも21世紀の現在においてもドイツのバロック時代の音楽を模倣し続けている人もいるし、人さまざまな中に、このような作品があっても悪くはない。
さて実際に読んでみると、表題作はせっかくの王道的な怪奇プロットが、どうも文章に緊張感がなくて生かされない。書法がどうも上手くないのである。そこはやはり「駆け出し作家」というところか。全編、どうにもぼんやりしているし、クライマックスももうちょっと上手く書けそうなものなのに、ともったいなく思った。
むしろ最後の「ゴルゴタの丘」の後半、クライマックスから末尾にかけてが迫力をもって上手く書けていた。