小島寛之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2008年5月13日
正直、わからなかったことも多かった、というか、結構わからなかった、というか、もしかして私はほとんど理解してないのかもしれない。
それでも、おもしろかった。細かいことを気にせずに、わからないところを読み飛ばせば、読めました。
どういうところで数学がわからなくなるか、それは実は本人の「数学の能力」とは全く関係ないところで、起こっていて、数学のできなさと、数学の能力のなさとは関係ない。
でも、私自身のことを考えてみると、この本に出てくる「数学能力のある人が、数学につまづいてしまう落とし穴」には当てはまらなかったなぁ、と思う。証明問題とかわりと得意だったし。
つまり私は、「ほんとに数学能力がない」ということだったのか?
それはともかく、
若い人が数学をめぐる冒険の中で、出会えると良い一冊かもしれない。 -
Posted by ブクログ
大学受験テクニックとしてのベクトル計算や微積分はできたけど(そしてすっかり忘れた)本質は理解しないままだったので、その後の行列の計算がわからないまま。この本のおかげで、なぜ画像データの変換処理が行列計算だったのか理解できた。3値の処理だからか。
集合も、ビジネス寄りの簡易な統計知識での理解なので統計と微分積分の関わりがいまひとつ見えなかったのがなんとなくつながりが見えた。ような。
それにしてもガウスの中消し算のエピソード…
数学は計算できなくても数式作れたらいいよね、と思ってたのが見事に打ち消された。自然数や整数の一般化と式変形のアイデアが頭にないとダメだ。 -
Posted by ブクログ
塾講師として数学の教育にたずさわってきた経験などを語りながら、子どもたちが数学でつまづいてしまう理由を考察している本です。
著者は「あとがき」で、遠山啓の『数学入門』上下巻(岩波新書)を意識しながら本書を執筆したと述べており、遠山の著作のように「数学史」「数学者伝」「哲学」「文学」にまたがるような話題をあつかいながら、数学という営みの本質について著者自身の考えをわかりやすいことばで述べています。とりあげられている題材は、「マイナス掛けるマイナスはなぜプラスなのか」という疑問からはじまって、幾何の証明や関数、微分の概念をとりあげ、最後はペアノ、フレーゲ、ノイマンらによる自然数の公理化まで論じられています。
「数学は〈私〉の中にある」という発想が著者の数学観の根本にあり、アフォーダンスの概念を手がかりとしながら、子どもたちが数学を学んでいくプロセスを目にしてきた著者自身の経験にもとづいて、こうした発想が具体的に論じられており、おもしろく読みました。最後は、デデキントが『数について』のなかで「私の思考の世界」について言及していることに、著者の数学観に通じるものがあるのではないかという展望が語られており、著者自身が述べているように「深読み」ではありますが、本書のテーマを読者に印象づけるものになっていると感じました。 -
Posted by ブクログ
統計学に関する本は何冊か読んだことがありますが(いずれもビジネスパーソン向けの入門レベル)、この本は群を抜くシンプルさで初心者にも主要な”概念”をわかりやすく説明できていると思います。
特に検定の話しは今までどの本でもイマイチ理解しきれず終わっていましたが、この本の説明でだいぶ理解を進めることができました。
いずれの項目も計算の仕方がわかる、というよりもその考え方や概念について理解を深めるといった感じでしょうか。自分で計算できるようになるにはさらに習得が必要でしょう。
ただ、近頃読んだ「データサイエンティスト」に関する本にも書かれていたとおり、実際に計算・解析をおこなう人材がいるだけではうまく機能せず、ビジネスとの橋渡しをおこなう人材が欠かせない、と。だとすれば計算するほどの専門スキルはなくても統計という概念を理解しておくことは、これからのビジネスパーソンにとって重要なテーマの一つになるといえるでしょう。本作はその一歩目をちょっとだけ手助けする一冊になりうるものだと思います。