小島寛之のレビュー一覧
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数学のキーとなる概念「同一視」を使えば,高校までの数学がこんなに飛躍していくんだ,というのを見せてくれる魅力的な本。高校どころか,中学の数学でも雰囲気をつかめるように配慮されていて,万人におすすめできる。
集合の道具立てを用意することで,こんなにも数学の世界が広がっていくとは驚きだ。数学というと,単に計算するとかグラフを描くとかいった機械的操作を思い浮かべてしまうが,決してそうではない。そういう泥臭い数学はひとまず置いて,本書とともに,整数の倍数からイデアルを導入して,有限体,ホモロジー群,剰余体という未知の世界を覗く旅に出るのもいいかもしれない。 -
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★重要だと感じたこと★
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◯自分の思考の癖を知り失敗の原因を自覚
◯様々な思考の癖を知り適切な決断方法を場面によって使い分けられるようにする。
◯意思決定には4つのタイプがある
1、マックスミン基準
→最低の利益を最大化する
2、期待値期待
→平均値を最大化する
3、サベージ基準(最大機会損失・最小化基準)
→他との比較で最も後悔を少なくできる
4、マックスマック基準
→可能な中で最大の利益に注目する
★期待値基準
◯意思決定に確 -
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同じ数字を何度も掛け算することを「べき乗」と呼び、特に2回掛け合わすことを2乗といいます。本書は物理、数学の区別無くこの「2乗」が出てくる公式や定理などを広く解説し、読者は物理と数学が密接に関連していることを実感できます。数学ではピタゴラスの定理(3平方の定理)から始まり、フィボナッチ数などの整数論、虚数や複素数、三角関数、正規分布などの確率、物理ではニュートンの万有引力や、ケプラーの法則、ボーアの原子論、そしてアインシュタインの特殊相対性理論までトピックスとして取り上げています。各論の詳細を深く掘り下げずにさらっと書いてあるので、まさに高校での理系で学ぶ事柄がほぼ俯瞰できるような内容です。で
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Posted by ブクログ
東工大の黒川先生と、小島先生の対話。テーマは最近話題のabc予想やF1(1と0からなる代数系)の数学、リーマン予想といったところだろうか。abc予想やリーマン予想に加え、コホモロジーやスキーム理論に関するわかりやすい解説があり良かった。例えばコホモロジーでは、”コホモロジー群は「関数のつなぎ合わせができるかどうか」を測る”とのこと。そうそう、各種数学の概念に関してこういうわかりやすい、”要は..."といった説明が欲しいのです。数学の副読本としてよい本だと思います。敷居の高いスキーム理論もこうした解説があると興味をそそられます。
テーマとなる数論の最新の話題に関しては、なんだかもうつ -
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経済学は、大学の一般教養で選択したものの、何の興味も持てずに単位だけ取得した、という印象。
だけど、歳を重ねるにつれ、経済の仕組みをちゃんと知りたいと思うようになった。
とはいえ、何から手をつければよいものか。
わかりにくいものを、わかりやすく説してある本はないかと手にとったのが本書だった。
はじめの方はわかりづらくて、なかなか進まなかったけれど、後半は慣れてきたのか、具体例も身近だったからか、すいすい読み進めることができた。
私が大学生だった頃よりも、経済学の研究はずっとすすんで、より取っつきやすい学問になってきているようだ。
だけど、経済学がこんなに数学的だとは思わなかった。
私は学生 -
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難しいことを難しく説明するより、簡単に説明するほうが難しい、という意見を聞くことがあるが、本書はまさに難しいことを簡単に、かつ読みやすく書かれたものだと思う。
タイトルを見て、もう当たり前になった、ちょっとタイトルにインパクトを持たせただけの、難しい本だろうと思いつつも、本書を手に取った。『確率的思考』という言葉には、数字そのものに拒否反応を示す数学オンチの私にとって、月の裏側での話のような響きがあったのは事実であった。しかし冒頭で、この本を読まなかった場合、『この本を読んだ場合の世界には存在できない』というような口説き文句があり、グラッときてしまった。
結果的には、確率的思考が身に付いた