小島寛之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ベイズ統計は、インターネットの普及とともにビジネスで使われるようになってきた。
インターネットでは、顧客の購買行動や検索行動が自動的に履歴として収集されるが、そこから顧客の『タイプ』を推定するには、スタンダードな統計学よりもベイズ統計の方が圧倒的に優れている。
マイクロソフトやグーグルは、OSのヘルプ機能やウェブ検索、自動翻訳などにベイズ統計を活用している。また、FAXの画像のノイズ補正、医療分野での自動診断システム、迷惑メールフィルターなにも活用が広がっている。
迷惑メールである可能性が高い語句やURLの存在などの情報を組み合わせていくことで、迷惑メールである確率をはじき出し、ある閾値を超えたら迷惑メールと判断する。迷惑でないメールにもURLが含まれている可能性が高く、URLがあるということだけで、迷惑メールと判断するのは、経験的にも問題であることは理解できよう。このような情報を多数組み合わせることで、確率の精度をあげていくが、あくまでも確率であって、その確率が100%になることはない。
ベイズ推定は、ときに直感に大きく反することがある。ベイズ逆確率のパラドクスと言われるもので、モンティ・ホール問題と3囚人の問題である。問題の詳細は省略するが、この2つの問題は、表裏一体の関係があり、人間のこれらの問題に関する直感は矛盾するものである。片方の直感が正しいとすれば、もう片方の直感は間違っていると考える必要がある、これがパラドクスと言われる所以である。 -
Posted by ブクログ
【ベイズ統計の基礎を学ぶ】
ベイズ統計を学びたいと思って購入した一冊。本当に分かりやすく書いており、文系でも途中までは読める。途中までは。
確率分布図のところまで来ると、どうしても微積分の知識がマストになる。本書では、筆者が噛み砕いて、本当に簡単に説明しようとしてくれているのだが、どうしても腑に落ちない。というか、理解した!というアハ体験がこない。
したがって、もし実践レベルで使っていこうとすると微積分の知識を学び直す必要がありそうだ。とはいえ、この書をきっかけにしてベイズ統計を学び続ければいいのであり、最初の一歩の一冊としてはおすすめである。 -
Posted by ブクログ
第1部は初心者がベイズの定理の意味や効用について知るには非常に良いと思います。一方,第2部は数学的なところを端折りすぎていて,ただ公式に当てはめる程度になってしまっています。免許皆伝にはならないですが,ベイズの定理のイメージはこの本で掴めると思います。
しかし,ちょっと納得しがたかったのは,9-6の著者の自論(?)が展開されているところです。モンティホール問題における条件付き確率を設定する際,どうして「ゲーム参加者がAを選んでそこに車があったら、司会者はBをはずれのカーテンとして開けることを決める」というモデルを考える必要があるのか?
モンティホール問題と同型の3囚人問題で,看守は「Aが釈放で,Aが聞いてきたらBが死刑と言おうと決めておいた」という設定であれば筆者の案と同型になる。でも,Aが「教えてくれ」と言ってくることなど看守には想定外じゃないかな。
理由不十分の原則を条件付き確率に拡張するのはベイズ推定からはみ出した推論だと述べているが(p.114),「理由不十分の原則を条件付き確率にも適用するのはモデルの立て方の1つにすぎない」というのがより妥当な論じ方ではないかと思う。「これが正しい!」と主張するのが間違いで,「司会者の戦略がわからないからという理由で理由不十分の原則をモデルに使った」は妥当な推論として認められるだろう。
なお,モデルの立て方で事後確率が異なるモンティホール問題では,扉を変えない場合,当たる確率は1/3から1/2であるのに対し,帰る場合は1/2から2/3であるから,相対的には変えた方が良さそうに思われる。モデルを柔軟に変えながら,事後確率の相対性で判断するのもアリかもしれない。
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スタンダードな統計的推定では,「おおよそBであろう」を「リスクはあるが,Bを結論しよう」という意味で使います。これは,リスクを覚悟したうえで,2つある可能性のうちの一方だけを結論する立場です。
他方,ベイズ推定では,「おおよそBであろう」を「AもBもありうるが,Bのほうが可能性が大きいだろう」という立場をとります。これは,AだともBだとも結論を下さず,いわば二股をかけた結論を出し,しかし,その可能性に重みの違いをつける立場をとるものです。(pp.76-77)