柏井壽のレビュー一覧
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カレンダーは、ただ数字が並んでいるだけで、日付の確認をするためのもの。
私たちが、ちょっと暖かくなってきたな、とか空気がさわやかで日差しが眩しくなってきた、などと感じる時、一年を半月ごとに分けた『二十四節気』はその肌感覚に名前を与えてくれる。
気候・風土によって、季節感もさまざま。
京都における二十四節気を語り、案内をする本。
歴史ある街で、神社仏閣も多く、そういったところへのお参りが、日常の生活習慣として結びついている。
京都の人は、「この日は何をする日」というのをとても大切にする。
観光で京都に行く時、“せっかくだから”と、有名どころを欲張って回って、毎回同じような旅になってしまうこと -
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京都の老舗料亭「糺の森山荘」に婿養子として入った八代目当主・朱堂旬(すどうしゅん)は、普段は冴えない風貌で、下働きの従業員にしか見えない。
ところが彼は、人気写真家・金田一ムートンというもう一つの名を持っていた。
…のシリーズ第二弾。
以前、自分は驚くほど低い評価をしているのだけれど、何が気に入らなかったのだろう?
少し“狙い過ぎ”に感じたのかもしれない。
まあ、相変わらず、ペントハウスのガラス張り浴室でシャワーを浴びてからへんし~ん!…というのはなんだか気障でムズムズするが…
頼りない風の旬だがなんだか憎めない。
意外に口は上手くて、しっかりものの番頭頭・伏原宣家(ふせはらのりいえ)や、 -
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ネタバレカール・エビスせんせは、英国人のミステリー作家。
太めの野口英世(笑)といった風貌で、1959年生まれ。
東京に6年住んだが、京洛大学の文学部に招聘され、日本文学の講座を持つことになった。
それを機に京都に移り住み、憧れの庭付き一戸建京町家に暮らすようになって半年。
教室で助手を務める、九条葵(くじょう あおい)が身辺の世話などもしてくれる。
お話の「型」としては…
葵がお茶を点てて、季節にふさわしい和菓子とともに教授に差し出す。
小説の取材も兼ねて、葵のアドバイスで神社仏閣を巡り、おいしい店でランチを頂く。
葵とはそこで別れ、小平菊乃の店、『喫茶菊乃』へ足を運んだり、または川嶌葉子(かわし -
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京都案内などの著者が多く、その嗜好も通っぽいグルメ系
かと思いきや、意外とB級グルメな食を好む方の様です。
しかもグルメ本やネットを使わず、人に聞いたり自分の
勘で店を探す姿勢には共感しました。
ただ全体的にはカレー系が多かったかな。辛いものが好き
らしいです。
一方で宿泊する街ではうまい寿司屋を探すそうですが、
これが年季が入っていて面白いです。何より最近観光地化
が激しい小樽の寿司を批判しているのも頼もしいと感じ
ました。
それからフードライターへの苦言も忘れません。
本当のフードライターとは店を見極めることが必要で
ある、と。
例えば夫婦二人で切り盛りする店を雑誌で紹介して
しま -
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ネタバレレシピを買う、そんな不思議な小堀商店のお話。鱧の源平焼き、小袖くずしのような和のものだけでなく、オムライスや焼肉まで、ステキなストーリーとともに料理をつくる。
最初の源平焼きのストーリーが衝撃、その後同じパターンで話が進む。面白いのは、京都ならではの文化も匂いを纏っていること。
例えば、草履片々、木履片々。黒田官兵衛が、本能寺の変で動転している秀吉に、慌てると片方に草履、もう片方に木履を履く。それでも走れる。落ち着いてゆっくり迷っていたら潮はすぐに引いてしまう。それを聞いて、秀吉は飛んで行った。そんな話しを、差し込みながら人間模様とレシピを繋げていくところが非常に面白い。 -
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京都の旅から帰ってきました。今回柏井さんの新書を4冊持って行ったのですが、結果的に1番役に立った(旅途中、最も鞄から取り出した)本がコレでした。食べ物も、旅スポットも、そんなにテーマが統一されているわけでは無いのですが、所謂観光旅をしない私の好みに合った場所がたくさんあったということなのでしょう。実は、約40年前の受験で兄貴の下宿に宿泊しながらこの時ばかりとまるまる一週間京都を観光しました。そこで銀閣寺、清水寺、金閣寺、嵐山等々の観光スポットは回り尽くしたという自覚があって、その時の旅スタイル、歩き通す旅が最も楽しい発見のある旅として私の身に染み付いたのです。だから、京都に来たらもう有名な場所