柏井壽のレビュー一覧

  • 鴨川食堂いつもの

    Posted by ブクログ

    毎度毎度、心が温かくなって、優しい気持ちになれるアンソロジー。
    流とこいしのやわらかい京都弁と、文章だけでも美味しさが伝わってくる料理の描写、依頼人たちのそれぞれの人生と、見どころ満載でどの話も楽しかった。

    0
    2020年03月05日
  • 京都下鴨なぞとき写真帖2 葵祭の車争い

    Posted by ブクログ

    京都の老舗料亭「糺の森山荘」に婿養子として入った八代目当主・朱堂旬(すどうしゅん)は、普段は冴えない風貌で、下働きの従業員にしか見えない。
    ところが彼は、人気写真家・金田一ムートンというもう一つの名を持っていた。

    …のシリーズ第二弾。
    以前、自分は驚くほど低い評価をしているのだけれど、何が気に入らなかったのだろう?
    少し“狙い過ぎ”に感じたのかもしれない。
    まあ、相変わらず、ペントハウスのガラス張り浴室でシャワーを浴びてからへんし~ん!…というのはなんだか気障でムズムズするが…

    頼りない風の旬だがなんだか憎めない。
    意外に口は上手くて、しっかりものの番頭頭・伏原宣家(ふせはらのりいえ)や、やりて女将の妻・明美をうまく使っている。
    一方、ムートンは意外に毒舌であり、能力を隠さないキャラであり、謎解きも主に彼の仕事。
    バレそうでバレない二つの顔だけど、ちょっとハラハラな場面もある。

    ムートンと、助手の竹田友紀(たけだゆき)とゲストキャラが実在するお店で食事をする場面もお約束。
    作者が知り尽くした京都の魅力が余すところなく語られる。
    まだまだネタはありそう。

    今回は、壺の話が一番良かった。

    第一話 大路の紅葉
    第二話 十日ゑびすの壺
    第三話 人形寺の雛人形
    第四話 葵祭の車争い
    第五話 祇園祭の無言詣

    0
    2020年01月30日
  • 鴨川食堂まんぷく

    Posted by ブクログ

    安定の内容だった。
    おなじようなパターンの話ばかりなのに飽きないのは、たぶん、探索しているときの話を先に書かず、探していた食を食べたあとに必要なことを描くからだと思う。
    流さんの縁高を食べたい…。

    0
    2020年01月09日
  • カール・エビス教授のあやかし京都見聞録

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    カール・エビスせんせは、英国人のミステリー作家。
    太めの野口英世(笑)といった風貌で、1959年生まれ。
    東京に6年住んだが、京洛大学の文学部に招聘され、日本文学の講座を持つことになった。
    それを機に京都に移り住み、憧れの庭付き一戸建京町家に暮らすようになって半年。
    教室で助手を務める、九条葵(くじょう あおい)が身辺の世話などもしてくれる。

    お話の「型」としては…
    葵がお茶を点てて、季節にふさわしい和菓子とともに教授に差し出す。
    小説の取材も兼ねて、葵のアドバイスで神社仏閣を巡り、おいしい店でランチを頂く。
    葵とはそこで別れ、小平菊乃の店、『喫茶菊乃』へ足を運んだり、または川嶌葉子(かわしま ようこ)営む古書店『竹林洞(ちくりんどう)書房』を訪れたり。
    夜は食事と酒のために、先斗町の『小料理フミ』に通う。
    女将は、増田フミ。70は超えているけれど、声も顔もつやつや。甥のヨシトの料理も絶品である。

    この、女たちの人生もいろいろで、教授が京都で出会うあやかしや、神社仏閣の縁起、伝説などに絡んでくる。
    小説に出てくるご飯や和菓子の店は、上記女たちの店以外は基本的に実在しており、興味があれば訪れることができる。
    神社仏閣のいわれや伝説を、女たちのストーリーに絡め、現代的に置き換えることによって理解しやすいようになっており、名前だけは知っていた、という事柄でも新たな興味をそそられる。

    著者は京都に在住し、その真髄まで知り尽くしている人の一人だと思うが、京都初心者の教授に寄り添う形で、ていねいに京都の案内役を務めてくれる。

    五摂家のひとつ九条家の流れをくむ家のお嬢さん、という設定の葵。
    京都には実際に、驚くほど古い家系や伝統が伝えられており、それを守っていくことは大変な仕事だろうと常々思っているが、その葵の気持ちや悩み、決意などが控えめに、それでいてしっかりと描かれているのも好ましい。
    京女だなあ、と実感。

    第一話 宗旦狐(そうたんぎつね)
    出町桝形商店街で、いつもお揚げさんを十枚買うという美人。

    第二話 鐵輪(かなわ)の井
    能「鉄輪(かなわ)」を観る。
    自分を捨てて後妻をめとった男を呪うという物語。
    ロンドンに残してきたワイフを思い出し、冷んやり。
    その帰り、菊乃の店の階段で、気流しの男性とすれ違う。

    第三話 六道の辻
    「せんせにはあっちのひとがようけ付いて来てはります」と葵。
    “洗い地蔵”を洗うとすっきりした。
    幽霊も生きた人の中に紛れ込んで普通に暮らしている…京都に限ってはすんなり信じてしまえる気がする。
    急に有名になって商売を広げた“幽霊飴”に、京都っ子としてチクリ。

    第四話 嵯峨野の竹林
    嵯峨野に思うのは女の悲しみ。
    「祇王寺」「滝口寺」
    京都人ではない女の前に、“どこの馬の骨ともわからない”という言葉とともに立てられる戸あり。

    第五話 おかめ伝説
    内助の功?
    ええ話だと思う。

    第六話 百夜通い
    古い伝説も、現代の多くの女の心情に重なるところがあると感じながら読んできたが…
    深草の少将は、現代ならストーカー?!

    0
    2019年12月23日
  • 鴨川食堂おかわり

    Posted by ブクログ

    シリーズの他作品同様、故郷や家族が恋しくなるような、五感にはたらきかけてくれるお話。
    京都の穏やかさであったり、人を思いやる心の深さを感じられるものばかり。
    優しい気持ちになれる一冊。
    忙しくて心がささくれだったとき、ぜひ何度でも読みたい。

    0
    2019年12月19日
  • 極みのローカルグルメ旅

    Posted by ブクログ

    京都案内などの著者が多く、その嗜好も通っぽいグルメ系
    かと思いきや、意外とB級グルメな食を好む方の様です。

    しかもグルメ本やネットを使わず、人に聞いたり自分の
    勘で店を探す姿勢には共感しました。

    ただ全体的にはカレー系が多かったかな。辛いものが好き
    らしいです。

    一方で宿泊する街ではうまい寿司屋を探すそうですが、
    これが年季が入っていて面白いです。何より最近観光地化
    が激しい小樽の寿司を批判しているのも頼もしいと感じ
    ました。

    それからフードライターへの苦言も忘れません。
    本当のフードライターとは店を見極めることが必要で
    ある、と。
    例えば夫婦二人で切り盛りする店を雑誌で紹介して
    しまうと店側としてはそれ以上店を拡げることを考えて
    いない場合などが多く、迷惑な話でしかないことがある、
    と。

    本当にグルメを愛する人への一冊です。

    0
    2019年11月11日
  • 京都に行く前に知っておくと得する50の知識 - 初心者からリピーターまで、京都に行くならどっち!? -

    Posted by ブクログ

    タイトルが軽くてちょっと損しているのではないかと思う、濃い内容の京都案内本。
    といいつつ、タイトルにあるように京都に観光に行く人は読んでおくとよいと思う。見どころの要点が要領よく示されている。行ったことのある場所は納得の内容、行ったことのない場所は、こんな楽しみ方があるのかという内容で、京都経験が豊富な人にはどうかわからないが、普通の観光者には魅力ある内容が紹介されている。
    得するといわれると趣旨と違う気がするけど、本書を読んでから京都に行くと、きっともっと楽しめると思う。

    0
    2019年11月03日
  • 鴨川食堂まんぷく

    Posted by ブクログ

    あの日あの時食べたあの料理の味をもう一度ーーー。
    そんな思いでやってくるお客様のために、鴨川流とこいしがその味を見つけてくる、食のミステリー。
    味や香りが人の記憶と強く結び付いていることは、自分の経験からもイメージできるけれど、その味を探すために尋ね人が与えてくれる手がかりは決して多くない中で、記憶を呼び覚ますほど的確に味を見つけてこられ、再現できる流のような人が、そしてそれをサポートするこいしのような聞き手が現実にいればいいのにな、と感じた。
    とてもほっこりする物語。

    0
    2019年09月05日
  • 鴨川食堂はんなり

    Posted by ブクログ

    お任せで出てくるご飯のおいしそうな感じ、こいしと鴨川食堂を訪れる人との掛け合い、こいしと流のかけあい。食探し。どれも安定の面白さでした。

    0
    2019年08月21日
  • 祇園白川 小堀商店 レシピ買います(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    レシピを買う、そんな不思議な小堀商店のお話。鱧の源平焼き、小袖くずしのような和のものだけでなく、オムライスや焼肉まで、ステキなストーリーとともに料理をつくる。
    最初の源平焼きのストーリーが衝撃、その後同じパターンで話が進む。面白いのは、京都ならではの文化も匂いを纏っていること。
    例えば、草履片々、木履片々。黒田官兵衛が、本能寺の変で動転している秀吉に、慌てると片方に草履、もう片方に木履を履く。それでも走れる。落ち着いてゆっくり迷っていたら潮はすぐに引いてしまう。それを聞いて、秀吉は飛んで行った。そんな話しを、差し込みながら人間模様とレシピを繋げていくところが非常に面白い。

    0
    2019年07月06日
  • 鴨川食堂はんなり

    Posted by ブクログ

    シリーズ第5巻もええ話がいっぱいでした。もうショーケンでの続編(ドラマ)があり得ないのが悲しい・・・

    0
    2019年05月19日
  • 京都の路地裏 生粋の京都人が教えるひそかな愉しみ

    Posted by ブクログ

    京都の旅から帰ってきました。今回柏井さんの新書を4冊持って行ったのですが、結果的に1番役に立った(旅途中、最も鞄から取り出した)本がコレでした。食べ物も、旅スポットも、そんなにテーマが統一されているわけでは無いのですが、所謂観光旅をしない私の好みに合った場所がたくさんあったということなのでしょう。実は、約40年前の受験で兄貴の下宿に宿泊しながらこの時ばかりとまるまる一週間京都を観光しました。そこで銀閣寺、清水寺、金閣寺、嵐山等々の観光スポットは回り尽くしたという自覚があって、その時の旅スタイル、歩き通す旅が最も楽しい発見のある旅として私の身に染み付いたのです。だから、京都に来たらもう有名な場所には行かないことにしています。

    京都に着いていの一番に行ったのは、夜な夜な怨みを抱いて通った女の実家の井戸(「鐡輪の井」)です。貴船神社は丑の刻まいりで有名。そこへ、五条上がるのこんな所から毎夜三時間はかけて呪いに行く。しかし安倍晴明の力の前に女は逃げ帰る。そして身を投げた所らしい。ここの井戸の上にペットボトルの水を一晩置くだけで、縁切りの水として霊剣新たかになるらしい。これがまた、地図アプリでピンポイントで場所を示されても見つけられない微妙な場所にあり、本の文章を精読してやっと印を見つけてたどり着いたのです。この井戸にも鍛治屋町敬神会が解説書を置いていた。他の場所も教育委員会の説明板など大抵付いている。しかし、本の解説はそれとは明らかに違う原典から解説しており、安直な所から情報を得ていないこともわかった。

    その他にも、土蜘蛛伝説に繋がる源頼光の大蜘蛛退治の蜘蛛塚二つ(上品蓮台寺と北野天満宮の角)、大工の嫁が八百年都を災禍から守り続ける神さまになる「おかめ塚」、実はこちらにも飛梅があり菅原道真産湯の井戸まである「菅大臣神社」、平将門の首が晒されていた場所「神田明神」、猫の恩返しの伝説のある猫寺、全体的に、怨みや不運を避けるための塚や施設が京都には其処彼処にある。京都だから、それが1000年以上伝えられているのが珍しく無いのが、とても珍しいと思った旅でした。

    0
    2019年04月24日
  • せつない京都

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <目次>
    はじめに  「美しさ」はせつない
    第1章   せつない神社せつないお寺
    第2章   せつない京都百景

    <内容>
    京都を語らせたら、今第一人者かもしれない著者の本。今回は、さまざまな伝説や歴史を「せつなさ」でまとめたもの。学術書ではないが、なかなか読ませてくれる。著者らしさは、ときどき「食べ物屋」が登場すること。旨そうな話である。

    0
    2019年04月04日
  • 鴨川食堂はんなり

    Posted by ブクログ

    私は今のところ探して欲しい食べ物はないですが、
    そのうち出てくるのかもしれませんね。
    今回は、ウルウルくる場面もあって、電車で読むのは厳しかったです。

    0
    2019年02月03日
  • 鴨川食堂おまかせ

    Posted by ブクログ

    今回も定形フォーマットに依頼人の個性に合わせて少しだけ改変してあてはめるような流れで、とても読みやすいです。料理の奥深さを感じさせる描写や鴨川食堂の2人による魅力的なキャラ設定による定番の掛け合い、必要に応じてごくたまに出現する常連客の妙さんも活きてますね。
    「冷やし中華」と「マカロニグラタン」にやられました。親が子を思い遣る内容に個人的に弱いようです。次回作も読みます。

    0
    2018年12月02日
  • 鴨川食堂おかわり

    Posted by ブクログ

    毎回どうしてこう美味しそうなんだ!

    文章なのに料理が目の前にあるみたい。すごい。それでいてどうしてその料理を再現できたのか、その説明も読みやすく納得できるものばかり。
    読み終わったあと、美味しいご飯食べたみたいにほっとできるのもいい。
    何度でも読みたくなる作品。

    0
    2018年11月26日
  • 鴨川食堂はんなり

    Posted by ブクログ

    「鴨川食堂」シリーズ第5弾!
    今回も、様々な地方から、食に対する複雑な思いを抱えたお客様が訪れる。
    求められるものも、ただ懐かしいというものではなく、今までにないような変わった依頼もあって、流さんも二週間が期限ではだんだん難しくなってきた。
    こいしは相変わらず、つけつけと思ったままのことを口にするが、ずいぶんとお客様の気持ちに寄り添うようになったなあと感じる。
    謎解きも詳しく描かれるようになり、流が依頼人にかける言葉も温かい。


    第一話 親子丼
    外食はインスタ映えが大事!
    並んででも名店で食べたかったのに、フツーの食堂に連れて行った彼氏とは別れたが…

    第二話 焼売
    気難しい老女が、自分基準であの日食べなかったシュウマイに残す未練とは。

    第三話 きつねうどん
    依頼人の、あまりにも運のない人生に言葉を失う。
    後悔するか、小さくても幸せを見出すか…

    第四話 おでん
    長年連れ添った夫婦でも、なんと心の内に抱く想いの様々なことか。
    かけ違えたボタンはかけ直せる?

    第五話 芋煮
    意外な結末!
    正反対の幼馴染はこれからも仲良くやっていけそう。

    第六話 ハヤシライス
    切ないお話だった。
    大人の恋。

    0
    2018年06月28日
  • 鴨川食堂ごちそう

    Posted by ブクログ

    はいりの1話と2話、更に締めの6話が泣けた。思い出に残る料理とは、味だけでなくその時点の状況や心持ちが大きく左右されるのだと思う。私の最後の晩餐料理は、母が作ってくれた太巻とお好み焼きにしたい。貧しい暮らしの中でハレの日に食べられたご馳走だったから。
    ところで、探偵事務所の広告に連絡先を掲載しないのは何故なんだろう。

    0
    2026年01月17日
  • 鴨川食堂しあわせ

    Posted by ブクログ

    いつもの決まった
    ①食探しの話の前に鴨川流れの料理を味わい驚愕する
    ②探偵事務所に向かう途中の廊下に飾ってある料理写真
    ③こいしが依頼内容のヒアリング時に書くイラスト入りメモ
    ④依頼人が帰った直後の掬子の仏壇拝み
    をルーティンにストーリーが進む。
    食には作り手の魂が宿る「巻き寿司」とフィアンセが残した「フィッシュアンドチップス」が感動した。
    今巻を読んでいて、私の最期の晩餐は何だろうとふと思った。やはり幼い頃に食べた、太巻きあるいはお好み焼き?
    それとも近頃食べることがなくなった、家人のシーフードカレーだろうか。

    0
    2026年01月17日
  • 鴨川食堂まんぷく

    Posted by ブクログ

    鴨川食堂シリーズも4冊目になる。ストーリーは毎回同じでも感動してしまう。
    探偵事務所を訪れると必ず供されるおまかせ定食を一度は食べてみたいものだ。ところで、今回読みながら考えてみた私の思い出の味は、
    ?太巻き
    ?お好み焼き
    ?おはぎ
    ?かた焼きそば になる。
    因みに、???はおふくろの味だ。

    0
    2026年01月17日