柏井壽のレビュー一覧
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「鴨川食堂」シリーズ第5弾!
今回も、様々な地方から、食に対する複雑な思いを抱えたお客様が訪れる。
求められるものも、ただ懐かしいというものではなく、今までにないような変わった依頼もあって、流さんも二週間が期限ではだんだん難しくなってきた。
こいしは相変わらず、つけつけと思ったままのことを口にするが、ずいぶんとお客様の気持ちに寄り添うようになったなあと感じる。
謎解きも詳しく描かれるようになり、流が依頼人にかける言葉も温かい。
第一話 親子丼
外食はインスタ映えが大事!
並んででも名店で食べたかったのに、フツーの食堂に連れて行った彼氏とは別れたが…
第二話 焼売
気難しい老女が、自分基準 -
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食探偵シリーズ第4弾。
今回も美味しい料理がたくさん並ぶ。相変わらず物語が大きく動く事は無いが今回はちょっと違う顔も見えた。お父さんが静かに怒っていた。嘆いていたという方が正しいのかもしれない。旨さを感じるのは舌でもなければ胃袋でもなく心なのだと。こういう事をちゃんと言える人に憧れる。
最後のマカロニグラタンはちょっとハラハラした。都合よく美化した過去よりも今を生きる事に意味がある。心を込めた料理は食べる人の心に届く。素敵連鎖。
それにしてもふだんお店ではどんな料理を出しているのだろう。お昼に1万円。おまかせの料理を見ていれば安く無い事は解るけれど。おいそれとは行かれないお店なのが辛い。
そう -
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シリーズ4作目です。
様々な今を生きるお客さんが探し求める、
遠ぃ記憶にある大切な思い出の「食」を、
元刑事の料理人の父・流と娘のこいしが、
本人も忘れていた思い出と共に捜し出し、
その思い出とともに食べさせてくれる、
鴨川食堂と鴨川探偵事務所のお話です。
作品の体も、所謂、探偵小説にある、
依頼編と解決編の2つから構成され、
お約束のパターンも、そのまんまで、
それでも、状況がいろいろなので、
各話、新しく読むことができます。
本シリーズの作風、構成を、
お約束と思ぅか、ワンパターンと思ぅか、
それによって、評価も変わるでそぅが、
ボクは、お約束と思って、安心できます。
とは言え、やは -
Posted by ブクログ
鴨川食堂、第3弾。
連続ドラマ化記念の、文庫書き下ろしだそう。
個人的に、ドラマはイマイチでしたが、ほとぼりが冷めた今、ドラマのテンポに引きずられずに素直に本に入り込めるようになりました。
一つだけ残ったのは、やはり、鴨川流の配役は良かったなあ、ということ。
台詞の部分を読むと、声も姿も浮かんできます。
最初に読んだ時は、探偵事務所という割に、推理の段階を経ずに謎明かしなんだなあ、と物足りなく思ったのですが、娘・こいしが依頼人から話を聞き、父・流が食を探す、というパターンがすっかりおなじみになりました。
普通のミステリだと、話を又聞きして解決する流さんは「安楽椅子探偵」ということになるけれど -
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1巻目と同じ流れで進む、「鴨川食堂」2冊目。
海苔弁の章は、父の息子への愛情溢れる話。
クリスマスケーキの章は、ひどく切なく、でも人はどこかでいろんなものに区切りをつけて、そうして生きていくものなんだよな、ということを思い出した。
ひとつひとつが心温まる、ほっこりするお話。
「食べ物」には、いろんな思い出が宿るのだ。
楽しいことも嬉しいことも、辛いことも苦しいことも。
それらを、食を探す人たちに、届けるお手伝いを、鴨川食堂はしている。
流さんの料理は、京料理をあまり知らないわたしには見た目の想像がつきにくいけれど、京都にまた旅行に行きたいと思わせるには十分すぎるほど。
鴨川食堂はないけれど -
Posted by ブクログ
京都の定番の観光地を中心に、そこをどのように廻るのか「大人のための修学旅行」として紹介されています。人ごみに紛れて、ただ必死になって写真を撮り、後になって何をしたのかの記憶が曖昧な京都旅行になっていませんか。そうならないために前知識として何を仕入れておくべきか、当日はどのように廻るのか。それも季節ごとに違う顔を見せる京都それぞれについて書かれているところが、京都に住んでいる人間からもうなづける内容になっていると思います。また改めて京都の定番とはこれだったなと思い出させていただきました。初めてであっても、何度かであっても、京都に旅立つ前に一度読んでから出かけられると、今までとは違って落ち着いて京