柏井壽のレビュー一覧
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p.214 <嵐電>沿線のみどころを東から順にいくつか紹介しましょう。まず最初に降り立つのは『蚕ノ社』駅。難読駅名のひとつで、カイコノヤシロと読み、『木島坐天照御魂神社』の別名です。<続日本紀>の大宝元年、すなわち西暦701年4月の条に、この神社の名前が記されていますから、奈良時代以前からあった古い神社です。今は痕跡しか残っていませんが、この神社には<元糺の池>という池があり、そのなかに三本脚の鳥居が建っていることに目を引かれます。<三柱鳥居>と呼ばれ、京都三珍鳥居のひとつに数えられていますが、なぜ三本脚なのかは諸説ふんぷんで、謎とされています。
→ 京都三珍鳥居の残り2つは、厳島神社の「唐破 -
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本書は、明確にガイドというようなことでもなく、人々の暮らしや文物に纏わる研ぎ澄まされたエッセイや、勿論“小説”ということでもない。本書は、永く京都に在って活動をした経過を有している著者による、「一部にガイド的内容を含む場合も在る、著者が愛する人々の様子や文物に関して綴ったエッセイ」とでも呼ぶべき、なかなかに多面的な内容の一冊であると思う。
何時の頃からか「京都」は「とりあえず来訪者が溢れて…」という様子であったと思う。ハッキリ申し上げて、関西方面へ出る場合に「混んでいる京都は一寸避けて…」というような発想にさえなっていたかもしれない。そういう状況が、何やら“感染症”の問題で様相が変わったという -
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良いなぁ
良いなぁ。どの話にも、余韻が有って。
その人の料理に纏わる思いが有って、その料理を食べた所で、話は終わる。わざと、書かないけれど、なんとなく想像できる。心憎い演出(笑) -
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前巻を読んでからちょっと間があいたな~。
このシリーズは、見事にパターンが同じなので(いい意味で)続けて読むとさらっと読み飛ばしてしまうな、と、思ったのでゆっくり読むことにした。
結果、今回もめちゃくちゃ面白かったな~…。
茜さんが登場するのはちょっと意外^^
この人は、なんか、まぼろし的な存在なのかと。笑
どの話もよかったな。みんな、過去がなかったことにもならないし、望む形にやりなおせないかもしれなくても、きっかけが生まれる瞬間っていうのがそれだけでいいなと思う。
なかなか、普通に生きてたら、変わろうと思うためのきっかけすらないもんね。
変わろうって思わなくてもいいくらい現状に満足でき -
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ネタバレ鴨川流(かもがわ ながれ)と娘のこいしのシリーズ、第8弾。
もうそんなになる、驚きです。
今回の「ごちそう」に込められた意味とは?
鴨川食堂・探偵事務所に依頼人たちが持ってくる「食さがし」は、どれももう、自分では探しようのないほど時間が経ってしまっているものが多い。
その長い時間の間、依頼人の頭の片隅に、あるいは奥底に埋もれるようにして、思い続けてきた物なのだろう。
その間にも生活はあり人生はあり、思いは変化し、あるいは熟していく。
それがどうにも抱えきれなくなった時に、鴨川探偵事務所にめぐりあうのだろう。
それは、今こそ知るべき時を迎えた、ということなのかもしれない。
たとえば、第一話。 -
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う~~ん、やられた。
美味しいもの、懐かしく思い出す料理、心震える話。食に纏わる人の想いが、心に、しみじみと染みる。高知の人が、訪ねてきて、高知のお酒です。って、亀泉が出てきた!これこれ、亀泉は、私も、一押し。話とは、全然、関係ないけど……(笑)
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ネタバレ 購入済み
涙が……
思い出の料理。それを口にした時、心は、その料理を食べた時に戻っていく。そして、作ってくれた人の思いを感じて、涙する。一緒に、ほろりとしてしまう。
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ネタバレ 購入済み
良いなぁ。
良いなぁ。どの話も、深くて良い。料理と一緒に、心に染みる。他人との関係が、上手くいく、いかない。ほんのちょっとした、ボタンの掛け違い。そのきっかけとなった、料理に、再び巡り会う事で、こんがらがった糸がほどけるように、気持ちもほどけていく。皆のその後の人生に、幸有れと、思わずにはいられない。