上野正彦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
[作品]
2010年。朝日新聞出版。
元東京都監察医務医院院長
ベストセラー「死体は語る」著者 上野正彦
[感想]
本書は東京で30年間監察医を勤めた著者が語る、検死における「8何の原則」
1.いつ(時間)
2.どこで(場所)
3.誰が(犯人)
4.誰と(共犯)
5.何ゆえ(動機)
6.誰にたいして(被害者)
7.いかにして(方法)
8.いかにした(結果)
を、具体的な検死例を挙げながら一章ごとに解説する著書である。本書で書かれている病死でない場合の人の死に存在する背景は、不謹慎ではあるのだがやはりとても刺激的で面白く感じた。
弁慶の立往生に存在する科学的理由、バラバラ殺人の犯人に -
Posted by ブクログ
「いじめ」や「体罰」による「自殺」が社会問題になっているが、東京都監察医務院長を勤めていた著者の経験から出されていてこの本は、タイトルも衝撃的だが、的をついた提起だと思う。
やや著者の思いが先行し、いじめの問題では、教育関係者などと深く討議をするとよいとも思うが、そうしたことを割り引いても、自殺においこまれてしまう状況まで、遡って明らかにしていくことが、癌などの主要疾患よりも死亡原因で多くをしめる「自殺」大国の日本で、求められることは明らかであり、重要な視点であると思う。
ただ私は、警察が教育現場にどんどん入っていくようなことには同意できないが、「いじめ」や「体罰」は常にありうることであり -
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試し読み
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Posted by ブクログ
東京都監察医務院監察医であった著者が、世間を騒がせた惨殺事件を犯罪心理学や法医学の側面から犯人像を浮き彫りする本。
著者のこれまでの検死解剖の実績は本書の中のコメントにリアリティを与えている。 ちょっとした刑事ドラマや推理小説はあくまで作者が考えた人物背景や舞台をベースに犯罪が行われるため、プロの目から見て整合性があるものなのだろうか?という疑問を常に持っていた。 人を殺すという極限の状態というものは、一般人には馴染みが無いので、作者の虚構をさもありなんと受け入れてしまうが、実際その場に立つと本当は違った心理が働くということを本書は教えてくれる。
特にバラバラ事件は残忍な人間の仕業との