上野正彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
元監察医によるベストセラー。
35年前に書かれたものなので今読むと倫理的にどうなんだろうと思う箇所もちょいちょいある笑
「死者の人権を守る」「死者にも医師を選択する権利がある」という視点には驚かされると共に、著者の強い信条を感じた。
死後解剖を拒否する遺族がいることは知っているが、ただ単に死者の尊厳を保つ為の拒否ならば、それは本当に死者のためを想った発言ではないということを遺族は理解しなければならない。
執筆された当時でも監察医制度は五大都市でしか施行されていなかったみたいだが、現在でもそれは変わってない。「監察医制度を全国的制度に」という著者の願いはなかなか実現されそうにないようだ。
見逃されそのまま闇に葬られた不自然死もいまだに数多くあるのだろう。 -
Posted by ブクログ
様々な事件や事故、病気等で日々多くの人々が亡くなっている。凡そ4000人弱の人が日本の1日あたりの死者数で近年は長らく少子化が進んだこともあり、生まれてくる人数の2500名を大きく超えて、1日あたり1500人程度人口が減っていく計算だ。死亡者の大半は犯罪や事故ではなく病気や老衰であろうが、中には自殺などもあり、特に高齢者の自殺は増加している。
本書はそうした人が亡くなった際に、死因を特定する職業として、監察医の著者の体験や監察医の必要性についての著者の考えを記載している。死体は語ると言われるが、死者の見た目(外傷)からだけでなく臓器や骨などの状態から死因を特定していく職業が監察医の役割だ。わかりやすくドラマなどでは殺人犯が死体を自殺に見せかけるなど、犯罪を隠すための手段として死体に細工するが、監察医がそれを医学的検知から暴いていく、そうした職業である。
事実、筆者の経験などからは、そうした事件性を帯びた死者であっても、実際には他殺によるものとして発見される事がしばしばある様だ。
焼死体、飛び降り自殺、轢き逃げなどは死因を明らかに語ってくる(死者の訴え)ものがあり、特に自殺した死体の凄惨さや、水没しした人の死後の状態などは、あまり食事前や食事中に見ない方が良いだろう。
人は生まれた瞬間から、死へのカウントダウンを始めている。不老不死の薬でも無い限り、誰しも直面する死。自分も予定では、最期老衰でこの世を去ると思っているが、果たしてその様な最後を無事に迎えられるだろうか。中々こうした職業の人達の世話になりたくは無いが、いざという時は私の死者としての声は間違えずに聞いて欲しいものである。 -
Posted by ブクログ
変死体を扱って三十余年の元監察医が綴る、法医学ノンフィクションの大ベストセラー。
元監察医の上野正彦さんによる、法医学ノンフィクション・エッセイ本です。
ドラマ化もされたと書いてあったので調べてみた所、そのまま『監察医・篠宮葉月 死体は語る』というタイトルで2001年からドラマシリーズが放送されていたみたいですね。
私の手元にある文庫本で19版目、何度も重版されたベストセラーだけあって、それこそドラマや小説の中でしか知らなかった監察医という仕事が、くっきり輪郭を持った気がします。
偽装殺人や親子鑑定、外から見ただけでは分からない、死体に秘められた真実を明らかにする監察医という仕事。ときには割り切れないような事実や事情に直面することがあっても、誇りをもってその職業と向き合っている姿がとても格好いい。
語られる事件に添えられたコメントも、人情味のある人柄があらわれています。
ちなみに、単行本の初版が1989年発行なので時代的に仕方ないのですが、現代の感覚で読むと、ちょっとハラスメント意識やら性的指向、性的マイノリティに対する意識など若干気になるかもしれません。
法医学部分についても、DNA鑑定がなかった頃だったり、現状とは違う部分も多いのかなと思うので、最近の法医学を扱った本などもあれば読んでみたいですね。 -
Posted by ブクログ
法医学、監察医をテーマにしたドラマを見たことがきっかけで興味を持って読んでみました。
夜、眠れなったらどうしようと思いましたが、そんなことはありませんでした。
昔昔の出来事からニュースで知ってるぞという大きな事件まで、死因を導き出すための『死者との対話』、そこから浮かび上がる人間模様が綴られています。死因というものは一般人が思うよりもかなり重要なものらしい。
死者の人権を守る、社会的最小単位である家庭のあり方を見直す、という言葉が繰り返し出てきますが、元々は役所の厚生福祉や保健などの衛生業務にかかわる人が読むための情報誌での連載だったそう。なるほど。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ単行本として本書が世に出たのは1989年、文庫化されたのは2001年。
多くの重版を重ねてきた本書、読めば納得のノンフィクション作品でした。
法医学、監察医、臨床医、検死、司法解剖、行政解剖...言葉としては見聞きしたことはありますが、無知故に違いは何か?と問われればわからないと答えるしかなかった。
故意に死体を傷つける事(死体損壊)が罪になる事は知っていましたが、死体解剖保存法なる法律のことなど、全く知りませんでした。
監察医としての実体験。
偽装殺人、自殺を装った他殺、またその逆、一見すると見落としてしまう死の本当の原因。
死体と向き合い、そこの残された僅かな痕跡から故人がどのように亡くなったのかを法医学に基づき解き明かす。
作られたミステリーではなく、これがノンフィクション。
説明
内容紹介
あなたにも死者のメッセージが聞こえますか? 法医学入門のバイブルとなった大ベストセラー。
偽装殺人、他殺を装った自殺、猟奇事件…。どんなに誤魔化そうとしても、もの言わぬ死体は、背後に潜む人間の憎しみや苦悩を雄弁に語りだす。その死者の声を聞き、丹念に検死をし、解剖することによって、なぜ死に至ったかを調べていくのが、監察医の仕事である。
浅沼稲次郎刺殺事件、ホテルニュージャパン火災事件、日航機羽田沖墜落事故等の現場に立会い、変死体を扱って三十余年の元監察医が綴る、ミステリアスな事件の数数。
テレビドラマ『監察医 篠宮葉月 死体は語る』シリーズの原作にもなった、話題の書。
解説・夏樹静子
内容(「BOOK」データベースより)
偽装殺人、他殺を装った自殺…。どんなに誤魔化そうとしても、もの言わぬ死体は、背後に潜む人間の憎しみや苦悩を雄弁に語りだす。浅沼稲次郎刺殺事件、日航機羽田沖墜落事故等の現場に立会い、変死体を扱って三十余年の元監察医が綴る、ミステリアスな事件の数数。ドラマ化もされた法医学入門の大ベストセラー。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
上野/正彦
1929(昭和4)年、茨城県生まれ。東邦医科大学卒業後、日本大学医学部法医学教室に入る。59年、東京都監察医務院の監察医となる。84年から同院長となり、89年退官。以後、法医学評論家として執筆活動を始め、89年、初の著書『死体は語る』が、60万部を超える大ベストセラーとなる。その他、専門書、学術論文多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
購入済み
あのテレビドラマみたいな作品
モルグもドラマにならないかな
保険金殺人、医療事故、安楽死、遺体は死者のメッセージを必ず遺していると事件解決が鮮やか。