上野正彦のレビュー一覧
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監察医として働かれていた経験や、幼少期の体験、医師を志した話など、上野さん自身の人生が詰まった本だった。特に10代の読者を想定して書かれているので、メッセージがとても響く。
もちろん大人にもお勧めできる。
本の中で、「死体は生きている」とあった。
私も、看護師としてエンゼルケア(死後の処置)をする中で、そのような感覚になったことはある。
痩せこけている身体は、最期までその方が頑張ったしるしだなとか、最期に着せてあげたいものや気に入っていたアクセサリーがあるかを家族に聞くと、その方が元気な時どんな人柄だったか見えてくる。
まさに「生」を感じる。
上野さんの仕事も本当に素晴らしいと思った。
人 -
Posted by ブクログ
本書は多発する猟奇殺人事件の真実を解き明かす法医学の視点から綴られた書である。著者は監察医、元東京都監察医務院長として、退官までに約2万体の検死を行った経験を持つ。浅沼稲次郎暗殺事件、三河島事故、吉展ちゃん誘拐殺人事件、全日空羽田沖墜落事故、ホテルニュージャパン火災などの検死に携わり、法医学の第一線で活躍してきた実に経験豊富な専門家である。
本書では、死体は嘘をつかず、多くの情報を語る存在であると主張している。猟奇殺人事件は今もなお多発しているが、昭和時代のバラバラ死体の背景には、多くの場合、衝動的な殺人とその隠蔽のための死体切断であった。追い詰められた加害者の心理が死体を切り刻む行為を -
Posted by ブクログ
ネタバレ殺人事件を扱うミステリよりある意味面白いと言ったら語弊があるかもしれないが、実際にこんなことがあったのかと思うと興味深い話が多かった。
テレビでも紹介されたなというのも思い出しつつ。
まだDNA鑑定のない時代の話なので、今にしてみれば時代遅れの話や価値観も出てくるけれども、それを抜きにしても興味深いと思わせてくれるのは、上野先生の文章の読みやすさ、それと先生の想いが一貫して作中に散りばめられているからだろう。
それに、今に繋がる発見も啓発もしてくださっているのも分かるので。
歴史的事件にも関わっていて、とにかく先生すげえ……と小並感漂う感想しか抱けなくなっていくという。
それにしても、一番 -
Posted by ブクログ
死体は語る★4
1989年発行の非常に古い本だがとても有名で読みやすい。
上野先生が経験した興味深い症例をエピソード事に紹介する本。
今の医療技術で可能なDNA鑑定も当時はなかったらしく、子が誰の父かの判定を血液型と人間関係から法医学者が決定していたというのは驚いた。
本の中で紹介されいた著者上野先生の心に残っている言葉をメモしておく。「一人の生命は地球よりも思い」「心正しからざれば、剣正しからず」
泳ぎが得意な人や足のつく浅瀬でも溺死する理由が特に興味深かった。
呼吸のタイミングを誤り口や鼻から水を吸い込むと耳管内に水が入りその結果三半規管を傷害し平衡感覚が失われるから泳げなくなるという -
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