上野正彦のレビュー一覧
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語りかけるような調子で書かれているので大変読みやすい本でした。
行政解剖・司法解剖の詳細、検死の仕組みがわかりやすく解説してあり、必要性を痛感させられます。
著者が経験した実例を紹介していて、まさに事実は小説より奇なり、興味をかきたてられる内容です。
殺人の手口を載せた後には、必ず「こういうことをしてもプロの目はごまかせないので、真似しないように」ということが付け加えてあるので、ちょっと笑ってしまいました(笑うところではないのですが…)。
死体が時間の経過とともに変化していく様子を述べている部分で、「青鬼」「赤鬼」「黒鬼」「白鬼(白骨)」と表現しているところを見て、昔の人は実際に死体を目にすることが多かったから、昔話の「赤鬼」「青鬼」もこういうところからきているのかなぁと考えてしまいました。
タイトルが強烈なので、電車の中では、カバーをかけてどうぞ。 -
Posted by ブクログ
中山七里の『ヒポクラテスの誓い』シリーズを読んで、「死者の声を聞く」という法医学のあり方に関心を持つようになりました。
日本ではなかなかアメリカのような監察医制度が定着せず、死因を明らかにすることが難しい状況も少なくないようですが、30年以上監察医として勤務し、日本に「法医学」を定着させ、「死体について語る」という行為を世間に受け入れさせた『死体は語る』の著者のエッセイは、法医学という学問に興味を持たせてくれます。
もちろん、医学部に合格して医師免許を取得する、という過程は難易度が高く誰もが達成できる目標ではありませんし、法医学者として検案する遺体は損壊していたり、幼い子どものものであったりと、正視に耐えないものもあるでしょう。文字では表現できないような腐敗臭にも直面すると聞きます。
大変な仕事だと思いますが、筆者が穏やかな語り口で、死者へ敬意を抱きながら丁寧に死体に向き合っているエピソードを読むと、法医学という学問分野がもっと注目されるべきだと思いますし、「社会医学」「予防医学」という観点からも、医者を目指す人の将来の選択肢のひとつに加えてもらえると良いな、と思います。 -
Posted by ブクログ
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死体が語る、
生きている人間の「怖い話」
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これまで読んできたノンフィクションで登場した事件の内容に、なるほどと納得できるような解説が登場していたり。
(事件は全く別物ですが、手法が似ていて、その手法の心理について語られてました)
こちらも仕事が忙しくて
小説を読む気持ちの余裕がなかったときに
読んでた一冊です。
2〜3ページで書かれているので読みやすく、
だけど中身はノンフィクションの迫力というか、
淡々とした事実と真実があって。
死者の人権を守るというのがとても印象的でした。 -
Posted by ブクログ
読書録「ヒトは、こんなことで死んでしまうのか」3
著者 上野正彦
出版 インデックス・コミュニケーションズ
p46より引用
“ 人体を解剖していて、胃の中から変わったもの
が出てくることがたまにある。そのなかでも意外に
多かったのがハンコだ。諸事情で追い詰められて、
あわてて書類とともに飲み込んだのであろう。”
目次より抜粋引用
“日常にひそむ死の危険
生と死の境界線
意外な死の真相
死の医学”
監察医として長年医学に従事した著者による、
人が死に至る様々な原因について記した一冊。
日常の些細な原因から人の手による命の終わり
方まで、実務経験によって得られた知見が記され
ています。
上記の引用は、飲み込んだら死ぬものについて
書かれた項での一節。
第一章の「日常にひそむ死の危険」の題名にして
は、あまりにも非日常的な胃の内容物ではないで
しょうか。
見られて困る物は、形のある状態で残さないよう
に、出来ればいいのでしょうけれどねぇ…。
「中坊林太郎」に出てきた、記憶を忘れることが
出来ない登場人物が思い浮かびました。確かそん
な人がいたように記憶しています。まあしかし、
私の記憶が正しければ、その人はその能力のせい
で、抹殺されそうになっていたはずです。
能力が高いというのも、良し悪しな部分があるよ
うです。
タイトル通り、本当にそんなことで?と思うよ
うな死因が解説されています。
特にゲップの我慢や食べ過ぎでも死んでしまうと
いうのは、意外も意外。
体に悪い我慢をしなければいけないような食事の
機会には、出来れば参加したくないものですね。
出物腫れ物所構わずともいいますし、それを許し
合える相手と、食事を楽しみたいものです。
ただ、食事中に空気を飲み込まないように食べる、
出したくなったときはその場から離れて済ませる
など、親しい相手でもそれなりに気を使いたい
ところではあります。
科学と医療の進歩で、人の寿命があまりにも長く
なって出てきた、安楽死や尊厳死についても書か
れています。
答えの出ない問題と言うか、人によって正解が
違うと言うか、難しい課題。せめて、自分が元気
なうちに、方針をお世話になるであろう人達に
言っておくだけでも、した方がいいのかなと思わ
れます。
本当に最先端科学の恩恵を受けられる人達は、
そのうち寿命を踏破してしまうのかもしれませんが。
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Posted by ブクログ
以前から読みたかった本。
ベストセラーになるのも頷ける面白さと読みやすさだった。
三面記事的な内容でかなりライト。もう少し重苦しい作風を期待してたのでちょっと物足りない。
作者の情熱や誠実さ、誇りは随所に感じられて好感が持てる。
書かれた時代を考えると致し方ないとはいえ、かなり価値観が古い。それだけ隔世の感があるにも関わらず、死に対する不思議な魅力や探究心は変わらない。
死者の人権擁護というフレーズが繰り返し出てくる。残念ながら死者に人権はないという現実は当時も同じだっただろう。孤軍奮闘に近い強い信念が感じられる。
監察医制度を全国各県にと願う思いがいまだに達成されていないのが残念でならない。 -
Posted by ブクログ
少し怖いのかと思ってたけど全然普通だった。
むしろひたすら淡々と事例紹介されてる感じで一つの話もすごく短いから読みやすいっちゃ読みやすいけど所謂小説みたいに盛り上がりとかがあるものではないから途中ちょっとだけ飽きがくる…
でもミステリでもそうだけど、死体が出る事件事故が発生した時、残された生者からの情報収集や捜査が主として書かれがちだけど当然死体の方もしっかり調べた上でだもんね。あまり書かれないだけでめちゃくちゃ重要な仕事なんだよなぁと今更ながらしみじみ。
生者は嘘をつくけど死者は嘘をつかない。故に死体の所見から事件が解決した例はただただすごいなと感心した。
私の場合だけど、検死をする医者ときいても「死体を調べる仕事」くらいにしか言葉が出ないから、本書にもあるようにもう少し認知度が広まって重要視されるようになったら真相が謎の事件事故の解決にもっと繋がるんじゃないかな。