あらすじ
青木ヶ原で白骨化した死体が語る真実、自殺死体の行方、首つり自殺の落とし穴、一酸化炭素中毒の恐怖、家族の苦渋、21世紀の検死システムなど、変死体解剖歴30数年の著者が自殺死体から読みとった事実を明かす!
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Posted by ブクログ
京大合格発表の日に淀屋橋で買って読んだ本。府立大から京大まで暇だったから・・・
美しい死に方なんて、ひとつもない
人は自然に生まれてくるのだから、死ぬときも自然でありたい
自殺死体を数多く見つめ声を聞いてきた上野先生の言葉。
Posted by ブクログ
交通事故死を上回る自殺死者数。「名所」である青木ヶ原樹海の話から始まる本書は、自殺者の無残な死に様を伝えてくれる。最後の章は自殺とは違う方向性の文章となり、少し違和感が……逆に文庫版あとがきは良かった。
Posted by ブクログ
政治が悪い、行政がだめだ、教育がなっていないなどと他人のせいにするのではなく、社会的最小単位は家庭なのだから、各家庭から一斉に出直さないと日本は立ち直れないのではないだろうか。人は無限の力を有しているのだから、やればできるのである。
Posted by ブクログ
平成15.8.25 初版 476
美しい森の中で大自然に帰るように死ぬ――という幻想が、人々を青木ヶ原に引き寄せる。しかし現実には、遺体を野ざらしにする死に方は、列車へ飛び込んだ轢死体と何ら変わりはないむごい姿をさらす。変死体解剖三十四年の経験をもつ著者が、樹海で白骨化した死体の語る真実、首つり自殺の落とし穴、一酸化中毒の恐怖、家族の苦渋など、自殺死体から読みとったメッセージを明かし、自殺大国となった日本の現状に警鐘を鳴らす!
Posted by ブクログ
これを読めば、いかに自殺したくなくなるのがよく分かります。
こんなむごたらしい死に方をするぐらいなら、死ぬ物狂いで生きた方がまし、という感じですかね。
上野さんはあくまでも自殺した死体を解剖した経験を踏まえて、自殺はいかに迷惑か、そうした社会背景などを書いて自殺を止めるよう、警鐘を鳴らす文で締めくくられています。
レビューではありきたり、と書かれていますが、死体を通しての自殺防止本はありません。
いかにむごたらしいか、じっくり読むことをおすすめします。
赤鬼の描写も、ものすごくえぐいです。グロ画像はありませんけど、描写が生々しいのです。
Posted by ブクログ
あまりに有名ですが、元監察医である法医学者のエッセイ。
例えば樹海で何か薬を呑んで眠るように……なんて考えても、
過剰服薬だけでは
なかなか死ねるもんじゃなくて(普通、呑み過ぎたら吐くよ)
意識朦朧としたまま凍死するとか、
あるいはフラフラの状態で縊死に漕ぎ着けるとか、
第二段階に到達しないと死は訪れない、ハズ。
で、そこを首尾よく超えたら乱歩の「虫」よろしく、
後はジワジワ腐敗という名の死神に蝕まれるワケで、
自殺に妙な美しい幻想など抱くべきではない、
死体は皆、無惨なもの――という一貫した主張には深く頷いた。
ただ、現場を捌く人の苦労や遺される者の悲しみを考えたら
自殺なんか出来ないだろう、いや、してはいけないのだ、
って言われると、そこは、ちょっと、ウーンと唸ってしまう。
同意見半分、同時に、
どうしても死を選ばずにいられない人の気持ちもわかる気がするので。
難しい問題です。