あらすじ
東京都の監察医として、5千体の解剖、2万体の検死にたずさわってきた。サスペンスドラマですっかり一般的になった監察医は生きている人間ではなく、亡くなった死体と向き合う。死体から様々なことを読み取るという“仕事”を通じて、逆に人の“生きてきたこと”を読み取る。変死体、殺人、事故、自殺と、死因も様々だ。退官後も多くの経験から死に至る状況を推察し、死因の特定を試みる。時には犯人の心理に迫り、遺体発見のアドバイスも求められる。決して美しくない自殺の実態から、事件の真相など、未解決事件への推理のアプローチなど、監察医の見た“事情”が綴られる。
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Posted by ブクログ
監察医の視点から見た、自殺と殺人、そして監察医に関してまとめた本です。
偽装殺人のほとんどは法医学のプロであれば見抜けるみたいですね。監察医制度がきちんとしていない地方の場合、逆に偽装殺人は簡単になってしまう可能性もあるみたいです。
何かおかしいなと思ったら、遺体の傷を確認したり、手続き上の書類が必要なのでその写しをもらうとかの防衛が必須みたいです。
日本全国にこの監察医制度を国のお金でもって、きちんとやるべきでしょうね。
数年前の本なので、今ではある程度良くなっていると信じたいものです。
Posted by ブクログ
監察医だった人のエッセイ。監察医がどうやって死因を特定していくか分かる。監察医の仕事って探偵に近いんだな。死体だけでなく血痕の向き、現場の状況、生前の環境からも情報をつかんで死因を探る。著者の推理自慢がちょっといけすかないけどすごく興味深かった。法医学に興味を持つ医学生は増えてるけど依然として死体を専門にしたがる人は増えない。当然だとは思う、私も法医に進もうとは思わないしな…でも少し考えさせられた。
Posted by ブクログ
死体と向き合う仕事というのは想像以上に大変で、それだけに、此の人の話は貴重である。
このひとは3千体も解剖(検死だったっけ?)したそうだが、
しかし、海堂あたる氏とのほとんど解剖されないとの事実と違うような気がするが、どこか誤認識があったかな。