上田秀人のレビュー一覧

  • 妾屋昼兵衛女帳面三 旦那背信

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    妾というテーマ1つ取っても、豊かな商人だけでなく大名家の存続問題や幕閣の政争の種にもなると話の広がりが出てきて期待以上に面白い。
    新左衛門と昼兵衛の信頼関係が増す中で、相変わらずの朴念仁振りも愛嬌に思えてきた。

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    2025年10月16日
  • 妾屋昼兵衛女帳面二 拝領品次第

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    江戸中期になると有力大名を弱体化される幕府の戦略が奏功し、各大名が商人への借金に苦しんでいる中で、返済に不安を持つ商人は神君 家康公からの拝領品を担保に取る。うーん、史実化は知りませんがいかにもありそうな話です。
    そして、幕閣は更に有力外様への支配力を高めるために隠密にその担保を盗む指示を出し、それに対抗するは新たに山城屋が斡旋する用心棒となった新左衛門。
    妾屋に続いて妾屋番というビジネスが登場しましたが、これまたさもありなんという感じで面白い。
    朴念仁の新左衛門と八重の関係がこの先発展するかも目が離せません。

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    2025年09月30日
  • 遺恨(いこん)の譜(ふ) 決定版~勘定吟味役異聞(七)~

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    柳沢吉保が亡くなり、いよいよこのシリーズも大詰めが近づいている。
    吉宗の八代就任は既定の史実なので、この後最終巻ではどのような裏事情が描かれるのか。
    そして、何やら更に強くなってきた聡四郎の次のステップがどう導かれるのか、紅との婚儀は、など興味が尽きません。

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    2025年09月09日
  • 暁光(ぎょうこう)の断 決定版~勘定吟味役異聞(六)~

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    幕府の権力者の胸中には病弱で幼少の家継より八代将軍に誰がなるかが大きく占めてきた中、結果が分かっているものの吉宗の質実な性格は日本の行く上に対して諸刃の剣として描かれている。
    そんな中、新井白石はだんだん中途半端な存在に成り下がり、聡四郎は紅との婚約が内々に交わされ、剣の腕は格段の向上を見せるもののなにか致命的な欠点があるそうで、何かと見逃せない。

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    2025年08月31日
  • 相剋(そうこく)の渦(うず) 決定版~勘定吟味役異聞(四)~

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    柳沢吉保が隠居後もこれほどの力を持っていたとは初耳ですが、紀国屋文左衛門と並んで己の欲と楽しみのために多くの人の人生を弄ぶ輩は許し難い。
    という気持ちを散々持たされて、あとでスッキリさせてくれるのだろうか。
    入江無手斎が鬼伝斎との江戸における初対決であれほどなす術もなく遅れをとったのは、最終決戦までに覚悟を決め直す前振りでありますように。

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    2025年08月13日
  • 秋霜(しゅうそう)の撃 決定版~勘定吟味役異聞(三)~

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    一般的な時代小説の中では非常に堂々とした存在である御三家や幕閣が、本シリーズでは何とも情けない権力になびく風見鶏のように描かれているところが面白い。
    それは主に庶民や下級武士の目線であるか、権力のある武士階級や豪商目線かの違いだろうか。
    しかし聡四郎はこの時代の武士とは思えないくらい、真剣勝負の連続ですね。

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    2025年07月30日
  • 新参 百万石の留守居役(三)

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    若き留守居役・瀬能数馬が、いよいよ本格的に始動する第三巻。異例の抜擢を受けた新参者として、江戸の政界で駆け引きや処世術を身につけながら成長していく様が実に面白い。幕閣内部の権力争いや、宴席での微妙な心理戦が緊張感とともに描かれ、読む手が止まらない。クセのある登場人物たちとの絡みも魅力的で、展開の遅さを感じさせない濃密な人間模様が堪能できる。次巻を強く意識させる終わり方も巧みで、シリーズの転機となる一冊。面白かった。

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    2025年06月21日
  • 要訣 百万石の留守居役(十七)

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    期待よりあっけない終わり方だったな。
    せめて本気で怒った琴さんが御三家にどこまできついお仕置きをするが見てみたかった。
    とは言うものの、とても面白いシリーズでした。

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    2025年06月19日
  • 乱麻 百万石の留守居役(十六)

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    もはや百万石の筆頭家老または堂々たる隠密というタイトルにするべき展開になったままですが、泰平の世が続いた結果として無駄な慣習や前例に権威を持たせることでしか己の立場を保持できない幕府内の情けない現状に真っ向から正論で論破する本多翁が格好いいの一言に尽きる。

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    2025年06月11日
  • 布石 百万石の留守居役(十五)

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    福井藩公の詫び状を何の駆け引きもせずに綱吉に差し出した本多翁。吉原でも格別の扱いといい、他藩や老中をいとも簡単に転がす手腕といい、まさに自由自在の駆け引き上手は向かうところ敵なしです。
    それに必死について行く数馬の真面目さも好感が持てる。
    最後の最後で登場した紀州藩からのとんでもない申し入れに、果たして本多父子はどう対処するのか見ものです。

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    2025年06月07日
  • 愚劣 百万石の留守居役(十四)

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    藩の重役だけでなく若い藩主自らも唆されて加賀藩に対して大失態を犯した福井藩は、その後の対応も気の毒なぐらいダメなこと続きで、ますます本多家に付け入る隙を与えるばかり。
    対して本多家は何と吉原とも最強の絆を持っている事がわかり、その力の恐ろしさは増すばかり。
    いやあ、面白い。

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    2025年06月07日
  • 舌戦 百万石の留守居役(十三)

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    江戸城の評定場におけるお捌きも、若き天皇との対面も知力と胆力で難なく乗り切る本多翁の恐ろしさをまざまざと見せつけられた一切でした。
    琴姫や佐奈もすごく手強く、かつ魅力的ですが、まだまだ堂々たる隠密には敵いません。
    そんな中で数馬が順調に成長していく姿が好ましい。

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    2025年06月01日
  • 分断 百万石の留守居役(十二)

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    展開に若干のまどろっこしさはあるものの、動き始めた本多翁の迫力は恐ろしくて良い。
    情けない引き立て役の横山家もこれで終わりかな。
    サイドストーリーながら佐奈ひ惹かれる四郎が妙に可愛く思える。

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    2025年05月31日
  • 因果 百万石の留守居役(九)

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    参勤交代道中や国元できな臭い動きが活発化している中、数馬の成長が藩首脳の期待値を上回ってきているのが嬉しいけれど、琴姫には全く及ばずに振り回されているところも微笑ましい。しかしながら仮祝言の後にめでたく結ばれた2人は、この先共に江戸へ出て活躍するのだろうか。そうすると、佐奈さんの妾としての存在はあくまで対外的なものに限定されるのかなど、興味尽きない。
    ただ、小沢はもう少ししぶとく立ち回ると思っていたんだけどな。

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    2025年05月22日
  • 参勤 百万石の留守居役(八)

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    参勤交代を前に老中と前田公が会談し、小沢が遂に放逐になる?
    参勤道中でも留守居役の仕事はいろいろあって面白い。
    それにしても新武田二十四将を語る輩といい、前田公の継室を狙う小藩の家臣達といあ、悪役が不甲斐ない。

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    2025年05月11日
  • 使者 百万石の留守居役(六)

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    ここにきて、幕臣や各藩の駆け引きが盛んになり俄然面白くなってきた。
    加賀忍びのなんとも魅力的なことか。

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    2025年04月13日
  • 密約 百万石の留守居役(五)

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    本シリーズで語られている留守居役の行動がどれほど当時の事実に近いのか分かりませんが、なるほど参勤交代で財力を削られるだけでなく、藩同士が牽制し足を引っ張り合うことに執心したお陰でそれぞれがどんどん弱体化して徳川安定に繋がったんだなと思います。
    これで幕臣にもっと外交まで考えられる人材がいたら、今とはちがう日本になっていたのかも。

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    2025年03月28日
  • 布武の果て

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    2025.03.16
    なぜ本能寺の変は起こったのかという問いに上田流の回答を出した一冊。
    本書の視点からは豊臣秀吉の登場機会が少なくなるなあと感じた。
    「権」に魅入られると人はやはり傲岸になるものなのだろうとも思う。

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    2025年03月16日
  • 新参 百万石の留守居役(三)

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    第3巻でようやくタイトルになっている留守居役の役割が少しずつ見えてきた。
    どこまでがリアリティなのか分かりませんが、幕府や朝廷、他の大名との交渉窓口としての存在は興味深い。
    これまでこのようにメインで取り上げた作品を読んだことがなかったので、かなり面白くなってきました。

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    2024年12月07日
  • 新陰の大河 上泉信綱伝

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    ネタバレ

    上泉伊勢守信綱(作中では武蔵守)伝を未来の代が
    ドラマ原作にするという意欲作(作者の真意を代弁)
    山内上杉家の凋落で長野業政が管領家守護を諦める
    業政は苦悩の末に家臣信綱の兵法が神の領域に近づ
    くため、長野家の滅びに巻き込まれない、夢を追え
    と自由の身にさせた
    本書は第一部、武田信玄・塚原卜伝などとこれから
    も多くの著名人と関わりながら剣の道を追求するの
    だろう(1冊で終わると思ってた)

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    2024年11月12日