あらすじ
永禄11年、織田信長が足利義昭を奉じて上洛する。貿易による富で自治を貫く堺の納屋衆、中でも今井宗久、千宗易、津田宗及は天下の趨勢を見定めようとしていた。納屋衆内では、新興勢力である信長に賭けることに反対の声もあがったが、次第にその実力を認めていく。一方、今井、千、津田は信長から茶堂衆に任じられ、茶の席で武将たちの情勢を探り、鉄炮や硝石の手配を一手に握るようになっていた。天正8年、石山本願寺を降伏させることに成功した信長の天下は、目前に迫っていた。しかし、徳川家康の腹心で一向宗徒の本多弥八郎が怪しい動きを見せはじめ・・・・・・。茶室を舞台に繰り広げられる、圧巻の戦国交渉小説!
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Posted by ブクログ
戦国時代の堺の商人が主人公。鉄砲を中心とした兵站から世の流れを分析しているのが新鮮。経済の重要性への理解と京都の統治方法の違いにより、信長を次の天下人と見定め、取り入っていく様も面白い。彼らの他の戦国大名たちの評価も痛烈。最後に信長の野望を家康と語り合うシーンにも恐ろしいものがある。
Posted by ブクログ
2025.03.16
なぜ本能寺の変は起こったのかという問いに上田流の回答を出した一冊。
本書の視点からは豊臣秀吉の登場機会が少なくなるなあと感じた。
「権」に魅入られると人はやはり傲岸になるものなのだろうとも思う。
Posted by ブクログ
『布武の果て』(上田秀人)において、本多弥八郎(本多正信)は、徳川家康の腹心でありながら一向宗徒という立場から出奔、だが家康への帰参をすべく一向宗徒なりの本願寺誘導策により家康の滅びへのシナリオ回避という切り札で帰参、共に滅びが予見される堺衆を巻き込み織田信長の天下統一を阻止し、信長の「布武の果て」(天下布武の完成)を迎えさせないという陰謀の主体である
作中での彼の主な企み・行動の核心は以下の通り
①表向きは家康の家臣として忠実に振る舞いつつ、信長の権力集中と驕りに対して強い不満を抱くグループを操り(五月雨的な群発謀反を誘導?)、信長滅亡により家康(他不満グループ)の存続を狙う
②茶室を舞台にした情報戦・交渉の中で、信長包囲網の再構築や、信長の致命的な隙を作り出す
③最終的に本能寺の変へと繋がる「驚くべき真相」の重要な鍵を握っており、明智光秀の謀反を(直接的または間接的に)誘発・後押しする形で信長を討つ流れを裏で操る/支える役割を担っている(かもしれん)
この壮大な陰謀が本多自身の立ち振る舞いの為でしかなく、都合よく危険を誇大に煽る妄想じゃないか?というツッコミも思わなくもない、来るか分からない危険の為に人生を棒に振るのかw