上田秀人のレビュー一覧

  • 召抱 奥右筆秘帳(九)

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    何と、寛永寺を巻き込んで鷹狩りにて家斉と治済の相打ちを企んだという、たぶん史実にも無い大胆な事件により松平定信が完全に失脚した。
    そしてここでも活躍した衛吾は家斉からも立花家の婿と認められてたので、今度こそ無事に婚姻なるか。

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    2026年02月02日
  • 隠密 奥右筆秘帳(七)

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    ついに衛吾を瑞紀の婿にする意思を告げた併右衛門。将軍家だけでなく朝廷の思惑にまで巻き込まれた奥右筆組頭としては、余燼をもって変え難い護衛と一連托生を決意したようです。
    それにしても相変わらず松平定信な中途半端な切れ者として描かれているのが気の毒です。

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    2026年01月26日
  • 秘闘 奥右筆秘帳(六)

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    家基の死の真相は想像を超えていました。
    それにしても松平定信は、家斉への忠誠と変革の手腕は素晴らしいけれど、人を心が分からないという大きな欠点のある人物として描かれており、何となく持っていた印象に近いです。
    併右衛門と衛吾コンビを次に襲うのは、再び定信か、それとも治済か。そして瑞紀との縁談はいよいよ成立するのか。

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    2026年01月24日
  • 簒奪 奥右筆秘帳(五)

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    話の中心が御三家および御三卿による将軍の座を巡る攻防に絞られてきたけれど、泰平が続いた弊害かいかんせん刺客が実戦知らずの井の中の蛙であり、一方で冥府防人が強過ぎて緊張感がない。
    そんな中、衛吾の養子話もどうせまとまらないだろうという気配がぷんぷん漂ってくるので、そろそろ立花も踏ん切りをつけて欲しいところです。

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    2026年01月12日
  • 継承 奥右筆秘帳(四)

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    真剣勝負の心得をことある度に繰り返すのは少々くどいけれど、それを除けば文句なしに面白い。
    治済の野望が成就しないことは史実として決まっているのですが、そこまでの過程で松平定信や老中達との政争がどうやって決着するのか目が離せません。

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    2026年01月03日
  • 侵蝕 奥右筆秘帳(三)

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    ちょうど大河ドラマでも家斉の時代が舞台になっており、一橋卿(治済)がややこしい人として登場するので、本書の場面を想像しやすい。
    本当に暗殺未遂があったのかは知りませんが、家斉の意外な優秀さがとても面白い。
    お庭版対冥府防人の攻防の行方はいかに。

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    2025年12月27日
  • 軍師の挑戦 上田秀人初期作品集

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    上田秀人氏の初期短編集。氏のデビュー前の作品もあると言う。歴史ミステリーとも言ったところ。
    歴史の真実とか、闇に葬られた敗者の歴史など、いろいろな観点で楽しめるのが、歴史小説の面白いところであるが、事実であるかは問題ではなく、ひとつの着眼点から、推理していく楽しさがある。
    身代わり吉右衛門、裏切りの真など、まさに力作ぞろい。さすがである。

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    2025年12月19日
  • 国禁 奥右筆秘帳(二)

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    登場人物の構成は典型的な上田作品を踏襲しているのに飽きさせないのは、各シリーズで取り扱う政争のネタが史実として知っているだけの出来事に背景の肉付けをしているところも一因かも。
    そして相変わらず善悪の区別が一筋縄ではいかない権力者たちの権謀術数も面白い。
    ここで一気に瑞紀さんとの距離が縮まると思わせといて、なかなかそうはならないのもいつものパターンでしょう。

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    2025年12月13日
  • 密封 奥右筆秘帳(一)

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    新しいシリーズの幕開け。
    直前まで読んでいた妾屋シリーズと同じく家斉が子作り以外になることがない将軍として登場しており、上田氏は家斉の不自由さが愛おしいように感じます。
    さて本題の奥右筆ですが、今のところまだ導入部で勘定吟味役シリーズと似たような雰囲気を感じます。この役名ならではの見所はゆくゆく出てくるのかな?

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    2025年12月06日
  • 継ぐ者

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    2025.11.30
    著者の逝去が改めて残念。本作のテーマは、ワタシは親離れ、子離れとして読んだ。孝行、親心といった気持ちを母と息子はどう折り合いをつけて生きればよかったのだろうか。

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    2025年11月30日
  • 妾屋昼兵衛女帳面七 色里攻防

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    まさかあんなに稚拙な作戦で山城屋が燃えてしまうとは予想外でした。新左衛門と八重さんがようやく気持ちを確かめあったので、後は最終巻で物語全体をどのように締め括るがですね。

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    2025年11月27日
  • 妾屋昼兵衛女帳面五 寵姫裏表

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    強力な用心棒たちに後押しされたのか、シリーズが進むにつれて昼兵衛の矜持が進化している気がします。
    時代小説には珍しい家斉の人間味ある言動も魅力的です。

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    2025年11月12日
  • 妾屋昼兵衛女帳面四 女城暗闘

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    八重さんが将軍側室の子を刺客の手から守るために、林出羽守の依頼によって大奥に入る。
    あくまでフィクションながら、権力と女の嫉妬が渦巻く大奥ならあり得そうで怖い。入って数日で既に大活躍を見せる八重さんだけに、一巻では収まりきらず次巻まで続くようです。
    しかし小番組とはおかしくも恐ろしい荒技があったものですね。確かにこれをやられると効きそうです。

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    2025年11月02日
  • 妾屋昼兵衛女帳面三 旦那背信

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    妾というテーマ1つ取っても、豊かな商人だけでなく大名家の存続問題や幕閣の政争の種にもなると話の広がりが出てきて期待以上に面白い。
    新左衛門と昼兵衛の信頼関係が増す中で、相変わらずの朴念仁振りも愛嬌に思えてきた。

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    2025年10月16日
  • 妾屋昼兵衛女帳面二 拝領品次第

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    江戸中期になると有力大名を弱体化される幕府の戦略が奏功し、各大名が商人への借金に苦しんでいる中で、返済に不安を持つ商人は神君 家康公からの拝領品を担保に取る。うーん、史実化は知りませんがいかにもありそうな話です。
    そして、幕閣は更に有力外様への支配力を高めるために隠密にその担保を盗む指示を出し、それに対抗するは新たに山城屋が斡旋する用心棒となった新左衛門。
    妾屋に続いて妾屋番というビジネスが登場しましたが、これまたさもありなんという感じで面白い。
    朴念仁の新左衛門と八重の関係がこの先発展するかも目が離せません。

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    2025年09月30日
  • 遺恨(いこん)の譜(ふ) 決定版~勘定吟味役異聞(七)~

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    柳沢吉保が亡くなり、いよいよこのシリーズも大詰めが近づいている。
    吉宗の八代就任は既定の史実なので、この後最終巻ではどのような裏事情が描かれるのか。
    そして、何やら更に強くなってきた聡四郎の次のステップがどう導かれるのか、紅との婚儀は、など興味が尽きません。

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    2025年09月09日
  • 暁光(ぎょうこう)の断 決定版~勘定吟味役異聞(六)~

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    幕府の権力者の胸中には病弱で幼少の家継より八代将軍に誰がなるかが大きく占めてきた中、結果が分かっているものの吉宗の質実な性格は日本の行く上に対して諸刃の剣として描かれている。
    そんな中、新井白石はだんだん中途半端な存在に成り下がり、聡四郎は紅との婚約が内々に交わされ、剣の腕は格段の向上を見せるもののなにか致命的な欠点があるそうで、何かと見逃せない。

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    2025年08月31日
  • 相剋(そうこく)の渦(うず) 決定版~勘定吟味役異聞(四)~

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    柳沢吉保が隠居後もこれほどの力を持っていたとは初耳ですが、紀国屋文左衛門と並んで己の欲と楽しみのために多くの人の人生を弄ぶ輩は許し難い。
    という気持ちを散々持たされて、あとでスッキリさせてくれるのだろうか。
    入江無手斎が鬼伝斎との江戸における初対決であれほどなす術もなく遅れをとったのは、最終決戦までに覚悟を決め直す前振りでありますように。

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    2025年08月13日
  • 秋霜(しゅうそう)の撃 決定版~勘定吟味役異聞(三)~

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    一般的な時代小説の中では非常に堂々とした存在である御三家や幕閣が、本シリーズでは何とも情けない権力になびく風見鶏のように描かれているところが面白い。
    それは主に庶民や下級武士の目線であるか、権力のある武士階級や豪商目線かの違いだろうか。
    しかし聡四郎はこの時代の武士とは思えないくらい、真剣勝負の連続ですね。

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    2025年07月30日
  • 新参 百万石の留守居役(三)

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    若き留守居役・瀬能数馬が、いよいよ本格的に始動する第三巻。異例の抜擢を受けた新参者として、江戸の政界で駆け引きや処世術を身につけながら成長していく様が実に面白い。幕閣内部の権力争いや、宴席での微妙な心理戦が緊張感とともに描かれ、読む手が止まらない。クセのある登場人物たちとの絡みも魅力的で、展開の遅さを感じさせない濃密な人間模様が堪能できる。次巻を強く意識させる終わり方も巧みで、シリーズの転機となる一冊。面白かった。

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    2025年06月21日