【感想・ネタバレ】布石 百万石の留守居役(十五)のレビュー

あらすじ

加賀百万石の留守居役・瀬能数馬は岳父の宿老・本多政長から薫陶を受ける。各藩留守居役との駆け引きを描く好評書下ろしシリーズは、第十五巻目。
加賀藩邸の不祥事を咎める評定所に臨む為、江戸に向かった百万石の筆頭宿老・本多政長。神君家康の懐刀と言われた本多正信の血筋の登場に評定所の面々は圧倒された。陪臣の矜持を保ちつつ、政長は将軍綱吉との謁見を乗り切った。将軍と政長との間で交わされた話の内容が漏れてこないため、それを探る各藩の留守居役との交渉をめぐり、数馬の周囲は騒然となる。なおも江戸に留まる政長に随伴する数馬は、本多家と吉原の累代からの関わりに驚嘆する。宿老不在の加賀に、越前福井松平家の国家老次席が訪ねてきた。藩主の綱昌が、騒動時に書かされた「詫び状」の返還も強く求めてきた。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

本作品登場人物の出自が特殊
加賀前田家に徳川家康の懐刀である本多正信が筆頭家老として収まる経緯は興味深い(3大名渡り歩くが全て潰されている・・・幕府からの堂々たる隠密と呼ばれる存在
主人公の瀬能数馬は前田家に嫁入りする徳川秀忠の娘「珠姫」についてきた元旗本の孫(加賀ではよそ者)

五代藩主が将軍跡継ぎなる策略に巻き込まれ、老練な本多政長が対抗策を繰り出す
その手駒に選ばれたのが政長の娘琴姫が惚れた瀬能
外交官たる留守居役にばってきされるが、新人に有る全体が見えないが故のミスをしのぎながら成長の過程で、敵が浮き彫りに・・・ロジカル時代小説健在

この15巻で更に物語に引き込まれるが、作者がこれほど長いシリーズを書き続けるわけもないので、急展開が待っているかなと予想も楽しめる

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2020年10月05日

Posted by ブクログ

福井藩公の詫び状を何の駆け引きもせずに綱吉に差し出した本多翁。吉原でも格別の扱いといい、他藩や老中をいとも簡単に転がす手腕といい、まさに自由自在の駆け引き上手は向かうところ敵なしです。
それに必死について行く数馬の真面目さも好感が持てる。
最後の最後で登場した紀州藩からのとんでもない申し入れに、果たして本多父子はどう対処するのか見ものです。

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

シリーズ第十五弾。

越前福井松平家藩主・綱昌が書かされた“詫び状”を巡って、金沢では本多主殿(息子)、江戸では本多政長(父)がそれぞれ越前松平家を翻弄。
本多父子の策略家っぷりも大したものですが、何にせよ、越前福井藩に人材がいなさすぎますね。藩主を筆頭に皆が愚策を繰り返している感じです。それで自分達が対処できないのを“恨み”に変換してしまうので、今後また本多翁や数馬が狙われ続けるのでしょう。越前福井藩の元留守居役・須郷が逃亡してしまったのも気になります。
そして、ラストで紀州家の留守居役が爆弾発言。読者が「!!」となった状態で次巻へ続く・・と。どうする、どうなる!?

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2020年08月21日

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