池田香代子のレビュー一覧
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下巻も上巻同様とても楽しく読むことができます
哲学や人類の歴史を振り返りながら飽きることなく学べます
簡単な言葉でとてもわかりやすく書かれているので、大人から子どもまで幅広く対象となる作品です
哲学に限らず精神分析学についても触れられている箇所があり、哲学と精神医学に繋がりを感じることができます
見えないものを学問的に見ようとする部分は似ていますよね
終盤はものすごくファンタジーです
好みが分かれそうですが、私はとても好きな世界観です
とにかく哲学の歴史を知りたい!基礎的な知識を得たい!という人は、本作を手に取れば間違いないでしょう
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いま、ふたたび自分の存在を問い直すときがきた
14歳の少女ソフィーのもとに見知らぬ人物から届いた手紙。そこにはたった1行「あなたはだれ?」とだけ書かれていた……。
本書が発行された1995年、日本では阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件が相次いで発生し、人々は命の価値と自らの存在意義を模索した。そしていま、未曾有の災害が日本を襲った。「哲学」は私たちの生きる道を照らすためにある。
世界50か国1500万人超が読んだ名作が、著者の新たなメッセージを加えて再登場! -
Posted by ブクログ
ネタバレもう3年近くも前になるのか…
旧統一教会の解散命令が昨日出されたとのことですが、
この事件についてきちんと読んでおらず、今さらながら正直かなり衝撃的というか、心がかなり痛む。
とくに、山上被告の生々しいツイートを直に読むと普通に涙出そうだし、ちょっと時間が止まる感じがする。
この本は、事件が起こってから数週間後にYouTubeでも配信された五野井郁夫さんと池田香代子さんお二方の対談(五野井さんへのインタビューという形)を加筆修正したものがメインになっていますが、
山上被告本人のツイートや生い立ちを読み解き名から、犯行に至るまでのや社会構造について議論されています。
プロローグの章だけでも、引用されているツイートを知ると本当に悲痛で、読むことからの一人の人間について知ることの責任も感じながらもなんとか読まないといけないという思いが生まれただ読んだ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ洒落たまえがきにはじまり、
職人技のような流麗たる筆で語り尽くすラスト、そしてまた飄々としたあとがきで終わる なんともケストナーさんな1冊でした。
ご両親の生まれから 出会い ドレスデンのかつての美しさ。
ケストナーが生まれてからは まるでエーミールと探偵そのままで、下宿人の先生のことなんて懐かしいとさえ感じてしまいました。
でもやっぱりお母さま。
それはそれはやり手なお母さんですが
しっかりと悩みを抱えていました。
クリスマスの贈り物を父と母それぞれが競うように用意していたのを感じ取ってしまう繊細な少年ケストナーには、
何度も母を探し歩く不安な日々がありました。橋の上で川の流れを見つめる母を見つけるまた小さな男の子の姿は、今はもうどちらの気持ちもわかる歳になった読者を泣かせます。
_彼女は完全な母親になろうと思い、そうなったのだから、彼女の賭け札であるわたしにとっても疑いの余地はなかった。つまり、わたしは完全なむすこにならねばならなかったのだ_
つらい…
エキセントリックなフランツおじさんや小学校のレーマン先生とのロッククライミングなどなど ほんとに鮮やかに子ども時代が描かれますが、
1914年の8月 休暇先から満員の汽車に乗ってドレスデンへ帰る人々。
_世界戦争がはじまった。わたしの子ども時代はおわった。_
この悲しみを含んだ鋼のような言葉の後に
おわりのあとがきがあります。
正直私はここが1番好き
猫たちとのたのしい会話で このおはなしに書いたことと書かなかったことを照れくさそうに言い訳しているというか
羊飼いの少年の靴下が下がりそうなことを心配しつつ 飄々とサヨナラするなんて
やはりマエストロでした。 -
Posted by ブクログ
今、「自分自身で考えて導き出した/確立したこと」だと思っている知恵や思想や価値観が、実は2000年前から脈々と受け継がれ形成されたものに過ぎないということを、壮大な哲学史をめぐるソフィーとアルベルトとの会話を通して思い知らされる作品です。
また哲学史を社会的背景とともに俯瞰することで、社会上「当たり前」と思っていることが、実はわずかこの100〜200年の間に生まれたものに過ぎない、といったことにも気づかせてくれます。こうして今の時代や常識を相対化して捉えることは、つい短期的な論点に縮こまりやすい私たちにとってとても大切な視点だと感じました。
それにしても、イギリス経験主義者について語り合う終盤に、14歳のソフィーが「もしもわたしが自分で哲学をつくるとしたら、おおごとなの。だって、今までに聞いたどの哲学ともちがっている」と、その後に語り出したことには、鳥肌が立ちました。いくつであっても、自分なりに哲学をすることはできるんだよと、そう言われたような気がします。子どもにも中学生になる頃におすすめしようと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりの再読。
双子が入れ替わるという話は、今では陳腐ですらあるのだが、この時はすごいアイデアだったのだと思う。
大人になって読むと、こんなことあるはずがないと思ってしまうが、ケストナーもそれは重々承知なのである。双子は出会わず、元夫婦が再び夫婦に戻ることもまずない。双子はそれぞれ孤独を抱えて育ち、父はイレーネと再婚するのがリアルだ。しかしあえてそうしなかった。それは読者である子どもが「こうなってほしい」と考える結末を裏切りたくないという気持ちと、(書かれた時代を考えれば)敗戦、ナチス支配という負の歴史に叩きのめされたドイツ人に希望を取り戻してほしいという思いであったろうと思う。そこのところを訳者があとがきでもやさしい言葉で書いている。
必要以上に会話や心情を描くことなく、ちょっとした行動や言葉から登場人物の人となりが伝わり、物語が動くところなど、ケストナーの上手さも堪能できる。
母は娘に頼り過ぎていたこと、娘に大人びたふるまいをさせていたことに気づき、父は娘をほったらかしにしていたこと、家族は自分の仕事に邪魔になる存在なのではなく、仕事の活力になる存在だということに気づく。ここらあたりは現代の親が読んでもはっとさせられるのではないかと思う。
時代的に仕方ないが、ミュンヘンで編集者をしていた母が再婚してウィーンに来てから、仕事のことが語られないこと。夫はウィーンフィルの常任指揮者兼作曲家なのだから、戦後すぐなら仕事をやめて専業主婦っていうのは自然なのだろうが、現代なら仕事を続けるのではないだろうか。ここはちょっと残念な気がする。
トリアーの絵は大好きだが、今のイラストレーターのように主人公を魅力的に描こうという気持ちはあまりなく、双子の可愛い絵は意外と少ない。父パルフィー氏ももう少しかっこよく描いてもよかったんじゃないかと思うし、アンニ・ハーバーゼッツァーは怖すぎる。(しかも絵が大きい。)
でも、イラストレーターが「魅せる」ことに注意を払わなくていい時代もあったという歴史の証言ではある。 -
Posted by ブクログ
先日、観劇に劇団四季を訪れたところ、劇団四季「ふたりのロッテ」のポスターが!
わぁ、懐かしいと思いながらも詳細を全く思い出せなかったので再読。
児童書は私のインターバルとして、とてもいい仕事をしてくれる。
ケストナーはうまく表現できない子どもの気持ちを代弁するのがほんとに上手いなぁ…
訳者の池田香代子さんがあとがきで「おとながときどきケストナーを読んでひやりとするのは、とてもいいことです。」
と書いていらっしゃるように、ケストナー作品を読むと子どもも大人以上にいろんなことを感じたり傷ついていることを忘れないようにしなければと思う。
我が子達は、特に海外の古典的な児童書は物語の背景が想像できないようでとても苦手。
写真は写真館でしかとれず、手紙でしかコミュニケーションが取れない…だから写真や手紙が貴重で、待つことの楽しみもある。
そんな時代は現代っ子にはわからないよな…
でもだからこそ、そういう時代の友情の緊張感みたいなものを物語から感じとってほしいな…と思う。
夏休みももうすぐ終わってしまうけれど、大人にも子どもにも夏休みにオススメの一冊。