池田香代子のレビュー一覧
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恥ずかしながら読むまで小説だと思っていた。
強制収容所で過ごした心理学者の体験記。
非常に酷い辛い状況で目を背けたくなるが、本書の主題はそこではなく、苦しい状況の中で人間はどう変化するのか?どう在ることができるのか?という人間性に迫る点だった。
数多あるノンフィクションの中で、ここまで「人間を人間たらしめること」という生きる本質に迫るものは中々ないのではないかという気がする。
ノンフィクションやルポルタージュはある事件や組織の取材を通して一つのテーマに光を当てるものが多い。しかし、ここまで人間の本質の真ん中を「実体験」として描く作品となったのは、やはり極限状態の中で独自の眼差しを持ち続けた -
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何度目かわからないけれど、再読。バングラディッシュのダッカに来て、ストリートチルドレンと交流した直後に読むと、この内容が、刺さる、刺さる。。世界が、もし100人の村だったら、私はたった1人の。大学を出た人間なんだ。私はたったひとりの、お金を持った人間なんだ
世界がもし100人の村だったら、20人が栄養が充分ではなく、1人が死にそうで、15人が太っている。世界が、もし100人の村だったら、17人の人が綺麗な水を飲むことができない。
その綺麗な水を飲むことができない女性たちと子供たちと私は会って話をして、彼女たちの屈託のない天使のような笑顔に、そして彼女たちからの無償の愛に、涙を流した。ものに囲ま -
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ネタバレ自分が評価をすること自体おこがましいと感じますが、★5とすることで最大限の敬意を表したいと思います。
これが人間ができる所業なのかと(読後にはフランクル氏の言葉に納得させられました)、理不尽という言葉ではとても片付けられない惨状に、苦しくなり涙が止まらなくなることもありながら、それでも向き合いたいと、自分が何を得られるのか?という思いで読みすすめました。
読後数日経ちますが、まだ言葉にすることのできない感情が多いです
自分の知っている言葉で表すことで、そこで止まってしまうような気もするからです
非人道的な扱いをうける中の極限状態でも仲間を想う心に深く感動し、高潔な魂や人間の可能性に感銘 -
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ネタバレ・P109「精神の自由」「運命ー賜物」
極限的な生存環境下では、感情がすり減り、精神が減退し、原始的な「生き延びる」という欲求しか残されない。では人間の魂は結局、偶発的に与えられた環境条件や制約に依るしかないのか。
筆者は必ずしもそうではないと言う。被収容者の中にも思いやりを持ち続けた者がいた。この経験を挙げながら、人間はそれぞれ、このような状況下でも自らの尊厳を守るかどうか、決断を下せるのだと説く。
収容所で人間の内なる自由を手放さず、振る舞いや苦しみや死によって示した人々は、ドストエフスキーの言う「苦悩に値する」人間として生きた結果、その生に意義を与えた。
「まっとうに苦しむことは、それ -
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やっとこの作品と向き合う気持ちが出来たので、ゆっくりと読ませていただいた。
ユダヤ人収容所での苛烈極まる日々を描いた作品。
1.ユーモアは自分を失わない為の魂武器である。
ほんの数秒間でも周囲から距離を取り状況に打ちひしがれないために人間という存在に備わっているなにか。
震災の後、お笑いを届けに行く芸人さんの苦悩に寄り添える言葉だと思う
2.強制収容所に人間を入れて全てを奪う事が出来るがたった一つ与えられた環境で、いかに振る舞うかという人間としての最後の自由だけは奪えない。
全てを数字で管理され徹底的に自己を奪われたなか、本当のアイデンティティとは何かを見出した一文。頭が下がる思い -
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「どんな状況、環境においても人の心だけは、犯せないこと。人間は常に決定する(できる)存在であること」「なぜ生きるかを知っている者は、どこように生きることにも耐える」「愛は人が人として到達できる究極にして最高なもの」
→愛する人(モノ)を想い、終わりや未来を描き、主体的に行動すること。極限状態を経験した著者から学んだ原則。7つの習慣ともあいます。
-生きることにおいて、苦しみや死でさえ、生きる意味として受け入れる。-
→著者のような極限状態を経験してない私にはまだ理解できないけども、人生を通して上記境地に辿り着きたい。
本書は私の人生におけるバイブルです。 -
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年末年始休暇のため、ずっと読もうと思っていたこの本を手に取った。
思っていたよりも読みやすい文体だったのと、内容が凄惨で一気に読み進めてしまった。
最初のほうで、ずるい人ほど生き残る、と書かれていた一方で、後半は希望を持った人が生き残る、と書いてあったので、その整合性がまだ理解出来ていない。
生きる意味を問うのではなく、生きる意味を問われているのでそれを行動で答える、というのは確かに世界のあらゆる書籍の中でも名著と評されるにしかるべきものだなと思った。
アウシュビッツそれ自体についても人類の大いなる大罪だと思うので
別の機会にまた考えたいのだけど、
自分の今の日常への示唆という観点では、 -
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精神科医であるヴィクトール・フランクルが、ナチス強制収容所での生活を冷静に記録し、収容所の人々が何に希望を見出し生き抜こうとしたかを克明に記した本。
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どのような外的環境にあっても、自分が自分である為に(内的環境を統一する為に)は唯一性が大切であり、その唯一性は何かに対する責任感から生じるそう。収容所で極限状態を経験している筆者の言葉は深く印象に残った。
(唯一性:自分にしかできない仕事がある、自分にしか守れない大切な家族がいるなど)
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ただ、唯一性を他者に対する責任として持つ時には、他者が「生きている」ことを前提として考えてしまうという大きなリスクを孕んでいると思った。
愛する家族への責 -
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強制収容所での経験を心理学の立場から解明しようと書かれた本。元被収容者の特異で心理学的に見てまったく新しい人生観への理解を助けることが眼目だという。
被収容者の心の反応は三段階、つまり収容される段階、まさに収容所生活そのものの段階、そして出所ないし開放の段階に分類されるが、第一段階は収容ショックが自身の体験と共に語られる。恩赦妄想、つまり助かるのではないかと言う幻想は見ぐるみをはがされ鞭で打たれる中で潰えていく一方で裸の体以外に失うものはないという、やけくそのユーモアが込み上げる。
収容ショックにある者にとって、出口のない死の危険と隣り合わせの状況におけるさまざまな"選別&q -
Posted by ブクログ
精神科医である著者が、アウシュヴィッツを含む4つの強制収容所での体験に基づき、極限状態における人間の心の動きを冷静かつ温かい眼差しで観察した、心の解剖図のような名著。
壮絶すぎて辛い……。いつかまた読み返すべきだが、足がすくむ。
蹂躙され続けた個人の主体性を取り戻すための「魂の叫び」として実存主義が受容された歴史的背景には感嘆した。だが同時に、この背景を無視して、平時の現代に安易に実存主義を一般化してしまうのは、一種の「暴力」ではないかとも感じた。未来を奪われた「暫定的存在」たちが、いかにして幻影に逃げ込まずに立っていられたかという血を吐くような記録が、100%の資本主義・生産性至上主義によ -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本に自分がレビューを残すべきなのか、みたいな気持ちにさせられる。私が変に言葉にしたり、おすすめとして共有したりするべき本ではないような。未熟な語彙でこの体験記を美単風に消化しちゃうのが怖い。
ただ訳者あとがきでタイトルの夜と霧、というのが暗闇に紛れて霧のように消えたという意味だと書いてあって命や未来がそんな簡単に消えてたまるかと思った。秀逸なタイトル、原作は違うらしいから翻訳者さんってすごい。
読んでもあんまり分かんなかったのは、苦しむに値する人間ってなに?ってこと。しかも割といい意味で使われてて不思議だった。これ書き終わったら調べてみよ。
あとで戻ってくるとき用に書くと人間には選択肢が