池田香代子のレビュー一覧
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本書は、実際に強制収容所での悲劇のなかにあった筆者、ヴィクトール・フランクルが自分の経験を心理学的に捉えるという試みを通して、人間の真相に迫る、ホロコースト文学。読破してまず感じたことは、これは自分には理解しきることはできないだろう、ということ。
一つには、自分がまったくの傍観者でしかないことがある。これは、筆者もたびたび言及していたことだが、絶滅収容所にいたことのない傍観者の自分には、当事者たちの境遇、心もちを完全に解することは敵わない。
また、人間の恐ろしさ、これも自分には理解しきれない。今までの健やかな生活も、豊かな感情も、すべてを人間から奪う存在がほかでもない人間である、という惨 -
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心理学者が強制収容所を体験して得た知見をしるした本。今年は8月15日に向け本書を選ぶ。こんなに本の書き出しから心が不安定になり鼓動が高まる体験は初めてだ。
一 …とにかく生きて帰ってきたわたしたちは、みなそのことを知っている。わたしたちはためらわずに言うことができる。いい人は帰ってこなかった、と。(P5)
いわゆる体験記で事実を語るものとは一線を画し、著者フランクルが無機質な数字に置き換えられ番号119104として収容された体験を被収容者として心理学者として後世に書き残す。
残虐な強制収容所での現実が被収容者の心にどのように影響を与えたのか、第一段階「収容」第二段階「収容所生活」三段階「 -
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感想が全然まとまらない
読む前の印象
強制収容所での体験記が脚色ありで語られるものだと思っていた。
読んだ後
体験記ではあるが、「これが辛かった、苦しかった」だけでなく、もっと自身や周囲の人々を俯瞰して観察していた。
収容所で行われていたことは、外部から(現在から)見ると人間の所業ではないと思う。
しかし、すべて人間が行ったことであり、そのような状況の渦中にいると異常が日常になるということがよく分かった。
これは著者が体験した強制収容所だけにとどまらず、現代でも「人間が行う、人間とは思えない所業」はたくさんある。
感情が乖離して心が死んでいくが、「何を思って生きるか、何を思って死ぬかは自由 -
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息子へ)
この本を君に紹介すべきか悩んだ。
お父さんがこれまで読んだ本の中で最も衝撃的で、生きるということを考えずにはいられなかったから。
でも、紹介したいと思う。
この本からしか学べないことだし、経験して学ぶ内容ではないからだ。誰も2度と経験してほしくないと祈る内容だから。
本書の原本のタイトルは「心理学者、強制収容所を体験する」だ。第2次世界大戦中、ナチスドイツがユダヤ人を迫害した。強制収容所で強制労働を強いて、人を人して扱わなかった。そこを生き延びた心理学者が、学者の立場で、人間心理を分析するというのが本書の内容だ。
人としての尊厳を完全に奪われた状態。
究極の状態で、人は何を思うか? -
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ネタバレ重厚すぎて自分などが感想を書けるような本ではないが…。
10年以上前から読みたいし読むべきと思いつつ積読になっておりようやく読めて本当によかった。
この話を書くにあたって自分の両親や妻を亡くした悲しみに触れずにいられることがあるのか…。
私が筆を執ったらそのことばかりになると思う。
国外逃亡のチャンスを蹴っていたという事実も衝撃的だった。あんな目に遭ったら例え親族を置いて行くことになったとしてもその選択を取らなかったことを私なら一生悔やんでしまうと思う。
早くからこの分野で頭角を現していた様だが、ただ優秀なだけではない。只者ではない…。
最後の最後まで狭い隙間を運良くすり抜ける様に生き残ってい -
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まず感じたのは、これはナチスだから、ユダヤ人だからという特別な話ではなく、人類すべてに共通する問題なのではないかということです。
私たちホモ・サピエンスは、状況次第で誰もが加害者にも被害者にもなり得る存在なのだと強く感じました。
もちろん、強制収容所のような極限の状況とは比べられませんが、日常生活の中でも、知らず知らずのうちに誰かを傷つける加害者になったり、反対に傷つけられる被害者になったりすることはあると思います。
だからこそ、そのような状況に直面したときに、それをどう受け止め、どのような意味を見いだし、どう生きるかは自分自身の選択なのだと思いました。
どのような立場に置かれても、人 -
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原著刊行年は1957年、ケストナーは58歳。15歳までの自伝。子どもに向けて語るように語る。しかし、ちょっと饒舌過ぎないか。
全16章。4章までは、長いファミリー・ヒストリー。ドイツという国が歴史的にどういう国だったのかもわかる。5章からが自分のこと。16章、1914年、第一次世界大戦の直前で終わる。
生まれ育ったドレスデン、当時人口は65万。その当時の喧騒、ケストナー少年が聞いていた喧騒も聞こえてくる。この大都市が未来に無差別爆撃で灰燼と化すことは、ケストナー少年の知らない話。
ホルスト・レムケの挿絵(60枚)がいい。これがなかったら、まったく別の雰囲気の自伝になっていたかもしれない。
(p -
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貧富の差がテーマとのことだったが、子どもたちが仲良しで偏見がないので、私はそれほどは感じなかった。それよりも、アントンが何でもできること、勇気ある子どもなことが強調されていたように思う。お金を数えて生活の算段をするところ、卵やじゃがいものお料理をするところは、私が子どもだったら、外せない場面だと思う。
点子ちゃんは友達思いで賢くかわいい、アントンも勇気ある少年。子どもはクレッパーバインを除くと良い子です。しかし、ケストナーが子どもを純粋な良い子とくくらないところが良いです。「人間の顔をした動物にもおとるやつは、子どもの中にもいる」と「立ち止まって考えたこと」の中で、ばっさり切り捨てている。 -
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青木省三先生の著書で本書が紹介されていて手にした児童文学。
子どもたちの心に寄り添う成熟した大人に見守られながら、様々な事情を抱えた個性あふれる思春期の子どもたちが青春を刻んでいく様子が活き活きと描かれていた。
前半は登場人物の多さに誰がどんなキャラクターの子なのかいまいち掴めず話についていけてなかったけど、禁煙さんが登場したあたりから俄然面白くなりどんどん話に引き込まれた。
禁煙さんと正義さんの再会やマルティンと正義さんとのやり取りには泣けた。
この本が書かれたのがドイツがナチス政権の手に落ちた年だったようで、子どもたちや国民に対するケストナーの命懸けのエールを随所に感じ、胸が熱くなっ