池田香代子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ戦慄のミステリーでしょうか、哲学史の指南書としても秀逸ですし物語としてもぐいぐい引き込まれていきます。ヒルデとソフィーの交錯がなんとももどかしい。
キェルケゴールあたりの実存主義は全くノータッチだったので、大前提としてそこにあるのであって、生きる意味といった根本的な真理は存在しない、個々人がそれぞれに見出さなければならないのだといった思想の到達点だと知れただけでも有意義。そこに暗澹たる雰囲気とシュールレアリズムが内包されているけど、どうも自由を付与されたことでがんじがらめになって指針を無くした個人主義たる現代に通ずる空気をびしびし感じます。
占いや霊媒師やらなんやらのオカルト物に関する痛烈 -
Posted by ブクログ
サスペンスミステリー調のストーリーにも引き込まれることはもちろん、ソフィーに対する哲学講義が非常に筋道だってて哲学の系譜があらあらっと理解増しました。
序章で哲学者とは白兎の毛の先っぽで踏ん張り奮闘する知的好奇心オバケなんていう、哲学者の心得みたいなところから始まり、まだ手をつけていなかった自然哲学者から古代ギリシャ三代哲学者なんかをさらってくれて(プラトンのイデアとアリストテレスの経験主義的な対比なんかも)、18世紀イギリス経験主義まで駆け抜けてくれてます。個々の哲学者の思想と、前時代とのつながりを拾ってくれてるので、体系だった学習としても最適ではないでしょうか。
ソフィーの気だるいツッ -
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Posted by ブクログ
有名な本だけど、勝手に説教臭いイメージがあり、敬遠していた本。
もっと早く読むべきでした。反省。
グローバルな世の中になったと言われて久しい。
自分たちは世界のことを良く知っていると思っているが、
この本に描かれているように、世界全体を数値で表してみると、全く自分の世界のイメージと乖離していることに気付く。
自分たちの身の回りの常識でしか認識できていない。
非常に狭い認識しか持っていない事に愕然。
特に以下のフレーズが心に残りました。
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もしあなたが
いやがらせや逮捕や拷問や死を恐れずに
信仰や信条、良心に従って
なにかをし、ものが言えるなら
そうではない48人より恵まれています
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Posted by ブクログ
長年読みたいと思いつつなかなか読む機会のなかった本。やっと読むことができました。読んだらそう感じるだろうなとは思っていたけどやはりいちばん強く感じたのは「もっと早く読めばよかった」ということ。この本の存在自体を知ったのが20代になってからだったけど、10代で読めてたらもっと色々なことを感じていただろうなと思う。
初心者向けの哲学入門書、というか西洋哲学史の紹介本といった内容。すでに高校も大学も卒業し、紹介される哲学者やその思想の概要も知っているものがほとんどだったので、その点個人的には復習しながらで、あとは小説としての筋を楽しむ感じになったけど、お話を楽しみながら、思想の内容もソフィーと一緒 -
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購入済み
人生に悩む人は読むべし
前半は、悲惨、無残、過酷、残酷、どんな形容詞でも足りないほどの強制収容所の実態が、抑えたトーンで描かれたルポルタージュです。
後半は、そんな環境下で作者が見いだした、生きるとはどういうことか、生きることの価値は何なのか、ということが、圧倒的な説得力で伝えられています。
人生で辛いことがあって、何のために私は生きているんだろう、とか、私はどう生きればいいんだろう、とか、悩んでいる人(私がそうでした)に、ひとつの回答を提示してくれます。
旧版は読んだことありませんが、新版は読みやすく、訳も問題ありません。
一点だけ。タイトルは、新訳の訳者は、旧訳への敬意をこめて、元のタイトルを -
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