池田香代子のレビュー一覧
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ルイーゼとロッテは9歳の双子の女の子で、『巻き毛のおてんば』と『おさげのきまじめ』という個性の違いはあるものの、それ以外となると、どっちがどっちなのか見分けがつかない程の瓜二つぶり。
そんな二人も初めて出会った時は大変で、ルイーゼの方が激しく動揺したために、ついロッテに冷たく接してしまったが、その夜、すすり泣くロッテの髪をぎこちなく撫でるルイーゼに、思わず彼女の指を探したくなったロッテ。
そして、翌朝にはロッテの前に立って、きまり悪そうにもじもじと足踏みしているルイーゼに(他の女の子が見たら、あのルイーゼがと、きっと驚くだろう)、ロッテは無理してようやく微笑んでくれて、それは見えない -
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Posted by ブクログ
児童文学の翻訳の勉強をしたいと思い、久しぶりに手に取った。高橋健二訳のケストナーで若い頃読んだ身としては、池田香代子訳はより子どもの視点に立った、時代に沿った読みやすい訳だったと思う。ただ、ところどころに20年経った今はもう使わないと思われる言葉もあった。
それはさておき、貧富の差を越えた子どもらしい友情、親思いのアントナーという子どもを描きながらも、ケアをされる親の身勝手さまで描くケストナーには、時代を超えて脱帽させられる。何よりも時に入る温かい注釈にほっとする。
子どもの本作りには大人の温かい気持ち、真剣な思いがいかに必要か、改めて学ぶことができた一冊だった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ小説の形式で哲学を語る、ということがはたして可能なのか? 本作と出会ったとき、最初に胸に兆した疑問がこれだった。
読み始めると、殊の外相性がいい。著者ヨースタイン・ゴルデルの筆力に負うところが大きいのだろうが、日ごろ「哲学」と聞いただけで忌避してしまいがちな人にこそお勧めしたい。
このレビューは、『ソフィーの世界』の上下巻を通読しての感想となる。
著者はノルウェー出身なので、ここで語られる「哲学」は、西洋哲学である。
古代ギリシャのソクラテス・プラトン・アリストテレスと続く哲学に始まり、中世哲学やルネサンス、啓蒙主義などに触れ、近世の合理論や経験論の解説がなされる。最後に近代哲学に分類される -
Posted by ブクログ
_/ 感想 _/_/_/_/_/_/
出版から時間がたっているので、今は状態が変わっていると思いますが、世界に目を向けると、文字が読めないひとがいたり、きれいで安全な水を飲まないひとがいたり、日本での生活とは大きな違いがあることがわかります。
それは、幾度となく聞いていることではありますが、あらためて、100人に置き換えて考えると、その割合には驚かされます。
いま、辛いと思えることは、きっと些細なことでしょう。
もっと、喜びを出していかなければなりません。
そして、できることに、手を差し出していかなければなりません。
この本は、それをわかりやすく伝えてくれます。
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購入済み
「苦しむことはなにかをなしとげること」
はたして自分がその境遇になったときに
そのように境地に達することはできるのだろうか。
解放されずに殺されてしまった人々は、どう思うだろうか。
結論を出せるような問題ではないが
自分にはない視点を得られた。 -
Posted by ブクログ
前回読んだ、「点子ちゃんとアントン」の3年前に書かれた本書(1928年)は、まだ世界恐慌前の、新しいものに囲まれ目覚ましい発展を遂げたベルリンを舞台に、主人公の男の子「エーミール」を初めとした、子どもたちの活き活きとした個性が、爽やかな余韻を残してくれる、子どもに語りかけるような、ケストナーの文体を見事に日本語で表した、池田香代子さんの訳も楽しい作品となっております。
そうした個性は、『女なんてあわれなもんよ』と、如何にもな知ったかぶりを得意気に言う姿に、却って、可愛らしさや明るさがある「ポニー」や、『てやんでい』が口癖の「グスタフ」、皆のまとめ役の「教授」、素直な寝言に微笑ましさがある -