池田香代子のレビュー一覧

  • 飛ぶ教室

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    主に、子どもたちとかつて子どもだった大人たちの、ある年のクリスマスまでの数日間の話。少年たちだって、それぞれ悩みや悲しみを抱えていて、それを仲間達には見せないように強がってたりするんだよなぁと思う。仲間との絆とか、大人よりよっぽど強いんじゃないかとすら思うよ。あと、理解ある大人が近くにいる大切さも痛感するな。
    私は子どもの頃にこの本を知らないでいたのだけど、大人になってから読むのでも響く言葉は色々あった。
    ナチス政権下の時代に書かれた作品と聞くと、作家の非常に強い意思を感じたりもした。

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    2024年09月22日
  • 新装版 ソフィーの世界(上) 哲学者からの不思議な手紙

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    不思議な手紙から始まる哲学史をめぐるミステリー本

    昔ベストセラーの本と気になり読んでみた。
    少女に哲学史を通じて、哲学を考えてもらえるようになっていて面白い。

    ただ、結構色んな哲学史入門で読んでた復習的になってしまった。
    あと、ミステリー調になってるので、その分哲学史を楽しめばいいのか、ミステリー楽しめば良いのか感じ方が中途半端になってしまった気がする。

    哲学とか、自分とかに思いを巡らせるという意味では面白い本だと思った。

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    2024年09月18日
  • ふたりのロッテ

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    親の離婚で生き別れた双子の女の子が、
    サマースクールで再会して、入れ替わる話。

    わたしにも地球のどこかに生き別れた双子…いたらいいなぁ、なんて思いながら読んでた。
    海外文学って、名前が覚えられなかったり翻訳で文体が変わったり、読みづらくて苦手だったけど、
    児童向け小説だと読みやすかったなぁ。
    それにしても、登場人物は多いし、メモ取らないとすぐ、これ誰?ってなったけど。笑

    なんでタイトル、ふたりの“ロッテ”なんやろう。
    最初ルイーゼ視点やし、強いて言うなら『ふたりのルイーゼ』では?
    もしくは、『ふたりのパルフィー』なんかな…?
    タイトルはロッテ視点なんやぁ…って思っちゃった。

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    2024年09月23日
  • ふたりのロッテ

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    子供の頃に読んだけど
    たしかサマースクールに行ったことが
    ふたりの出会いだったような気がして再読。

    そうそう、やっぱり。
    ウィーンに指揮者の父と住むルイーゼと
    南ドイツに出版社勤めの母と住むロッテが
    夏休みの児童宿泊施設で出会い
    実はふたごだったことに気がついて
    もう一度両親と一緒に暮らそうと画策する話!

    ロッテがルイーゼに、ルイーゼがロッテになって
    それぞれの親のもとで正体を隠して過ごすけど
    ふたごといえど性格も行動も違っていて
    バレやしないかとヒヤヒヤする。
    あと、父親に言い寄ってくる女性がいた。
    そんな展開だったっけ!?
    この妙に現実味を帯びているところ
    私がケストナーを好きな部分。

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    2024年07月30日
  • ぼくが子どもだったころ

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    文章がキャッチーで面白かった〜ケストナーの少年時代の日記を覗いているような感覚になった。ドレスデンは戦後復興して昔の美しい姿に戻ってるのかな?今年旅行で行く予定なの!楽しみ!

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    2024年05月04日
  • 世界がもし100人の村だったら お金篇 たった1人の大金持ちと50人の貧しい村人たち

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    ネタバレ

    先日読んだ本のシリーズ本。
    「世界の富の49%は1番のお金持ちのもとに、
    39%は9人のお金持ちのもとに、
    11%は40人の割と豊かな人のもとに、
    50人の貧しい人のもとにあるのはたったの1%です。」という本書の内容を見て、
    一部の会社が儲けたって意味がない、本当の意味で発展させるためには、、、という話を思い返した。その本質部分だ、と。

    奪い合えば足らぬ、分け合えば余る→地球の有限な資源のこと、お金のこと、わかりやすく全体感を伝え、
    環境破壊、経済格差が広がる中で税金等の解決に向けた仕組みまで言及。
    通常版よりも更に深みを感じた。

    このような社会全体の仕組み、構造を捉えで日々のニュースも何

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    2024年03月30日
  • 飛ぶ教室

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    ネタバレ

    冒頭はケストナーのエッセイ、そして少年たちの物語へ。

    ギムナジウム5年生の少年たちがクリスマスを迎えるまでの物語…というと萩尾望都的美少年が出てきそうだが、1933年に出版された本作はまったくそんな内容ではない。背景にナチス政権の暗い世相を感じさせつつ、物語は少年たちの争い、友情、見栄、大人(先生)との関係を描く。

    私は女で、子供も娘しかいない。もし私に息子がいたら、この話はもっと自分に近寄せて読めたのかもしれない。それでも読後感は心がほんわか温かくなった。いい話だった。

    最後に、もしかしたら「私」の母親は、ジョニーの船長の姉かもしれない、と思ったのだがどうだろう。

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    2024年03月23日
  • 飛ぶ教室

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    自分の中高男子校時代を思い出しながら読みました。
    この物語に出てくる生徒たちはお互いの性格とか境遇とかをなんとなく理解し合いながら学生生活を送っている。その一方で自分の中高時代は、仲の良い親友とか仲間とかはいたけど、ここまでお互いを思いやる関係だったかというと、そこまでではなかった気がする。その違いはなんだろうと思った。笑いのツボが合うとか、趣味が合うとか、一緒にいるとなんだか楽しいとか、そういうことが仲間となる要素だったように思うけど、その友が何を頑張っていて何に悩んでいるかとかは気にしたことがなかった。ちょっとしたこととか特に理由がない「なんとなく」で仲間の関係が出来たり解消されたりする程

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    2024年01月22日
  • 点子ちゃんとアントン

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    子どもの頃読んで、点子ちゃんの名前の由来が印象に残っただけで内容は覚えていなかった。恐慌が起き、ナチスが台頭しつつあったベルリンが背景になっていたことを知って再読。

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    2023年10月29日
  • ふたりのロッテ

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    この本は子供向けで 大抵の人は読まれていると思いますが、私は手に取る事もなく 大人になってしまったので 今更ですが 読んでみました。

    大胆な双子の行動力は読んでいて気持ち良かったし 繊細な子供の心も描かれていて良かったです。

    この著書は 以前読んだ動物会議も書かれていたそうで 子供への 愛情たっぷりの作家さんだと思いました。

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    2023年10月05日
  • 新装版 ソフィーの世界(上) 哲学者からの不思議な手紙

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    ネタバレ

    哲学の歴史を学びながら、不思議なことに巻き込まれていく少女ソフィーの物語。
    噛み砕いて教えてくれる先生の説明は、哲学初心者の私でも分かりやすい。知識として定着させる前段階の、興味を持って自分の頭で考えることや、人の体温を感じるような哲学に直接触れられる点が良かった。ソフィーは先生の話についていけているようだったけれど、じっくり腰を据えて考える必要のある事柄も多くあった。
    先生も含め、ソフィーを取り巻く出来事は不可解で不安を掻き立てられる。上巻の最後は、人間を弄ぶ神の存在が示唆されてSFホラーの様相だった。

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    2023年09月22日
  • 山上徹也と日本の「失われた30年」(集英社インターナショナル)

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    とても考えさせられた。同じく就職氷河期世代を生きているモノとして、時代背景より家庭環境によるものを物凄く感じたし、その点は能力あるにも関わらず、非常に勿体無いし本人の努力が色々と報われず不幸だと思う。但し、日本にとって大事な人を失った損失は計り知れない。安倍家遺族の悲しみは想像し切れず本当に気の毒。

    被告のツイート書き起こしを読みながら、家族関係、思考や世に問いたいと考えているであろう事がよく分かった。

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    2023年08月31日
  • 山上徹也と日本の「失われた30年」(集英社インターナショナル)

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    ていねいにTw分析で浮き上がる風景、という手法は見事だが、そこでの世代不満は新しいものではない、安倍政治の日本への視点は弱いのが残念

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    2023年07月24日
  • ふたりのロッテ

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    ケストナーは苦手、というか、いまいち相性がよくないので、もう一生読まないだろうと思っていたのだが、齋藤美奈子が紹介していたのを読んで読みたくなってしまった。
    なるほど、少女小説とはいえ、なかなかに鋭いところをついたお話で、楽しく読みました。

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    2023年07月22日
  • 山上徹也と日本の「失われた30年」(集英社インターナショナル)

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    山上徹也の母親が統一教会に合計1億円以上献金したことで生活が狂い、恨みを教会に、またその教会をサポートするようなメッセージを残す安倍元首相に向け、殺害に至った、と言うのは表層的で、そこに至る時代的背景や、山上被告がツイートした全文を読み解くことで、内在する心理的側面を分析する。

    報道だけでは知り得ない彼の生い立ちや考え方が、少し分かった気がする。
    殺害は許容出来るものではないが、ある意味起こるして起こったことかもしれない。
    しかし、彼はかなり知能指数が高そうだ。

    これをきっかけに教会にメスが入りつつあるようだが、例によって遅々として進まず、得意の時間切れを狙っているようにも勘ぐられる。自民

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    2023年07月22日
  • 飛ぶ教室

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    ドイツの青春小説

    クリスマス時期のドイツの寄宿学校の話。
    少年期やその時代に想いを持つ人の気持ちを味わえて、名作と言われるのも納得。
    ナチス政権時代に書かれたということに驚くとともに、作家魂に感動する。

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    2023年06月03日
  • 山上徹也と日本の「失われた30年」(集英社インターナショナル)

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    ロスジェネ論。
    山上徹也に友達がいれば、安定した雇用と収入があれば、彼はただのネトウヨ的なおじさんであれたのかもしれない。安倍も死なずに済んだ。

    人としての尊厳とは何か。

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    2023年05月07日
  • 山上徹也と日本の「失われた30年」(集英社インターナショナル)

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    山上徹也のものとされるTwitterの投稿から、彼の犯行に至った背景や思想を読み解いていくという趣向の本。
    本当は助けが必要な宗教二世であったにもかかわらず、周りからの支援はなく、氷河期世代の身に染み付いた自己責任論で努力をしてもうまくいかず追い詰められ、映画『ジョーカー』に出てくるアーサーに共感しつつ、凶行に及んだという。
    そういう部分もあっただろうという反面、内容は極めて薄く(必要ないような簡単な用語にまで脚注が多用されている。)、事件から日が浅い今だからまだ読めるけど、わざわざ本にするまでもなかったように思う。
    山上徹也はネトウヨかというと外れるような投稿があり、インセルかというと自ら拒

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    2023年04月23日
  • 飛ぶ教室

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    先生が人間であるという事、生徒も人間であるという事。この時代にこういう先生や生徒が沢山いたとは思えませんが、だからこそ物語にして理想郷ともいえる世界観を作り出したことに意義があるのかなと。今は先生も生徒も人間である以前にルールを順守する事を厳重に求められる組織人としての素養を求められます。なので分かりやすいドロップアウト風味は今は流行らない。でもいじめやパワハラは形を変えて水面下へ。そのような世界に生きているとこの生き生きした物語が、胸にしみますね。

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    2022年10月08日
  • 新装版 ソフィーの世界(上) 哲学者からの不思議な手紙

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    15歳の少女ソフィーがある哲学者と出会い、自らの存在の謎を解いていく話。ファンタジーの物語と、初心者向けの哲学講座がミックスされた本である。少年少女に話しかけるようにヨーロッパの哲学史をわかりやすく説明してくれているため、どの世代でも楽しめる内容ではないだろうか。昔読んだ本だが、新装版が出たということで久しぶりに手に取ってみると、まったく内容を忘れていた。初めて読むように楽しませてもらった。

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    2022年10月06日