池田香代子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレソフィーとヒルデが対話する辺りは、ミヒャエル・エンデの「はてしない物語」を連想する。あまりにソフィーとヒルデのキャラが被っているのも混乱の種だね。
最後にはソフィーもアルベルトも、クナーグ少佐(「ソフィーの世界」の作者であり、ヒルデの父)の物語世界から無事に飛び出して自由を得た(と僕は解釈した)のでした。
創造主(それは物語の作者かあるいは神か)のお作り給うた世界から飛び出すという発想は、マトリクスも連想したが、その領域に到達するために「あなたはだれ?」という問いから出発するのは、なるほどと思わせた。前編から打って変わって後編は単調だった物語のどんでん返しにフォーカスが当たる。 -
-
-
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
1931(昭和6)年に発表された児童文学。舞台はベルリン。
楽しいお話だった。
訳されたのもその頃(1936)のものを今回読んだので、なんせ言い回しが古くて読みにくかったけど、でも当時としては抜群におもしろい読み物だっただろうな。
点子ちゃんはハツラツとしててかわいいけど、両親に放っておかれて寂しいんだろうなと親の立場では考える。
また1931年の時代背景もとても気になって調べてしまった。
この4年後にオリンピックがベルリンで開かれ、さらに4年後に第二次世界大戦が始まったのだった。
点子ちゃんがかわいい、とか友だちっていいな、とかだけではない、余計なことまで考えてしまう。 -
Posted by ブクログ
ケストナー1928年の作品。児童文学としては最初の作品だそうですが、これがめちゃくちゃおもしろい!
田舎町から大都会ベルリンに遊びにきた少年エーミールの大冒険。こんな素敵な冒険、男の子だったら誰でも(もちろん女の子も大人も)してみたいはず。
登場する男の子たちがみんな元気で楽しい。その中を男の子顔負けで通り抜けていくポニー・ヒュートヒェンのかっこよさ。
「いい子」であろうとして「いい子」なエーミールとお母さんとの関係や、ベルリンで突如めばえた友情、話がうまくいきすぎるとは思いますが、児童文学なんだからそれでいいのだ。
(『飛ぶ教室』のときも思ったけど、ケストナーはちょっと先 -
Posted by ブクログ
21世紀初頭にインターネット上で話題となった文章を書籍化した一冊です。
世界を100人の村と仮定し、構成員がどのような暮らしをしているかを小さな数字で説明しています。
中立の立場から現実の厳しさと幸せについて綴られているのですが、「お金持ちの白人ではないけれど、日本人はまだ恵まれているほうだ」というような偏った受け取り方をしてしまう危険性を感じました。
100人で考えても多くが不幸であるなら実際の人口では大多数が不幸であるわけなので、個人的な感想としてはこの世には絶望しかない気がするのです。
特定の人々が幸福で大多数が不幸であることは人類全体の緩やかな死を意味し、国家や社会という人工的なシステ -
Posted by ブクログ
ネタバレこの本のいいとこは、西洋哲学史のお勉強感なく読める点だとおもう。主人公の15歳の少女(ソフィー)の視点から、彼女の日常を織り交ぜて、不思議な手紙を通じて物語が進んで行くので、読みやすかった。この本では、古代ギリシャ〜中世〜ルネサンスの哲学者たちが、自分たちを取り巻く世界がどのように生まれたのか?自分たちはどう生きるべきか?を問い続けている様子が描かれていた。哲学者たちの生きた時代背景、哲学者たちの考えと、そして、後世に与えた影響が説明されていた。筆者が伝えたかった点は、哲学者たちの問いが、現代の我々にも通じる問いであり、それを知ることは意義のあることだってことだとおもう。一般的に歴史は積み重ね
-
-
-
-
-
-