池田香代子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いきなり「ゼービュール」なんて聞き慣れない村の名前の説明から始まってびっくりしましたが、ドイツ語特有(?)の名前に混乱しそうになるのを除けば岩波少年文庫の中でも読みやすい方だと思います。
子どもたちが夏の休暇の間、親元を離れて共同生活をおくる「子どもの家」。こういうのに憧れたなあと懐かしく思いました。
その後予想外の展開になり、最初に感じた文体の違和感も忘れ、ハラハラドキドキ、夢中になって読み終えました。
訳者の池田香代子さんもあとがきに、「読み進めるうちに、独特のスピード感があって、こういうのもいいな、と思われたのではないでしょうか」と書かれていますがまさにそのとおりでした。
大人が読む -
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Posted by ブクログ
小学生のときに読んだなぁ、と懐かしくなってまた読んでみた。当時の記憶はほとんどなく新鮮に読めた。
登場人物がみんな素直で可愛らしくて、特に、エーミールのお母さんはエーミールのことをとても大切に思っていて、エーミールもお母さんをとても愛しているんだなぁということが伝わってくる。
最後の方のシーンで、エーミールのおばあちゃんが、ずっと電話番をしていたディーンスタークを褒めていて、とても良いなと思った。エーミール、教授、グスタフが目立ちがちだけど、100人の子どもたちがみんな自分たちの役割を担ったからこその成功だったんだなということがよく分かる。
全体を通じて感じるのは、作者のケストナーが子ど -
Posted by ブクログ
ああ~、これは本当に傑作だった。
ケストナーだから当たり前、なのかもしれないけど、本当に。
子ども向けの類書をいろいろ読んでいると、派手にするためにありえない設定をしたり、スリルを増すためにわざと愚かな手を打って自分から危険な目にあったりするものがほんとうに多いんだけど、これはとても自然に物語が始まる。エーミールは貧しい家の子だから、お金を大切にしなくちゃと思うあまりに、ふところの封筒を何度も服の上からたしかめてしまって、それがかえって泥棒の目をひいてしまうわけで……。
でも、盗まれたとわかったあとのエーミールの判断力と行動力ときたら。コミュ力もすごいよね。昨今の児童書だと、「こんなこと人 -
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Posted by ブクログ
ネタバレものすごく面白かった…!
大事なお金を盗まれたエーミールが、
それを取り返すために少年たちと戦う。
見ず知らずの少年たちと協力しあうところも面白いし、
裕福ではないなりに育ててくれた母親を大事に思うエーミールがとっても勇敢で愛おしい。
少年たちがじわじわと犯人を追い詰めていく過程なんてワクワクが止まらなかったし、見事犯人からお金を取り返したところは拍手喝采。
犯人を捕まえるために大人から借りたお金を律儀に返そうとしたり、協力してくれた友人たちへの感謝も忘れない。
ところどころ挟まれる、皮肉がたっぷりな会話も見どころのひとつ。
「けんかはだめ、なぐり合いもだめ、そんなことするんなら、いっそ -
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Posted by ブクログ
有名な本だけど、勝手に説教臭いイメージがあり、敬遠していた本。
もっと早く読むべきでした。反省。
グローバルな世の中になったと言われて久しい。
自分たちは世界のことを良く知っていると思っているが、
この本に描かれているように、世界全体を数値で表してみると、全く自分の世界のイメージと乖離していることに気付く。
自分たちの身の回りの常識でしか認識できていない。
非常に狭い認識しか持っていない事に愕然。
特に以下のフレーズが心に残りました。
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もしあなたが
いやがらせや逮捕や拷問や死を恐れずに
信仰や信条、良心に従って
なにかをし、ものが言えるなら
そうではない48人より恵まれています
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Posted by ブクログ
長年読みたいと思いつつなかなか読む機会のなかった本。やっと読むことができました。読んだらそう感じるだろうなとは思っていたけどやはりいちばん強く感じたのは「もっと早く読めばよかった」ということ。この本の存在自体を知ったのが20代になってからだったけど、10代で読めてたらもっと色々なことを感じていただろうなと思う。
初心者向けの哲学入門書、というか西洋哲学史の紹介本といった内容。すでに高校も大学も卒業し、紹介される哲学者やその思想の概要も知っているものがほとんどだったので、その点個人的には復習しながらで、あとは小説としての筋を楽しむ感じになったけど、お話を楽しみながら、思想の内容もソフィーと一緒 -