ロバート・A・ハインラインのレビュー一覧
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ネタバレ★★★☆☆
積読の棚から文庫本を一冊サルベージしたらハインラインだった。
『自由未来』は核爆弾のショックで未来世界、というかパラレルワールドに飛ばされてしまった数人の男女の話。
科学技術の進んだ未来世界では、イスラム教ベースの宗教が信じられていて、黒人が選民として白人の奴隷を支配している。
冒頭のアメリカ一般家庭の夕べの様子はちょっと退屈なんだけど、異世界に飛ばされた後の主人公ヒューの態度の変化が面白い。
言うことを聞かない息子デュークに銃を突きつけて、言うことを聞かないなら出て行けと迫る。
平時には息子といえど対等に話し合っていたのが、すわ有事となると対応がガラッと変わり、高学歴 -
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ハインラインの短篇集。一部は苦手なタイプのSF。全体に、月または近くの惑星への宇宙旅行や移住がテーマになっており、その時点で若干苦手。勝手に創りだしたテクニカルタームや地名の羅列にさらにげっそり。
とはいえ、短いながらもテーマや本筋はしっかりしているので、読めるんだけど、最後に「こういう話だったね」という大きな本筋以外残ってこない。
特に表題作とその後の金星人の話では、詩的に無駄に飾られた言葉と、本筋の話からわざとそらしまくる会話の連続で、眠気が…。訳も良くない。
前半の事故でパニック系の話は好きなので、間を取って☆3つ。またいずれ読み返すとは思う。 -
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ネタバレ2015年はハインラインを読もうかな第2弾。
長命という、他とは異なる特質を持った人たちが、
自分たちの存在を危うくする普通の人類の
妬みや猜疑心から逃げ出し、可能性の宇宙へ。
出会う宇宙人たちからはこの上なく歓迎されて
自分たちが生きられる世界を見つけた!と思いきや、
やっぱり違いがもとで亀裂がうまれ、
さりとて原住民の地を奪うわけにもいかず
離れざるを得なくなり、たどり着いた先は・・・
長老が経験から先頭で仲間を導くのではなく(導くが)
一番の自由人として精力的に動き回るのを読んで、
フロンティア精神、チョッとアウトローで
肉体派ヒーローモノなアメリカイメージ。
期待していたほど面白くなか -
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世界戦争で旧い秩序も民主主義も崩壊した未来です。その後にできた地球連邦において人類は再び繁栄しついに宇宙に進出しますが、別な知的生命体と遭遇して戦争状態になります。主人公リコは高校卒業後すぐに軍に志願し新兵訓練を経て機動歩兵として実戦に参加、やがて士官学校に通い少尉となります。一種の青春成長記です。
なんたってパスワードスーツですよ。これはカッコいい。
そして宇宙人は蜘蛛型です。蜘蛛でも文明があり都市を築き宇宙へも進出します。日本のアニメだと異星生物とも愛で分かり合える結末を迎えそうですが、それはないです。ひたすら殺しあいます。無情です。種の生存をかけた戦いです。
発表当時は問題作と言わ -
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ネタバレ侵略SF…。でも親子愛ものだった。短いものではないけどどんどん読ませる緊迫感が在る。秘密捜査官とか心くすぐるワードとともに、宇宙からの侵略者という考えたくないような気持ちの悪い小説である。
親子愛と書いたが、お互いの許しや共有がメインなのではなく、主人公の成長(?)と人類の感情を書いた、かいたほうが勿論正しいのだとは思う。
主人公の心情が中心になって話が動いていくので話が追いやすい、けれど、私にはなかなか彼のイメージを固定できない。序盤は非常に理性的で主体性を持ちながらも従順さを持ち秘密捜査官のイメージにも近かったが、寄生された時、メアリと和解したあたりから急激にかれは、事情があるにしろヒ -
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不肖鴨、ハインラインが苦手です。というか、「夏への扉」が苦手ですヽ( ´ー`)ノあの甘々で前向き過ぎる展開がもぅだめヽ( ´ー`)ノ
でも好きな人にはたぶんたまらない、ハインラインの代表的な短編集。表題作「地球の緑の丘」は、タイトルだけが一人歩きしている感すら無きにしも非ずの超有名作です。甘くて切なくて前向きで希望に満ちた、ハインラインらしい甘々な作品ばっかりなんだろうなぁ・・と思いつつ読んでみたら、結構ハードな作品もあって予想外。予想以上に興味深く読み進められました。
ハインラインは物語全体の”雰囲気”を重視する作家だと、鴨は思います。この”雰囲気”がしっくり来る人なら、とてもおススメ。 -
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ネタバレ★★★☆☆
短篇集というのはどれかひとつでも面白いものがあれば「当たり」といえる。
本書においてそれは『金魚鉢』という短編だ。
あとがきなどを読むにつけ、どうやら世間的には表題作である『時の門』が高い評価を受けているらしいけれど、僕はあんまりぴんとこなかった。
『金魚鉢』で僕が気に入ったのは、ひとつのことをきっかけとしてその前と後ではものを見る目が変わるという話だからだ。
この物語の世界では、海の真ん中に水柱と呼ばれる巨大な水の柱があったり、火の玉で人が行方不明になったりと人智を超えた事象や怪事件が起きている。
年老いた学者と若い学者はその水柱と火の玉には関連があり、しかもそれらが -
購入済み
矢野徹のお粗末極まりない訳で読むのは苦痛でした。
拙い逐語訳は翻訳とは呼べません。
作品自体は文句ないので是非とも新訳で読みたいですね。 -
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SFの名作だが、戦争礼賛的な側面が波紋を呼んだらしい。あまり礼賛しているとも思えないが。近未来の地球で、地球連邦軍に志願したジョニーが、訓練を経てパワードスーツをまとう「機動歩兵」となり、異星人との戦争の渦中へ埋もれていく。舞台の地球連邦では、軍籍がない限り、公民権を得られないのが作品の特に重要な点だ。公民権てそもそもどういったものが与えられていて、それが日々の生活にどう関係しているか?公民権の主たる選挙権について、主人公も考える。公民権を得られるという「特権」は命を賭けるに値するものなのか。日々の苛烈な訓練の合間で、ふと考えるが、戦闘につぐ戦闘で、その問いの答えはうやむやになっていく。
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Posted by ブクログ
今年最初の読書は古典SFから。
「小説で読む『フルメタルジャケット』」というのが読んだ感想。私はこの映画が大好きなので、この小説も楽しく読めた。
敵のクモどもというのは、インディアンとジャップとベトコンを突き混ぜたようなものであり、なんというか、突っ込みどころはたくさんある。その第一は政治レベルでの戦う理由が丸で分からないことで、外交レベルで話がつかない理由が分からない。だってそれは、「歩兵」レベルで肉弾戦をしている理由であるからで、そこをごまかしているなあ、と思う。
「こういう視野の狭いファシストだからこそ、こういう意味のない戦争を延々と続けるのだ」というずいぶんとひねった話だと思ってい