【感想・ネタバレ】宇宙の戦士のレビュー

あらすじ

〔ヒューゴー賞受賞〕宇宙艦〈ロジャー・ヤング〉号から発射された宇宙カプセルはいま、地球をうかがう敵惑星の地表めがけ暗黒の中を自由落下していく。勝利か降伏か、地球の運命は一に彼ら機動歩兵の活躍にかかっていた! 戦争肯定的な内容で、ベトナム戦下の米国に一大センセーションをまきおこした問題作。

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Posted by ブクログ

アーサー・ジョージ・スミス軍曹に捧げる
兵士、市民、科学者のあなたに
――そして、いつの時代であろうと
子供たちを真の男に鍛え上げてくれた
すべての軍曹に(前文より)

はい、R.A.ハインラインの名作にして問題作『宇宙の戦士』です

思想的なところは一旦置いておいてSFとしてまず面白かったです
SF的なところ少なくない?って意見もあるでしょうけど

とりあえず1個確実に言えることは『夏への扉』が大好き!でハインラインに興味を持ったって人は迂闊に足を踏み入れない方が良いです
間違いなく同姓同名の別人が書いてます(嘘しか言わない)
わいはどっちも好きだけどね

はい、じゃあどのへんが問題作なのか、どのへんが迂闊に足を踏み入れない方がいいのか
ものすごい簡単に言うと「暴力の肯定」なんよね

前文にある「軍曹」なんですが、軍隊における「軍曹」の役割ってのは、新兵の教育係であり、お目付け役であり、その小隊の規律を維持するための役割を担っていることが多いんですね
でその手法ってのが主に暴力なんです
ぶん殴って分からせるって奴ですね
日本にも「鬼軍曹」なんて言葉がありますよね

つまり子どもたちを暴力によって育てあげた人たちを称賛してるわけですね

時代背景もあるんですが、なかなか賛否別れる話ですよね

しかもこれ1960年のヒューゴー賞受賞作なんですよ
ヒューゴー賞ってのはアメリカのかなり権威のあるSFの文学賞なんですが、つまり当時のアメリカ人の多くが、一般社会における「軍曹」の存在をあまり否定的には捉えていなかったとも言えると思うんです

まぁ、今の日本でも度々議論になる体罰の是非についての話にもなるんですが、ハインラインは体罰を法律で規制していない州での少年犯罪の発生率の低さなども交えて必要だと主張してるわけですね

社会に「鬼軍曹」は絶対必要だ!ってわけです

なので体罰否定派の人は読んでいてあまり気分は良くないかもです
気分は良くないかもしれないけど、読んでみてもいいのかな?って思います
反対の意見を完全にシャットアウトするのもどうかと思うのでね

(まぁ、そういうの切り離して読んでも面白いと思うんだけど)

で、ひまわりめろんの意見はどうなのか?ってところなんですが…意見どうこうの前に現実に鬼軍曹が家にいるんでね
受け入れるしかないのですよ!。゚(゚´Д`゚)゚。

(すぐ嫁をオチに使う)

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2024年08月17日

Posted by ブクログ

娯楽小説に止まらない、深い本だ。こういう本が不朽の名作と呼ばれるのだろうと思う。すごく面白いというだけでなく、読むたびに何かを考えさせられる。以前読んだときとは、全く違う部分に今の自分が感応するのだ。今回は、教育というものについて、改めて考えさせられるとともに、サラリーマンの在り方について、再考をさせられた。兵士だって、やること一杯で、時間が足りないと叫んでいたんだなぁと思った。

1
2018年11月12日

mac

ネタバレ 購入済み

力の哲学

一部ご紹介します。
・弱いために侮られる者に中立という特権はあり得ない。力を放棄すれば何も守れなくなる。
・軍隊生活とは理不尽を絵に描いたような世界。なぜなら戦争そのものが理不尽なものだから。戦争に行った人間ほど、戦争を憎む。最前線に行った人間ほど、戦争を嫌う。
・子供を知識に導くことはできるが、考えさせることはできない。
・「わたしはお前に、いろいろなことを話して聞かせた。というのは、なぜ自分が罰せられるか解らない者を罰しても無意味だからだ。」
・子供に処罰を与えることは必要なのだ。痛みと共に覚えたことは忘れはしないものだから。何が悪いのか理解できないなら、それをすると痛い思いをすると学習させるしかない。
・体罰とは、医療における外科手術のようなものだ。安易に行えば、人体を徒に傷つけ、生命を危険にさらす。しかしながら、手術によってしか治せない場合もあるのだ。
・価値あるものが無料であることはない。呼吸さえも、大変な努力と苦痛を伴う出産を経なければ手に入らない。苦しみと汗と献身という代価を払った者が、人生で最善のものを手にすることができる。
・全ての道徳性の基礎となるものは、義務である。義務とは成人の美徳だ。
・「わしには、信念に基づいた行為をすることが必要だったんだ。自分が男であることを証明する要求に迫られていたのだな。ただ物を生産し消費する経済的な動物ではなくて、男であるってことを。」
・家族、あるいは種族全部といった単位以上の社会的責任ということには、想像力が必要になってくる。献身、忠誠心を始めとする高度な美徳は、自分自身で発揮しなければならない。
・どんな種族であろうと、その人口増加にストップをかけるものは、膨張を続ける種族によって押しのけられてしまう。人間は、生存する意志と、あらゆる競技に勝ち抜く能力を持った野獣なのだ。人間がこの事実を受け入れない限り、道徳、戦争、政治を正しく認識することはできない。正しい道徳は、人間のなんたるかを知ることから生じる。
・故郷とは心のあるところだ。

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2022年09月30日

購入済み

礼讚か、無意味さを訴えるものか

【2019/7/31】
ハインラインものは何冊目かです。今、SFがとても読みたい時期で、その流れでとても楽しめました。空想科学的な設定を活かして、戦争と、それに巻き込まれる若者とが活写される作品です。1959年当時、刊行された後、ベトナム戦争礼賛だ、宗旨替えだとハインラインは避難されたそうですが、これがそうなら、1987年製作の「フルメタルジャケット」だってそういわれるべきでしょう。
作品は、主人公の一人称視点で展開されますが、周囲のものとの会話、それ以上に独白が多く、また、そのテンションが高いというのが特徴です。音で聞かせる文学作品ですね。映画化されるなら、クエンティン・タランティーノが監督するとはまりそうです。
(^-^)/

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2019年07月31日

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宇宙の歩兵の物語。宇宙という話は置いておいても、成り立つ物語の構成ではある。
物語としては、ワクワクがありおもしろい。

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2015年11月26日

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ハイライン ガンダムのはしり   
表紙   8点スタジオぬえ
展開   8点1959年著作
文章   8点
内容 753点
合計 777点

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2014年12月15日

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ネタバレ

小学校の頃から、かれこれ30年近く読んでる本。今持ってるのはたぶん4冊目くらい。
年齢や立場が変わるにつれて、好きな部分が変わっていきます。
小学校のころはもちろんパワードスーツの出てくるシーン。
大学生や社会人になりたてのころはジョニーの新兵訓練のシーン。
子供ができた最近では、デュボア先生の講義のシーンが好きですね。
特に仔犬の飼い方から青少年の道徳についてのパート(185ページから)が気に入っています。

とっかかりは表紙のパワードスーツでしたが、人間としての成長や、現代社会がかかえる社会的な問題も提起している、良書だと思っています。

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2012年07月10日

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有名すぎるくらいに有名なSFですが、SFというよりは
理想的な軍隊のお話のような気が。

「軍隊」というもの、「兵士」という存在がどんなものなのか
よく分かる一冊です。自衛隊アレルギーとか、「軍隊とは何ぞや」
という事も知らずに騒いでいる、妙な平和主義の人たちに
是非とも読んでもらいたいSFです(笑)

ところでこの本の中で推奨されている犯罪者への「鞭打ちの刑」には
私も賛成です。犯罪者を税金かけて長期間拘束するよりも、
鞭打ちの刑で済ませてとっとと放免した方が、コストも安いし
再犯防止にはずっと効果的なような気が(-_-)

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2012年04月04日

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素直に面白かったし読みやすかった…

映画「スターシップトゥルーパース」が日本でだけやたら受けたせいでその原作として有名ですが、せめて翻案くらいにしといたほうが多分両ファンにとって幸せ。

これをネタに困った富野御大に高千穂さんが紹介したら勝手に「ガンダム」が出来上がったので、高千穂さんがマジギレしたのは有名な話。
が、両作品には「機動歩兵用外装骨格が活躍する」くらいしか共通点はないです。
でもスタジオぬえの描くパワードスーツはどうみてもザク。

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2010年06月21日

Posted by ブクログ

実はこれはハインラインにはまって読みあさってた頃より、少しあとになって読んだものです。
でもって、メカニカルな部分がいまいちついていけずに、一度は投げ出した本。

あとで読み直してみればメカニカルというほどのことはなく、人間がきっちりと描かれていたりの、好物SFだったので、最初に読んだときはなぜそんな印象になっちゃったのか思い返しても不思議です。

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2013年11月02日

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[作品]
1959年発表。

アメリカSF界の大御所 ロバート・A・ハインライン 著

1960年ヒューゴ賞受賞。

1967年出版。 早川書房。

矢野 徹 訳

[内容・あらすじ]
人類が惑星を行き来できるほどの技術を持つようになった少し遠い未来。人類は昆虫型の異星人と戦争状態にあった。本作は、その中で軍人であり機動歩兵と呼ばれる陸戦兵器の乗り手である主人公の活躍を描いた物語である。


本作で物語の中核の一つである機動歩兵は、国民的な人気アニメ「機動戦士ガンダム」に登場する兵器モビルスーツの元ネタといわれている。また、ガンダムとは別に本作を原作にバンダイが製作したアニメが存在する。

[感想]
個人的には一人の青年の成長物語として終始わくわくしながら読んでいたが、読後にネットなどを覗いてみると、どうやら本作は設定の一つ一つが現実社会を比喩しているらしい。まったく気が付かなかったわけではなかったが、解説を流し読みするだけでもココもココもココもと次々と出てくるので、そのつどなるほどと感心してしまった。純粋な人間ドラマ、娯楽作品としての面白さを保障しつつ学問、哲学的な部分まで踏み込んでいるのだから作者はエライ人だ。

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2013年06月22日

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発表当時帝国主義、教条主義云々で物議をかもした作品ですが、40年たった今では、暴力が平和維持には不可欠であるという世界観の中のビルドゥングスロマンとして、肩の力をぬいて読むことができるでしょう。映画『スターシップ・トゥルーパーズ』の原作であり、機動戦士ガンダムの元ネタでもあります。

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2013年05月05日

Posted by ブクログ

ハインラインを代表する本書は、ヒューゴー賞受賞の問題作。
問題作でも面白いんだ。

物語は、蜘蛛に似た宇宙生物との戦争下、地球連邦軍に入隊した主人公が徹底的な訓練と実戦を経て、一人前の機動歩兵に成長するというもの。
一見すると、異星人との熱いバトル小説なのかと思いきや、戦闘の描写はほんの一握りで、訓練や軍務を通じての主人公のモノローグが残りの中心です。
このモノローグによって、主人公がいかに一人前の軍人に成長していくかが解ります。そして、主人公の成長に一役買うのが、歴史哲学教師であるデュボア退役中佐。この教師自体は著者の代弁者とみるのが適当であって、その代弁者が軍国主義、戦争や暴力を肯定しまくるから、ややこしい。恐らく、本著が問題作と呼ばれた所以の大部分は、このデュボア退役中佐の発言にあったのだろう。
確かに過激。だけど、理解できる箇所もあったりして、正直楽しめました。

本書はヒューゴー賞を受賞したとのことですが、パワードスーツといったSF要素で点を稼いだのか、それとも著者の哲学が決め手になったのか気になるところですね。

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2013年01月02日

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映画スターシップ・トルーパーズの原作。知り合いの人からこの作品ができた背景を聞いて、熱血漢溢れるこのストーリーに納得。そこから映画ができた話を聞いて、さらになるほど。時代背景を含めて読むとそれはそれは面白い。

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2012年12月30日

Posted by ブクログ

「月は無慈悲な夜の女王」とともにガンダムの元ネタということで遅ればせながら読んでみた。

タイトルからもっと戦闘シーンの多い内容なのだろうと予想していたが、そうではなかった。

メインはむしろ主人公の青年が軍隊経験を通じて大人に成長していくその道のりであって、戦争は厳しい社会の暗喩として描かれていたように思う。

戦争シーンの生々しく過酷な描写が意図的に避けられているので肩透かしを食らった感のある読者もいるだろうが、僕はエンターテイメントとして高いレベルで完成された、熱い青春物語としてとても楽しく読んだ。

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2012年10月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1人の志願兵時代から引退までの物語。
まあ軍隊ってこういうものだよねとは思うし、色々考えさせられる。
物語は、つまらなくは無いけど、盛り上がりはあまりなく淡々と進む。

あと、1966年にパワードスーツを想像していたことは凄い。

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2012年05月25日

Posted by ブクログ

SFというか啓蒙本だった気がする。
ハインラインの本はこれが初めてだったけどもっと読みたいと思った。

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2011年11月07日

Posted by ブクログ

SF マガジン誌での石川喬司氏の、
本作についての新刊書評に対する反論投稿。
さらに 17 通の様々な投稿とその後の論争。
ネットの無い生真面目な時代がかつてあったのだと感じる。
今なら炎上状態で、にっちもさっちもいかなくなっていたのであろう。
ミリタリー SF として純粋に楽しんでしまって申し訳ない。
モビルスーツに与えたパワードスーツの影響が、
計り知れない事は容易に想像される。

1960 年 ヒューゴー賞長編小説部門受賞作品。

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2011年11月01日

Posted by ブクログ

だいぶ前に読み終わった本。
テレビを見ていた時に「ガンダム」の元になった要素がけっこうでてくると言っていて、ああ、なるほどねと思った一冊。
モビルスーツの原型みたいな強化服というのがでてきて、これを巨大化させるとそのまま「ガンダム」みたいな。
敵は異星人だし、あまり重い話はでてこないのでさくさく読めて面白かった。

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2010年12月28日

Posted by ブクログ

軍国主義への風刺がかなり効いた洋画「スターシップトゥルーパーズ」の原作。
こちらは風刺を効かせた作風ではないが、映画が好きなら読んでも損にはならない。

他惑星の生物バグによる侵略から故郷を守るために、軍に志願した若者の話。
バグの描写や戦闘が、臨場感溢れており、恐怖できる。
戦艦や訓練、装備なども密に書かれていて、SF好きには堪らない。

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2010年11月08日

Posted by ブクログ

「ガンダム」の発想の元となった小説として名高いが、パワードスーツがどうのこうのというより、終始「愛国心」について説教され続けているといった印象。

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2010年07月19日

Posted by ブクログ

非常に古典的な作品です。
ボードゲームや映画にもなった機動歩兵兵器対宇宙生物の典型的なエピソードが満載。
特に、敵が穴の中にいると言う状況は、うまく制限された視野内での小説としてはうまくできている。

各兵器にも味付けがうまくできていて、ガンダム等の作品に影響を与えたのは確かでしょう。

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2010年07月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

TVアニメ『機動戦士ガンダム』のイメージ・ソースになったとの評判と、
スタジオ・ぬえの挿絵のおかげで、ハインラインの作品中、
日本で一番読まれたのがこの作品ではなかろうか?
作中の地球対エイリアンの対決構図は、
冷戦下のアメリカ対ソ連の構図そのものなのだろうが、
マッカーシズム(いわゆる赤狩り)吹き荒れた時代に著された作品でもあるので、
作中に語られた、危険なまでに先鋭化した思想は、
マッカーシズムの結果、極端に右傾化した米国の行き着いた先を
表しているようにも思う。

それにしても、地中に潜り、機動歩兵の火炎放射器に焼かれる
エイリアンのモデルはきっと、太平洋戦争中の日本軍兵士か
朝鮮戦争時の〇朝鮮兵なのだろうなあ。
そう思うと、あまり良い気持ちはしない。

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2017年04月15日

Posted by ブクログ

30年ぶりに読みましたけど、相変わらず面白かったです。
完全な右よりかもしれないけれど、訓練によって一人前になって行くのは事実だし、成長ぶりが客観的に書かれていることが、新鮮に思えます。
この話を経済戦争に置き換えるとどうなるんだろうなぁ。。。

でもどうせだったらスタジオぬえの挿絵も入れて欲しかったです。

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2015年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

未来の異星人との戦争を描いているが、すこし皮をめくると第二次大戦がすけて見えてくる。パワードスーツが特に目を引くが、兵士の訓練と上官と兵士の結びつきや、戦闘中の心の動きなどのほうがメインに描かれる。賛否が別れるのもわかる内容だが、成長と友情の物語として読めばそう悪くもないだろう。

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2017年07月09日

Posted by ブクログ

SF小説として評価が高かったために少々古いものであったが読んでみた。
まだまだSF小説に慣れていないこともあってか、いまいち入り込むことができなかった。

途中からの戦闘シーンなどはドキドキしながら読み進められたが、少々専門的な言葉が多かったこと、また終わり方も個人的にはしっくりこなかった。

SF小説に興味を持ち始めて、いろいろ読んできているがもっと多くの本を読んで改めてこの本を読むと、また違った面白さを感じることができるのかもしれない。

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2016年01月04日

Posted by ブクログ

世界戦争で旧い秩序も民主主義も崩壊した未来です。その後にできた地球連邦において人類は再び繁栄しついに宇宙に進出しますが、別な知的生命体と遭遇して戦争状態になります。主人公リコは高校卒業後すぐに軍に志願し新兵訓練を経て機動歩兵として実戦に参加、やがて士官学校に通い少尉となります。一種の青春成長記です。

なんたってパスワードスーツですよ。これはカッコいい。

そして宇宙人は蜘蛛型です。蜘蛛でも文明があり都市を築き宇宙へも進出します。日本のアニメだと異星生物とも愛で分かり合える結末を迎えそうですが、それはないです。ひたすら殺しあいます。無情です。種の生存をかけた戦いです。

発表当時は問題作と言われたらしいですが、たぶん軍隊経験がないと参政権が得られない設定とか、暴力は歴史上何よりも多くの問題を解決してるとか、最も崇高な運命は祖国と戦争に命を投げ出すことだとか、昨今の平和主義者が読んだらゲロ吐きそうな世界観だか
らだですねw。これがまたよく書けているので、厨二病的に影響される人も多いことでしょう。

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2015年02月17日

Posted by ブクログ

 SFの名作だが、戦争礼賛的な側面が波紋を呼んだらしい。あまり礼賛しているとも思えないが。近未来の地球で、地球連邦軍に志願したジョニーが、訓練を経てパワードスーツをまとう「機動歩兵」となり、異星人との戦争の渦中へ埋もれていく。舞台の地球連邦では、軍籍がない限り、公民権を得られないのが作品の特に重要な点だ。公民権てそもそもどういったものが与えられていて、それが日々の生活にどう関係しているか?公民権の主たる選挙権について、主人公も考える。公民権を得られるという「特権」は命を賭けるに値するものなのか。日々の苛烈な訓練の合間で、ふと考えるが、戦闘につぐ戦闘で、その問いの答えはうやむやになっていく。
 物語の後半、ジョニーは職業軍人になる決断をして士官学校へ入校する。学校ではこの論議を徹底的に繰り返す。わずかな人間のみ公民権を与える理由。たとえ、選挙権を得たとしても、それをきちんと行使できるか。権利に伴う責任をいかに果たすか。戦闘はますます激しさを増していく。
 青春譚ではないし、単純なSFでもない。一読ではわけのわからなさが、名作のゆえんかな。

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2013年09月12日

Posted by ブクログ

古典。ストーリーは単調。「フルメタル・ジャケット」みたいなノリがほとんど。ただ戦争をネガティブにはとらえない。現代の社会道徳が失敗したのを教訓に作られた社会道徳という設定。十代の頃、背伸びして読めば、いろいろ考えさせられるかも。

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2012年05月17日

Posted by ブクログ

映画「スターシップ・トルーパーズ」の原作。ハインラインが原作とは知りませんでした。映画は原作の設定を生かしつつ、ハインラインが作品全体を通してしつこいほどに熱心に語っているファシズム礼賛的な考えを、茶化すような感じの演出に使っていてB級映画のAランクという感じに仕上がっていて面白いです。軍国主義のためのプロパガンダ小説とも、ジョニー・リコという青年の成長物語とも、過去の軍隊幹部への批判とも、いろいろ取れる問題作。ヒューゴー賞受賞。

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2012年03月15日

Posted by ブクログ

今年最初の読書は古典SFから。
「小説で読む『フルメタルジャケット』」というのが読んだ感想。私はこの映画が大好きなので、この小説も楽しく読めた。

敵のクモどもというのは、インディアンとジャップとベトコンを突き混ぜたようなものであり、なんというか、突っ込みどころはたくさんある。その第一は政治レベルでの戦う理由が丸で分からないことで、外交レベルで話がつかない理由が分からない。だってそれは、「歩兵」レベルで肉弾戦をしている理由であるからで、そこをごまかしているなあ、と思う。

「こういう視野の狭いファシストだからこそ、こういう意味のない戦争を延々と続けるのだ」というずいぶんとひねった話だと思っていたら、なにかそういうものでもないらしい。ハインラインは「大真面目にこういうのを主張」して、それについて「大論争」を巻き起こした「問題作」なんだそうな。

巻末にねっちりと載せられた40年前のレビューを読むと、「ネタにマジレスする男の人って・・・・」という感じがする。
昔の人は純朴だったんだなあ、と思う。
当時のこの人たちに2ちゃんのスレを差し上げたいと思う。
ネットはやっぱり、意味があるのだろう。

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2012年01月07日

Posted by ブクログ

たっつんの書評になかったら読んでみようとも思わなかっただろう1冊。いや嫌いとかではなくて、こういうものは手をつけたことなかったから。でも予想より面白かった。軍隊ものってことでなじめないかなって最初は思ったけど、人間同士のやりとりとか、哲学っぽい話とかもあって。暴力と平和についてちょこっと考えさせられつつ、単純に楽しめるお話でした。

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2011年07月15日

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