ロバート・A・ハインラインのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
こういうSF大好き。主人公のへこたれなさ、技術者としての矜恃と発明家としての才、そして愛猫ピートへの愛と信頼。応援したくなる物語であり、こいつならなんとかするだろうという安心感もある。
コールドスリープとタイムトラベルを用いた前後両方への時間移動が登場する世界。とはいえそこまで超未来的な描写はなく、あくまで2000年代のアメリカなんだなあと思う部分もあったりして、不思議なバランス。それもそのはずでこの小説は70年ほど前に書かれているから、全て想像上の世界。作者が思い描いた程は科学技術は進歩していないような気がする2025年現在。あと100年後の未来はどんな感じなんだろう。
現実の2002年 -
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Posted by ブクログ
ネタバレピートという可愛い猫が登場する、タイムリープ系のSF小説。中盤以降、ピートが物語から離れてしまってからは、「ピートはどうなったんだろう」と気になって仕方がなかったが、最後には綺麗に伏線が回収されていて胸がすっとした。時間軸がぐるりぐるりと回りながら、一筆書きのように繋がっていく展開が読んでいて心地よかった。
SF小説を読むのは初めてだったが、「SF×動物(猫)」という組み合わせはあまり見ない気がした。ふとドラえもんを思い出したが、猫的な存在がいると、どこか人間味が増して、科学の世界にも温かみが生まれるように感じた。
また、作中で未来の機械として登場するものの中には、現代で実際に実現しているもの -
Posted by ブクログ
かつて知人にこう言われた。ハインラインはタカ派の作家である、と。確かに『宇宙の戦士』は好戦的な内容とも捉えられるし、本作で月世界植民地が地球政府に対して独立を挑む、という内容もそういう風に見て取れる部分はある。
ただ、だからと言って本作が戦争を賛美し、他国に攻め込んで逆らう奴ァ皆殺しにしてしまえ! と叫んでいるかと言うとそうでもない。
月世界の描写は圧倒的で様々な登場人物からなる群像劇になっているし、何と言っても一人の人間から見た「革命」の図がいい。壮大な物語でごちゃっとしそうだが、一人から見た図だから難解になっていないのだ。強大な地球政府とどう戦うのか? これには大変興味を惹かれた。 -
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Posted by ブクログ
ライブハウスでバイトをしていた当時、お客さんに薦めてもらった本。10年以上経ってしまったが、今さらながら読み終えた。SF小説=ディストピア作品、という私の固定観念を壊してくれた。
夏への扉。タイトル通りのさわやかな読後感を味わうことができた。
ジャンル的には確かにSFなんだけど、ヒューマンドラマ性が強くて日本人には比較的親しみやすいんじゃないだろうか。
SF小説かつ和訳本ということで読みづらいのではないかと当時は避けてしまっていたが、とても読みやすかった。
私が海外の本が苦手な理由の一つに、カタカナの固有名詞が多くて何が何なのかが一致しなくなる問題が発生することが挙げられる。その一点におい