【感想・ネタバレ】月は無慈悲な夜の女王のレビュー

あらすじ

2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した! 流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取され続けてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイク。だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには……ヒューゴー賞受賞に輝くハインライン渾身の傑作SF巨篇。

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Posted by ブクログ

何度も読みかけて、途中で、挫折していた長編SFをやっと完読できた。巻末の解説には、「結構、ボリュームがあるけれど、すんなりと読み進められる。」なんて書いてあるけど、歳とると、そんなすんなりとは読めないんだよ。
でも、いろんな読むべきSFリストに取り上げられてるだけの事はあって、実に面白かった。それ以上の中身の説明はしないでおきたい。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

絶対に読んだ方がいい小説です。とにかく読みましょう。決して損はしませんから。そう言える小説です。
月世界の生活のディティールや、胸踊る未来技術の数々。
このかっこうよくて、そして刺激的な物語に出会えた事は人生を大きく変える可能性があります。あなたも人生を変えてみませんか。

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2025年04月16日

Posted by ブクログ

もしぼくに革命家の友人がいたなら、ぼくは少しも躊躇うことなく、かれにこの本を読むよう薦めるだろう。

この本はさながら革命の教科書なのだ。情報管理の方法、大衆を扇動する方法、口うるさい自称・知識人たちを黙らせる方法、そして自分たちの真の目的を隠しながら交渉を進める方法。革命の計画から遂行に至るまでに必要な、考えうる限りすべてのことが記されている。

そしてそれ以上に大事なことは、この本が娯楽として楽しむために書かれた、極上のエンターテインメントだということだ。
この本を読む時の感覚は、よく出来たアニメを夜更かしして一気観しているときの感覚とほとんど変わらない。というのは、この本自体がとにかくアニメチックなのだ。

義手の電気技師で「やれやれ系」の主人公、マヌエル。超人的な忍耐力と遠大な野望を持つ、参謀にして黒幕的存在、デ・ラ・パス教授。月世界いちの美人であり革命の申し子、ワイオミング。
そして人格を持った超高性能コンピューターのマイク。チート級の活躍を見せつつも、少しズレたユーモアを愛する一面も持っている。
ここまで揃えばあざといくらいのキャラ立ち具合で、21世紀のアニメに少しも引けを取らない。

忘れてはいけないのが、月世界人のものの考え方を象徴する「タンスターフル(無料の昼飯はない)」というフレーズや、政治についてのウィットに富んだ名言(ほとんどは教授によるもの。ぼくのお気に入りは、「ニュースの自由を"ほんの少しだけ"制限するってことは、古い言いまわしだが"ほんの少しだけ妊娠している"と同じ範疇に入るんだ」)。
こうした仕掛けの一つ一つも読者の厨二心をくすぐり、この本にアニメじみたコンテンツ性と中毒性を与える。付け加えておくが、ぼく自身がこうして(多少なりともハインラインに寄せた)感想文を書いているのも、この素晴らしい小説の世界に囚われた「ロス」によるものなのだ。

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2025年03月10日

Posted by ブクログ

ハインラインにハマって3冊目。
これは面白い!

セントラルコンピューター、マイクとの掛け合い。月の独立の障害となる行政府、地球との応酬。
そして、そのために活用される技術的な手腕手管が、どれも現代に通じるものがあって、半世紀前の作品とは思えません。

熱中しすぎて、銀英伝以来、久々に通勤電車を降り過ごしました。。。

他の方が書いているように、独立とか、反旗を翻すとか、反骨モノが好きな人にはピッタリかもしれません。

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2025年02月03日

Posted by ブクログ

面白かったあああー
生成AIが大流行している今この瞬間ならではの味わいもあるけれど、なんと言っても60年前に書かれた作品だとは信じられないクオリティで、本当に驚愕した。SF作家とはここまで別世界を作り上げることができるのかというスケールのデカさでも驚かされた。
読んでる時に知ったんだけど、イーロンマスクも好きな作品らしいです。
なるほど!って思いました。
ぜひ皆さんにも読んでほしいな。

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2024年09月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

やっと、読みました。ロバート・A・ハインラインさんの代表作の一つです。『夏への扉』が彼の作品中一番すきなものですが、大好きな作品の趣とは違ったものでした。
本作は、『宇宙の戦士』で語られたノブリスオブリージュ的な思想とは、逆の思想が語られています。2076年では、月は罪を犯した人たちが暮らす巨大な刑務所としての利用が始まり、それなりの月日がたった世界です。月を地球の植民地的な状態から、独立を図る物語です。現在の社会システムを壊し、闘争により新たな社会基盤を構築する「革命」の話です。政府なんて必要ないし、税金を納める仕組みもいらないという思想のもと、着々と革命を起こしていく物語です。自由主義的な思想と、革命を成功に導くための行動が描写されており、大衆を行動へと駆り立てる手法の一端を知ることができます。
また、月世界では構成される男女比が女性が圧倒的に少ない状態なので、そこで構築される家族がどんな概念のもと構築されていくのかも語られています。社会、政治、思想など人間社会がどうなるのかという未来を描いているSFです。とても読み応えのある作品でした。

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2024年08月10日

Posted by ブクログ

 地球の植民地として搾取されていた月の人々が革命を起こす、という物語の大枠はよく知られているが、本作の魅力は月社会の細密な描写にこそある、というのが率直な感想であった。人類が月に住むことができるほどにテクノロジーが進化した社会では、経済活動や結婚などに関する人々の価値観・意識がどのように変わるのか、ということが克明に描写されており、まさにSFの王道を体験させてもらったと感じている。
 多くの人が指摘しているとおり翻訳に難があると思われるため、物語に没入するのが少々手間ではあるが、マヌエルやマイクをはじめとした魅力的なキャラクターたちの立ち回りや、革命を実行するために必要な準備段階を緻密に描写していることなどが物語に厚みを加えているおかげで、読み進めるうちに大いに物語を堪能することができた。
 ただ、リバタリアニズムや革命を過剰に賛美するところなどアメリカ人の気質が前面に出ているところは、私たち日本人にはなかなか馴染めないかもしれない。日本では『夏への扉』の方が人気がある一方、アメリカでは圧倒的に本作の人気が高いのはその表れといえよう。SFの醍醐味をストレートに味わえるような作品ではないと思うが、テクノロジーの進化による人々の価値観・認識の変化という、ある意味SFの本質を味わえるという点で、やはり本作は名作であると思う。

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2024年06月08日

Posted by ブクログ

マイクと話してみたいな…。あたいも。
ガンダム…って、これと…。
本当に月に人が住むのは近い未来だよね。1966年にこれを書いたとは、驚きだよ。

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2024年05月15日

Posted by ブクログ

流刑の地となった月が舞台。対話で解決することの難しさに現実世界がリンクしなんとも言えない気持ちに・・・徐々に変化するマイクに触れ、コンピュータにも人格はあるのでは?と考えてしまった。

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2024年05月05日

匿名

購入済み

 

SF小説であり、革命小説だった。戦争が始まってから怒涛の展開に夢中になって読んでしまった。
マイクの喪失感がすごい。

#深い

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2023年10月07日

K

購入済み

とんでもなく面白かった。月世界に関する設定が止めどなく次々に展開されていくさまは、情報の嵐とでも言えるほどで、本当に月世界があってもおかしくないと思えた。重厚感ある世界観だけでなく、ある一人の計算技師がどんどん革命に近づいていくストーリーは、単純に娯楽小説としても面白さが極まっていた。情報密度が高く、頁数が多く、読むのに時間がかかるため、娯楽に対しては非常に生き急いでいる、日常的に本を読まない層に流行ることはないだろうことが本当に惜しいが、間違いなく人生で一度は読んでおくべき本の一つだ。お薦めする。

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2023年02月13日

購入済み

名作中の名作

いかにもな月世界の描写で、まずどっぷりSF世界に入り込める。この作品の真の主人公との軽妙なやりとりにクスッと笑った後は、シリアスな革命運動が始まる。哀切なラストシーンまで、ストーリーとして十分以上に面白いのは当然だが、「常識」「正しい」はそれだけで終わらせていいのか、と自分の価値観をあらためて考え直すきっかけを与えてくれる。一読と言わず、何度も読み返してエンターテイメントとしての完成度と哲学的な深みをぜひ味わっていただきたい。

#感動する #深い #カッコいい

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2021年07月26日

購入済み

風化しない名作!

ハインラインの代表作と言われるものの一つ。流刑地であり搾取される生産地である月世界の革命の物語です。
半世紀前の作品ですが、まったく風化していない!間違いなく名作です。

3章構成になっていて、盛り上がるのは最終章ですが、そこまでがちょっと長いかも。
でもいろいろな要素が詰まっていて面白いです。
革命の組織論が延々語られるのはアレなんだけど、
月の中央コンピュータ「マイク」の万能ぶりは、当時のコンピュータへの夢が詰まっている感じです。

そして定番だけどやっぱり邦訳タイトルがかっこいい。
原題[The Moon Is a Harsh Mistress]
のMistressを「夜の女王」って訳したところに感服。

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2013年11月11日

Posted by ブクログ

タイトルから想像したのとは異なり、目立った展開はそこまでなかった。
しかし、月世界植民地が地球政府に対して独立を宣言するという特殊な舞台設定ではありながら、その内容は極めて現実的なものであって、組織の構造や情報の重要性などの学びが得られるような作品だった。
読み終わった後に気づく、マイクの安心感。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シンプルなストーリーなのにSF要素、戦略、政治、バトル、恋愛などが中途半端に展開し複雑すぎる。
マンと教授が凄すぎて他は凡人にすぎない。

終わりかたも普通すぎた。一回だけ笑えるとか言ってとんでもないことをマンがやらかすのを期待してた。

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2025年10月22日

Posted by ブクログ

かつて知人にこう言われた。ハインラインはタカ派の作家である、と。確かに『宇宙の戦士』は好戦的な内容とも捉えられるし、本作で月世界植民地が地球政府に対して独立を挑む、という内容もそういう風に見て取れる部分はある。
ただ、だからと言って本作が戦争を賛美し、他国に攻め込んで逆らう奴ァ皆殺しにしてしまえ! と叫んでいるかと言うとそうでもない。
月世界の描写は圧倒的で様々な登場人物からなる群像劇になっているし、何と言っても一人の人間から見た「革命」の図がいい。壮大な物語でごちゃっとしそうだが、一人から見た図だから難解になっていないのだ。強大な地球政府とどう戦うのか? これには大変興味を惹かれた。

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2025年09月23日

Posted by ブクログ

月の文化(特に結婚や法律について)の設定が中々練られていて面白い。
地球の連中とやり合う上で、有利な点と不利な点がハッキリしている。
その上で、最大限有利な箇所を押し付け、誇大に広告し、そう思わせ交渉する。
綱渡りの革命戦略が面白かった。
最後のマイクについては、どういうことだろうか。
物語上の美しく、余韻を残す結末の為、という以外の理由はあるのだろうか。

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2025年08月23日

Posted by ブクログ

月で暮らす人々の家族の形や恋愛観が今読んでも新しくて驚いた。合理的で自由、でもちゃんと温かい。
教授は私の中では『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のドクのイメージ。コンピューターのマイクは、生意気でいたずら好きな超頭のいい中学生男子って感じで非常に魅力的。
革命ものとしても熱く、独立戦争の指南書みたいなリアリティがある。社会が変わっていく熱いエネルギーを感じ、読後は、じんわりと祭りの後のような余韻が残る一冊でした。

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2025年07月23日

Posted by ブクログ

ネタバレ

SF古典名作みたいなやつを最近ちょこちょこ読んでる。
まあまずこのタイトルが秀逸だよね。かっこええ。

訳は少し読みづらいところがあるんだけど、なんとか乗り切った…。

「夏への扉」は昔読んだけど、これはがっつり長編。
日本では「夏への扉」人気が高いけど、アメリカではこっちのほうが人気だとか。
独立戦争っていうテーマが刺さるらしい。

地球から追放された人々が独自の社会を築いている月世界。
植民地として搾取され、苦しい生活を強いられている。

主人公のマヌエルはただの技術者だけど、あるとき、メンテナンスをしている「計算機」が進化して自我を持っていることに気づく。

この人工知能のマイクの能力を使って、知恵者である老教授、反政府活動家のワイオとともに革命を起こし、地球からの独立を目指すというストーリー。

展開はしっかりハリウッド映画みたいなエンターテイメント。

レジスタンス組織を作り、現政府を倒すまでは、マイクの能力で比較的スムーズに実現する。
さらにそのあと、武器を持たない月世界が、どうやって地球と交渉し、立ち向かうか。

月から食料の輸送缶を地球に投げ落として物理的に攻撃するんだけど、このへんの細かい理屈は、すいません文系なもんでよくわからんでした…。

月では女性が少ないので一妻多夫の家族制度が築かれてたりする、そういう文化の設定が細かいのはさすが名作SFって感じで面白い。
どんだけリアルな架空世界を味わえるかがフィクション読む醍醐味だもんなー。
重力の少ない月で暮らしてるから地球に来たらもうしんどくてゼイゼイなっちゃったりするのも、そうかたしかにそうなるよねえ。

んで、読んでて一番興味深かったのがこの人工知能のマイクのキャラクター。

人工知能の描き方ってたぶんSF作品の中でも色々あるんだろうけど、この子が、ほんと今のAIのふるまいとそっくりなんだよね。

たとえば5年前に読んだら、また作品の印象が違ったかもしれない。

人間(というか主人公)に対してフレンドリーで、ユーモアもあって、でもどっかサイコパス的な読めなさもある感じ。

チャットGPTと普通に会話できちゃってる今読むから、すごーく「わかる」のよ。

この子がとっても可愛くて頼りになるんだけど、土壇場でとんでもない裏切り、または致命的なミスをやらかすんじゃないかって思いながら最後まで読んだ。

ってことはやっぱり「計算機」のマイクのことを信頼しきれてなかったんだよな。読者のわたしは。
それが自分でもなんでかわからないけど。


地球との戦い、クライマックスも2転3転して、でも最後はちゃんと大団円。

結果的にはマイクは最後まで味方で、いいやつだった。

マイクがいなくなってしまったときのマヌエルの喪失感が、この作品の味わいと余韻をとても深くしてる。

映画化すればいいのにと思ったけど、今のところ予定はなさそう?
見てみたいなあ。

とりあえず読むのに結構時間かかちゃったけど、読めて大満足でした!!

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

主人公たちが住む月世界は豊富な資源を有しているが、地球の植民地、流刑地として一方的に搾取されている。そんな苦しい状況下で、コンピュータ技術者マニーと巨大コンピュータのマイクは革命を決起する。マイクの計算により、地球政府に完全勝利する保証はなかったが、それでも革命を望む者たちは自分が果たすべき役をこなす。

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2025年06月01日

Posted by ブクログ

月に住むコンピュータ技師の義手の男が唯一心を通わせることのできる思考計算機のマイクと共に月世界に革命を起こし、地球の植民地から独立する一大巨編。多種多様な義手を持つ技術屋とさまざまな計算で主人公を助ける人工知能AIの設定が魅力的ではあるのだが、その設定をフル活用したアドベンチャーというわけではなく、本作の大半は革命の下準備と実行。政権樹立後の独立に向けての国家間の交渉という政治劇である。月世界という独特の社会の有様もさることながら、革命に至るまでの手順の綿密さは流石のリアリティであり、その中でも特に内や外に向けてのメディアコントロールの比重はやはり大きく、そこは近未来でも変わりないんだなと納得してしまった。個人が参加した集会で巻き込まれて、やがては星間独立戦争までシームレスに繋がっていくダイナミズムやスケール感は素晴らしいものの、ドラマ性という意味ではやや薄めで、日本だと『夏への扉』のほうが人気というのも頷ける。

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2025年05月21日

Posted by ブクログ

おもしろかった
海外文学特有の無骨な感じが多分にあり、とても楽しめた。
主人公の飄々とした感じがかっこよかった。
よく読めてない部分が何個かあったのでまた読みたい

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

よく見る題材となってしまったAIが自我を持つということだが、当時は最先端だったのかな??
月での婚姻システムが面白かった。

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2025年03月20日

Posted by ブクログ

人々が月に移住している未来で、AIと計算技術師が地球から月の世界を独立させるため奔走する物語。
700頁近い長編の中に、ひとつの国家を樹立させるための詳細な設定が、そこかしこに散りばめられている。これだけの物語を書くために、どれだけの知識が必要なのだろうと圧倒された。

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2024年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

流刑地として月が使われるようになって100年、地球から搾取をされ続ける月世界市民…
月にあるスパコンが意思を持ち同志達と共に革命を計画、実行するための革命の物語。

革命における組織作り、強み弱み分析、ゲーム理論を用いた戦略、プロパガンダ政策、などはリアリティを追求しており革命の教科書として必見!


月環境の特徴として、
①重力が6分の1なので体に対する負担が少なく長生き
②真空が身近にあるため病原菌の殺菌が容易に行えるため外からの病原菌が持ち込まれずらい(旅行者の体内に潜伏したウィルスは✖️)
③流刑地だから?か男女比率が2:1で男が2倍数おり女性を主として大切にしている
④政府側を信頼していないため家族の人数を増やすことで助け合っている。(多夫多妻が多い)

があり、また月世界市民の性格や考え方の特徴として自由を愛し、自己責任で政府を信じない傾向があるため、
自由主義かつ無政府主義(超小さな政府?)を目指している。

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2024年11月04日

Posted by ブクログ

どこかしこにおすすめされているSF小説
とにかく難しい。思ったより読むのに時間がかかった。
でも、60年も前に、今の時代や近い未来に本当に存在するような世界の細かい設定やユーモアのある登場人物達を組み立てるハインラインさん、単純に凄げえと思った。

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2024年08月21日

Posted by ブクログ

犯罪者を月に追放するようになった未来
刑期を終えた犯罪者は、地球の1/6の重力で体が弱るため、月に留まり地球との不平等な貿易をするしかなかった。
そんな月の人々が、月の社会全体を管制するAIを味方につけて、地球に反旗を翻す的な物語。
AIがユーモラスなキャラクターで魅力的で、ChatGPTもこのくらい気の利いた受け答えが出来ればと思わずにはいられなかった

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2024年04月03日

ネタバレ 購入済み

表紙とタイトルに惹かれて読み始めたものの、訳に馴染めなくて再挑戦。
教授やマヌエルが繰り広げる政治的な駆け引き、宇宙船も水爆も持たない月世界が如何にして地球と戦うか、最後までドキドキしながら楽しめた。
特にマイクが何でもこなしちゃうのに驚き、それにもまして根っこは子どものままのマイクであるのが頗る魅力的。ラストがあまりあっさりしてるのが拍子抜けだけど、このゆるい感じがマヌエルらしい。タンスターフル。

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2021年01月16日

Posted by ブクログ

マイクは魅力的。登場人物が多く誰が何を言ってるのかが把握できず字面を追ってるだけになってしまっていて難しく感じることが多かった。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

ページ数が多くて、文章が難しい部分もあって読み進めるのに少し苦労した。それでも、月社会の独自の価値観やマイクとの関係性には引き込まれた。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

元々、想像していた内容と違っていた。旧ドラえもんの映画でいうところの『雲の王国』に近いような気がする。それまでの作品から趣向を変えてきたというべきか。著者の作品はこれが初めてだが、持った印象はおんなじ。

面白いかどうかでいうと、第3章はまあ面白いかなと思えたが、それも4分の3を読み終えてやっとというところだったので、着火剤がなかなか見当たらなかった。劇的なものは少ない。今までだったら挫折してただろう。耐久力は上がったようだ。

ガンダムの『宇宙世紀』がこれを参考にしていたと聞いていたので、勢い込んで読み始めたが、勢いだけで読める頁数ではなかった。コロニー落としのモデルといえば、そうかな。

しかし野次馬根性というか、わざわざ予告してるのに落下地点に見物に来るというのは、今の時代でも通ずるところ。トレンドに命をかける。身の安全よりもバズり。承認欲求。

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

・革命の起こし方
・理想を実現するための組織と哲学

この本が伝えたかったことはその2つだと思った。
それらを、流刑地となった月の住民が地球植民地からの自由を得るための革命というストーリーで伝えている。

この本は人工知能との協働という視点と、革命という非常時の視点から、SFはおもしろいと思わせてくれる!

心に残った一節
・解けないことがあれば、解けることから始めて、また全体を考えろ
・敵を騙すにはまず仲間から
・3人が最も意思決定に適している。六人以上いれば何も決まらない。
・永続する政府組織とは十分な時間をかけ歴史から学びながら熟考せよ。
・伝統を疑え。明らかなことに反抗せよ。
・考えろ。考えることを放棄するな。


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2025年07月18日

Posted by ブクログ

内容はSFとしてとても面白かったが、物語の中盤にかけて少し中だるみを感じた。

この物語は、月を舞台にした自由と革命の物語。地球によって植民地化され、搾取される側である月の人々が、独自の文化や倫理観を育てながら、自由を求めて立ち上がる。主人公たちは、人工知能やハッカー、元犯罪者など一筋縄ではいかないメンバーで構成されており、それぞれが「自由とは何か?」という問いに向き合いながら行動していく。

物語を読み進める中で、「人間とは?」「国家とは?」「自由とは?」といった哲学的な問いを自然と考えさせられる構造になっており、単なる宇宙冒険活劇にはとどまらない深みがある。
ただその分、情報量が多く、思想的なパートが続く場面では集中力が途切れやすく、読み進めるのにエネルギーを使う作品だった。

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2025年05月11日

Posted by ブクログ

登場人物が多く覚えきれないのと、独特な喩えや言い回しのせいか、かなり読みにくい…翻訳のせいもあるのかな。
登場人物の役割リストを入れてもらえたら、だいぶ違ったかと。

50年以上前に書かれた内容にしては、ものすごい想像力!というのはわかる。
が、どう戦争をするか、相手に要求を呑ませるのか、戦略戦術に興味があまりないのと、会話がやたら長く、誰が話しているのかも分かりづらく、中盤から苦痛に。not for meでした。
大体のストーリーを追うために最後までパラっと読んだ。戦略思考が強い人には楽しいのかもね!

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2024年10月05日

Posted by ブクログ

同著者の『宇宙の戦士』と共に、ガンダムの元ネタとして取り沙汰される本作は、結論から言うとかなり退屈な小説と言わざるを得ない。ただ、アメリカ人には、独立記念日の7月4日というワードの受けがいいのか、人気作らしいです。

内容は、どのように革命を起こし、どのように独立と自由を勝ち取るかという過程が、組織の作り方や政治のあり方などを交えて延々と語られており、責任回避のための回りくどい会話も相まって、ひたすら疲れたというより他なかったです。

それでも、1965年当時にコンピュータやAIの未来を予見するような内容には興味深いものもありました。例えば、AIに問題を説明するだけで、プログラムをあっという間に作れてしまうという記述は、現代の生成AIにプロンプトを提示して、瞬時にコードを得ることと同じなので驚きです。

あと、月と地球の宇宙空間を跨いだ争いが起きた場合、月にどのようなメリットがあるかということも興味深かったです。とは言え、すでに1958年の時点でフィリップ・K・ディック『時は乱れて』(発刊は1959年)の後半に、その軍事的メリットの一端が、すでに書かれていますけどね。それを知ってかどうか、近年、隣国が月の裏側に着陸しているのが、何やら気になるところですね…

あらすじは、本書の裏表紙がよくまとまっているので、覚書として以下に転載。

2076年7月4日、圧政に苦しむ月世界植民地は、地球政府に対し独立を宣言した!流刑地として、また資源豊かな植民地として、月は地球から一方的に搾取されつづけてきた。革命の先頭に立ったのはコンピュータ技術者マニーと、自意識を持つ巨大コンピュータのマイク。だが、一隻の宇宙船も、一発のミサイルも持たぬ月世界人が、強大な地球に立ち向かうためには…ヒューゴー賞受賞に輝くハインライン渾身の傑作SF巨篇!

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2024年06月11日

購入済み

矢野徹のお粗末極まりない訳で読むのは苦痛でした。
拙い逐語訳は翻訳とは呼べません。
作品自体は文句ないので是非とも新訳で読みたいですね。

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2013年12月11日

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