ロバート・A・ハインラインのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
今年最初の読書は古典SFから。
「小説で読む『フルメタルジャケット』」というのが読んだ感想。私はこの映画が大好きなので、この小説も楽しく読めた。
敵のクモどもというのは、インディアンとジャップとベトコンを突き混ぜたようなものであり、なんというか、突っ込みどころはたくさんある。その第一は政治レベルでの戦う理由が丸で分からないことで、外交レベルで話がつかない理由が分からない。だってそれは、「歩兵」レベルで肉弾戦をしている理由であるからで、そこをごまかしているなあ、と思う。
「こういう視野の狭いファシストだからこそ、こういう意味のない戦争を延々と続けるのだ」というずいぶんとひねった話だと思っていたら、なにかそういうものでもないらしい。ハインラインは「大真面目にこういうのを主張」して、それについて「大論争」を巻き起こした「問題作」なんだそうな。
巻末にねっちりと載せられた40年前のレビューを読むと、「ネタにマジレスする男の人って・・・・」という感じがする。
昔の人は純朴だったんだなあ、と思う。
当時のこの人たちに2ちゃんのスレを差し上げたいと思う。
ネットはやっぱり、意味があるのだろう。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ大人のいる「十五少年漂流記」。ソ連からの核攻撃をシェルターでやり過ごした合衆国の一家族のサバイバル。中盤からは、未来社会で生きるタイムスリップSFにがらりと変わった。
冷戦や核戦争、人種についての話題が登場するのも、1960年代に書かれた小説ならでは。前者については、そういう時代だったでスルーすることができても、後者については非常に鼻に付いた。数千年後の未来社会でまで、人種という下らない差別で生き方に差が出るもんか。豊田有恒「モンゴルの残光」でも読んでろ。
ハインラインは合衆国が大好きだね~。主人公のおじさまが「アメリカは歴史のなかで最良の国だ」とか言っちゃうし。ねーよw黒人のハウスボーイを雇っている時点で何かに気付け。
若い頃は美人だった奥様をもつ決断力のある五十代のおじさまが、若い女の子とくっつく話と言っても間違えではないと思う。妻がいるのに若い出戻り女と子供をつくっちゃうし。娘も出戻り女も、若い男性よりおじさまにメロメロ。軍隊経験があり規律を求め皆を先導するおじさまと、弁護士で言論や行動の自由を求め父にちょいちょい口答えする息子が対比されている。おじさまが現代に戻り新しい妻と子供と未来を作っていくのに対し、息子は去勢されて薬による幸福につかる日々を過ごす。おじさまが正しくて息子が間違っていると言わんばかりの仕打ちに萎えた。おじさまが正義!って主張にしか読めない。
合衆国万歳な思想にツッコミどころは沢山あるし、好きだと言える登場人物もいなかったけど、最後まで読めたのは、娯楽性の高かったからだと思う。それとも語りの上手さか、ハインラインがエンターテイナーだからか。今読むと時代を感じるのは確かです。 -
Posted by ブクログ
■(「BOOK」データベースより)
アイオワ州に未確認飛行物体が着陸した。その調査におもむいた捜査官六名は行方不明になってしまった。そこで、秘密捜査官サムとその上司、そして赤毛の美人捜査官メアリは、真相究明のため現地に向かう。やがて、驚くべき事態が判明した。アイオワ州の住民のほとんどは、宇宙からやってきたナメクジ状の寄生生物にとりつかれていたのだ。人間を思いのままに操る恐るべき侵略者と戦うサムたちの活躍を描く、傑作冒険SF。
■感想
最初はそうでもなかったけど、読んでいくうちにだんだんと表紙に違和感を覚える。
たぶんサムとメアリなんだろうけど、私のイメージとものっそい違う。
ハインラインは夏への扉の印象が大きかっただけに、パイレートの扱いには結構本気で泣いた。
猫らしい猫らしさなんだけど、あれはない…(´;ω;`)ぶわっ
しかし夏への扉のヌーディストビーチといい、今回の服を脱ぐアレといい、ハインラインは服を脱げ派なんだろうか。
本編はそれなりに面白かったけど、たぶん二度と読めない本になった。
パイレートのアレはキツイ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレある日ナメクジみたいな宇宙からやってきた生物が地球を侵略しはじめる。このナメクジは寄生生物で人間の背中に取り付き、取り付いた宿主を思うままに操ることが出来る。寄生生物は人間に気づかれることなく、徐々に仲間を増やしていく。秘密捜査官サムは、おやじ(オールドマン)と赤毛の美人捜査官メアリとともに、何とかしてナメクジによる侵略を食い止めようとする…。
この小説の中では、宇宙から来た寄生生物は、恐怖と憎悪の対象として描かれている。それに立ち向かう人類(アメリカ人)の英雄という構図だ。細かい調査抜きで、寄生生物と平和的な話し合いの機会を設けず、ただ「敵は殺せ」というアメリカの正義至上主義的な姿勢が貫かれている点には少々疑問を覚える。が、ハリウッドなんかでアクション映画として売り出したら、うってつけの娯楽映画になるんじゃないだろうか。
ちなみにサムがメアリを彼の別荘に連れて行ったとき、パイレートという猫がメアリを受け入れることを示す一種の儀式めいたことをする。
"
「やれやれ安心した」とぼくはいった。「いまちょっと、きみをここに置いておくのを彼[雄猫]が許してくれないんじゃないかと思ったよ」
メアリは顔を上げて微笑した。「心配することはないわ。私の三分の二は猫だもの」
「あとの三分の一はなんだい?」
「それはあなたが見つけるのよ」
"
殺し文句だね。なんていい女だ。惚れる。 -
Posted by ブクログ
いやー、こんな話だったっけ。全然覚えていなかったよ。
加藤直之のカバーで読んだのは30年近く前なんだろうな。一人称の小説だったということは覚えていたけど、まさか主人公が諜報機関のエージェントだったとは。
しかし、いきなり同僚に一目惚れとか、どうにかならんかね。
人形使いに操られていないことを証明するためにアメリカ大統領以下、議員先生全員パンツ姿というのも、実際こうするのが合理的とは思うんだが、その風景を想像するとあまりにマヌケすぎておかしすぎ。いくらなんでもこんな笑える小説を古典にしちゃマズイだろと思うんだが。
あと、なんだか、思想的には「宇宙の戦士」以上に右翼的。侵略を受けた報復に人形使いの本星を攻撃に向かう、というのは話の流れから当然とは思うのだが、まるで戦争中の戦意高揚プロパガンダみたいな雰囲気の内容だなあ。
でもちょっと考えればわかると思うけど、人形使いの方が、人類よりも科学は進んでいるんだよね。それなのに、たった一隻の宇宙船で大丈夫かなあ。人形使いの生態も十分解っていないんだよね。返り討ちに遭うような気がするんだけど。意気込みは解るんだけどね。
まあ、小説だからいいんだけどね。