池上彰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
戦後を知らない若者も、記憶がぼやけてきてしまった私達も必読の書ではないだろうか。
本書の内容(講義の内容)は親からの口伝による戦後史を含めればまるまる自分が今まで生きてきたど真ん中の歴史になる。
安保反対のシュプレヒコール、血のメーデー、変動金利への移行、成田闘争、沖縄返還、赤軍等々。
何と波瀾万丈な世の中を私はのほほんと生きてきた事かと反省しきりとなる。
けれどとりあえずそれらを体験したり、戦中戦後の世の中の事も親から聞いている。
意識せずとも昭和と一緒に歩んで来た。
よくも悪くも昭和から平成までの世の中の仕組みが身にしみているのだ。
しかしこの講義を受けている東工大生は、そして私達の子供は未体験であるだけでなくそれらを知らない。
過去の歴史認識が欠如していては若者たちのこれからが不安だ。
その若者たちだけでなく今の政治家も戦争体験者はいなくなりつつあるのだ。
これはこれからの日本が不安だ。
記憶が曖昧になってきた私達も一度本書で整理してみると良いのではないだろうか。
ただし、本書でも著者自身が述べているように「池上が言っている事は本当なのだろうか??」という疑ってみるという事は必ず必要だ。 -
Posted by ブクログ
とてもわかりやすかった。
毛沢東による建国から、つい最近の胡錦涛までの中国の歴史が通史で読めて、なおかつ難しくない。いまは習近平政権だけど、日中間の諸問題は引き続き前政権から引き継いでいるから内容的にも古くない。
中国(中華人民共和国)の歴史は、帝政なんじゃないかと思うくらい、一部の人が権力を握っている。毛沢東はもうその典型だけど、最悪の皇帝だ。農業政策の失敗により何百万人もの餓死者を出しながら、周囲には自らに阿る人だけをはべらせ、都合よく現実を捻じ曲げる。自らの権力基盤が危うくなると、文化大革命の名のもとに反攻にでて、大勢の良識の徒を死に追いやる。
やってることがスターリンと同じ。
いまもって毛沢東の功罪は功が7割、罪が3割と中国では考えられているようだが、読むかぎりでは功は1割、罪が9割。建国したことだけが業績であとは悪行にしか見えない。
ときどき、そういう負の面に向き合って本気で国を立て直そうという気概のある政治家もでてくるんだけど、ほぼ間違いなく失脚していく。共産党独裁の病根は深い。
共産党は自分たちの失政から目をそらさせるために、日本のことをことさら悪く言う。日本が侵略した事実は消せない。それを教えるのは正しいことだが、だからといって被害規模を年々大幅に水増しさせたり、戦後の資金援助を全く人民に知らせなかったりする態度は真摯とは言えない。良い成果は共産党のおかげ、悪い結果は日本のせい、と単純な図式で教育しているため、真の病根が人民に知らされていない。
反日教育で育った人たちの姿が、どことなく紅衛兵とかぶる。後々、失われた世代と言われないかと心配になる。
一番の心配は農村の疲弊だ。実質的にはもう資本主義社会になっているため、都市部の人間はどんどん富んでいくが、取り残されている地方の農村は、いまだに貧しく、役人の汚職で搾取され日々の食にも事欠く。環境は汚染されても放置され、衛生環境の悪さから病人が増えても、救いの手を差し伸べてもらえない。報道の自由がないから、国家の威信にかかわる「恥部」は報道されない。農村部は農奴の状態からいまだに抜け出せていない。
この国がまともな国家になるにはゴルバチョフみたいにな最高権力者が現れるのを待つか、血を見ない形でとは願うが、もういちど革命が必要なんじゃないかと思う。 -
Posted by ブクログ
仏教の興りから広がり、基礎的な教えなどが、とってもわかりやすく書かれています。そして読みやすい!流れるように読めます。さすが池上さんです。ちょっと気になる部分はありますが、仏教基礎講座としては最適です。池上さんも本書の内容くらいは知っておいて欲しいと書いていました。
後半はチベット仏教についてです。日本とチベットは同じ仏教!?国なのに、国民の生きる心持ちが全く違います。それはなぜか?その理由の一つに、かなり偏見的ですが、仏教が伝わる道程で、儒教圏を経由しているか否かがあると思います。そして日本国内事情も相まって、現在の葬式仏教国ができあがってしまいました。既存文化との親和性もありますが、もし仏教が違った経路で日本に伝わっていたら、現在の仏教事情もかなり違っていたはずです。
ここからは、本のレビューから飛躍した私の思いも含まれます。
仏教を彼岸仏教と此岸仏教に分けるならば、もちろん日本の葬式仏教は彼岸仏教になります。ただ東アジア仏教の彼岸部分は儒教そのものなので、彼岸仏教は名ばかり、実際は招魂再生の彼岸儒教と言うことになります。本書でも書かれていますが、盂蘭盆経は、儒教を取り入れるために作られた偽経ですから。
実際は彼岸儒教なのに、なぜ日本では揶揄されながらも葬式「仏教」と呼ばれるのだろうか?それはきっと此岸仏教への期待がまだ残っているからではないか?と、私は肯定的に捉えています。本書でも此岸仏教、仏教心理学への期待が書かれています。つまり釈尊の教えです。このまま此岸仏教が忘れ去られてしまったら、日本は儒教国です。儒学教育もされなくなっているので、葬式儒教国と言うことになってしまいます。
彼岸仏教は、釈尊の教えの再解釈と言うか、釈尊だったらこう言うだろう内容、加えて仏教が生き残るための妥協、よく言えば方便、そんな感じだと思っています。ただ共通して感じるのは、彼岸仏教は此岸仏教へ向かわせるために存在し得るのではないだろうか?そのために仏教は変化しているのではないだろうか?と言うことです。その証拠に、変化しているのは、重要な此岸部分ではなく、彼岸部分だと感じるからです。
また本書では、日本人の此岸仏教への期待に応えているものの一つが、チベット仏教、そしてダライ・ラマ法王と書かれています。同時にそういう存在が日本にはないと嘆いてもいます。池上さんはあくまで客観的に述べようと努めており、否定的な見解は極力控えています。ただ、今の日本仏教事情を快く思っておらず、此岸仏教の必要性を強く感じているのが、手に取るようにわかります。
仏教が持っているポテンシャルを、此岸仏教国から感じ取って、僧俗双方の立場から、少しづつ現状を打破していきたい所です。 -
Posted by ブクログ
すごく為になりました!わかりやすいし、おもしろい。
僕は高校の頃、世界史にまったく興味なかったですが、なんでこんな為になっておもしろい内容を知らなかったのか!
なんてこった!
●イスラム教が世界で一番信者が多くなる
●ユダヤ教:律法 キリスト教:旧約聖書と新約聖書
イスラム教:旧約聖書と新約聖書とコーラン
●イエスキリストはもともとユダヤ人でユダヤ教徒。
●イエスの話をまとめたのが福音書=新約聖書
●イエスが登場する以前の聖書は旧約聖書
●ムハンマド(マホメット)は神ではなく神のお告げを天使から聞いた人。とにかく人。
●ユダヤ教のルール(律法)に登場するモーセという人も十戒という形で神のお告げを聞いた人。とにかく人。
●イエスは神の子。人ではないとされている。
●コーランはムハンマドの口述を後世に残すため記したもの
●ジハードで死んだものはすぐに天国に。自爆テロは矛盾した行動。
●従来のキリスト教はカトリック。ローマ法王を頂点とした教会側。それに反発し宗教改革を起こしたのが抵抗する人(プロテスタント)。
●ムハンマドの後継者の党派をシーア派。血筋に関係なくイスラムの教えに従う派をスンニ派。スンニ派85%シーア派15%
●ムハンマドの時代の理想のイスラム社会に戻ろう!というのがイスラム原理主義。危険なイメージはない。
●パレスチナにイスラエルを建国。建国したのはユダヤ人。もともとパレスチナに住んでいたアラブ人(パレスチナ人)。その争いが中東問題。
●ユダヤ王国の神殿があった丘。シオンの丘。そこに戻ろうという運動「シオニズム」。
●中東戦争は大きなもので4つ。
●パレスチナのアラファト議長。
●タリバン。神学校の学生たちが主体の部隊。行き過ぎた正義。
とにかく中東問題はややこしく、わかりやすく書かれているのも関わらず理解に時間がかかります。
フィクションの小説を読んでいるかのようで、現実に起きているようには思えないというのが個人的な実感です。
もっと深く知りたいと思える内容でした。