池上彰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
めちゃめちゃ面白かった。
シールズなどの社会運動がいくら盛り上がったところで、ほんとうに安倍首相は戦争したいのかねと疑問に思っていた。それなりに気になって新聞など読んで調べていたが、断片的でよくわからなかった。
池上さんは安倍首相のモチベーションを、岸信介を超えることだと言って、その例としてブッシュ親子を引き合いに出す。そのあたりの説得力あふれる記述は見事。
また、ここ数年の政治の流れも非常に秀逸にまとめられ、池上彰にふさわしいわかりやすさだった。頭の中がスッキリと整理された。わかったというこの快感のためだけでも、買う価値あり。
これはできるだけ多くの人に教養として読んで欲しいと思う。お金 -
Posted by ブクログ
東京工業大学生を相手に、ジャーナリスト池上彰が現在の世界で起こっている社会問題について講義した内容をまとめたもの。
池上氏が学生たちに強調するのは、物事をいろいろな視点から見なさいということ。例えば、イギリスが中央にある世界地図をながめて、「中東」という言葉の意味を知る。また、中国の世界地図で、北方領土はどこの国の色に塗られているのか。韓国の世界地図で北朝鮮はどうなっているのか。世界地図をきっかけに、領土問題をわかりやすく解説してしまう。
他にも生命保険はもらわなくても損だと思わないのに、年金はもらわなければ損だと思うのはなぜか。韓国のサムスンへ移籍後、帰国した日本の技術者へ、日本企業はど -
Posted by ブクログ
戦後を知らない若者も、記憶がぼやけてきてしまった私達も必読の書ではないだろうか。
本書の内容(講義の内容)は親からの口伝による戦後史を含めればまるまる自分が今まで生きてきたど真ん中の歴史になる。
安保反対のシュプレヒコール、血のメーデー、変動金利への移行、成田闘争、沖縄返還、赤軍等々。
何と波瀾万丈な世の中を私はのほほんと生きてきた事かと反省しきりとなる。
けれどとりあえずそれらを体験したり、戦中戦後の世の中の事も親から聞いている。
意識せずとも昭和と一緒に歩んで来た。
よくも悪くも昭和から平成までの世の中の仕組みが身にしみているのだ。
しかしこの講義を受けている東工大生は、そして私達の子供は -
Posted by ブクログ
とてもわかりやすかった。
毛沢東による建国から、つい最近の胡錦涛までの中国の歴史が通史で読めて、なおかつ難しくない。いまは習近平政権だけど、日中間の諸問題は引き続き前政権から引き継いでいるから内容的にも古くない。
中国(中華人民共和国)の歴史は、帝政なんじゃないかと思うくらい、一部の人が権力を握っている。毛沢東はもうその典型だけど、最悪の皇帝だ。農業政策の失敗により何百万人もの餓死者を出しながら、周囲には自らに阿る人だけをはべらせ、都合よく現実を捻じ曲げる。自らの権力基盤が危うくなると、文化大革命の名のもとに反攻にでて、大勢の良識の徒を死に追いやる。
やってることがスターリンと同じ。