あらすじ
敗戦から高度成長に至ったわけ、学校では教えない「日教組」、アベノミクスとバブルの教訓まで。池上彰教授のわかりやすい戦後史講義を実況中継!
歴史の授業ではなおざりにされがちな「日本の戦後史」ですが、社会に出るとこれほど「使える」分野はありません。そこで、池上彰教授の東工大講義シリーズ第2弾は、『この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」』。平成生まれの学生たちに、日本が敗戦から不死鳥のように甦った道筋から、現在の問題を解くヒントを教えます。「アベノミクスはバブルから学べるか?」「政権交代の不思議な歴史」「学校では絶対に教えない『日教組』」など、ビジネスパーソンにも参考になることばかり。
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東工大生への講義を書籍化した本作。第二次大戦からバブル、アベノミクスまで、後半は駆け足でしたが懐かしさも感じながら読めました。…バブル崩壊後の不景気を生きてきた世代ですが何か笑
Posted by ブクログ
池上彰教授の講義本は理解しやすく、ニュースで取り上げていた事柄の背景を知ることが出来ます。
なぜ、米軍基地と沖縄県、政府との対立は続いているのかを、頭では理解していても、時代背景が明確ではなかったのです。
琉球王国時代にさかのぼると、日本が侵略してきた。
琉球国王は沖縄県知事として日本に属するようになる。
その後、第2次世界大戦では沖縄は米軍との戦場となって、民間人が犠牲になる。(日本兵からも虐待や殺害を受けた)
米ソ東西冷戦時代は沖縄県が極東地区の軍事基地として
多くの建設が進み、米軍人が度々沖縄県民を暴行したりする事件が後を絶たない。
軍事基地移転問題を政府は空回りさせているだけで、
対応が遅れている。
そこまで背景として理解してくると、沖縄県知事が日本政府に対して行なっている行動が理解できるし、共感できる部分も生まれてきます。
その他、日教組や学生運動から日本赤軍、オイルショック、政治の変化などなど背景が少しずつ理解できる1冊です。
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戦後を知らない若者も、記憶がぼやけてきてしまった私達も必読の書ではないだろうか。
本書の内容(講義の内容)は親からの口伝による戦後史を含めればまるまる自分が今まで生きてきたど真ん中の歴史になる。
安保反対のシュプレヒコール、血のメーデー、変動金利への移行、成田闘争、沖縄返還、赤軍等々。
何と波瀾万丈な世の中を私はのほほんと生きてきた事かと反省しきりとなる。
けれどとりあえずそれらを体験したり、戦中戦後の世の中の事も親から聞いている。
意識せずとも昭和と一緒に歩んで来た。
よくも悪くも昭和から平成までの世の中の仕組みが身にしみているのだ。
しかしこの講義を受けている東工大生は、そして私達の子供は未体験であるだけでなくそれらを知らない。
過去の歴史認識が欠如していては若者たちのこれからが不安だ。
その若者たちだけでなく今の政治家も戦争体験者はいなくなりつつあるのだ。
これはこれからの日本が不安だ。
記憶が曖昧になってきた私達も一度本書で整理してみると良いのではないだろうか。
ただし、本書でも著者自身が述べているように「池上が言っている事は本当なのだろうか??」という疑ってみるという事は必ず必要だ。
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現代にほぼ直接つながる歴史としての『現代史』。本書は池上彰氏が東京工業大学で講義した日本の近現代史の講義録です。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」。この言葉の意味を今一度よく考えてみたいものです。
池上彰氏が東京工業大学で行った日本現代史の講義を紙面化したものです。僕も高校時代は日本史を選考しておりましたが大抵の場合、現代史に入る前には授業時間が終わりに近づき、あまりこの辺の事はよく勉強をしないまま終わってしまいました。
場合によっては授業形式で日本史を習うということはもう二度とない人も出てくるわけで、個人的には近現代史は独学で、場合によっては歴史上の重大事件の現場に足を運ぶという栄に浴することも出来たわけですが…。
少し話がわき道にそれすぎました。ここで語られるのは戦前、戦中、戦後…。日本が太平洋戦争(あるいは大東亜戦争)に突き進み、悲惨な沖縄戦を経て原爆を投下されて敗れ去ったまでのプロセスや、焼け野原から日本が不死鳥のように復興する過程。
しかし、その裏で発生した公害問題とその保障をめぐる問題。朝鮮・ベトナム戦争に関する日本の態度や、学生運動とそれが先鋭化して内ゲバ紛争を経て終焉を迎えるまでのプロセスが本当に詳細かつわかりやすく記されていて、専門書を読む前のウォーミングアップとしてとても素晴らしいなと感じてしまいました。
しらけ世代を経て80年代のバブルとその崩壊。平成に突入してなぜこうも政権がコロコロと変わってしまうのか?についてや、この先どうなるかわからないアベノミクスまでに言及がなされていて、読みながらとても面白かったです。
※追記
本書は2015年7月10日、文藝春秋より『この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義 日本篇 (文春文庫 い 81-4)』として文庫化されました。
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日本史について無知な私には、当時の日本人がこんなにも熱量に溢れていたとは知りませんでした。
同時に、過熱した集団は共食いをするのだとも知りました。歴史は繰り返すとは言いますが、同じ失敗は繰り返したくないです。
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さすが池上さん。スイスイ頭に入ってくる。
自分たちが大人になってから起きた出来事は歴史とは感じないが、若者たちは知らないってこと、結構ありそうなギャップだと感じた。現代史はもっと重点を置いて、理系も必修にすべきだと思う…
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"近代の歴史を振り返る池上彰さんの大学講義をまとめたもの。
韓国と日本の歴史を振り返るところや学生運動を俯瞰して教えてくださった部分がとても参考になった。"
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池上彰氏が東工大で行った講義の内容をテーマ毎にわかりやすく書かれている。
個人的には現在の自民党や民進党のできた経緯や、日米安保、自衛隊の成り立ちなどが体系的に理解できたのがよかった。
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中学・高校では見落とされがちな日本の戦後史について、東工大での講義をもとにまとめられている。
必ずしも全てを網羅したものではないが、主要なトピックスは概ね抑えられている。
読みやすく、理解もしやすかった。
Posted by ブクログ
高校までの歴史の授業ではあまり真剣に扱わない、というか教える先生たちにとっては実際に生きてきた時代であるが故に歴史として認識されていない現代史を、池上流に解説してくれる本です。
東工大での授業がもとになっています。
正直、知らなかったり、適当に知っているふりをしていることが多かったです。
平成になって25年以上が経過し、大人たちにとっての現代は、若者にとっての歴史です。その断絶というのが、いつまでたっても問題が解決に向かっていかないことの裏にあるのかもしれない。
ただでさえ、日本は歴史について検証を詳しくすることなくうやむやに先送りする傾向にあるので、我々も事実を教えられなくても調べ、考えていくことが大切であると、痛切に感じました。
Posted by ブクログ
愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ。
戦後から現代までの政治、経済、教育、エネルギーの変化、外交、の歴史をたどれる本。
読むと現代おきている社会の問題に対し見方がかわる。
戦後からの歴史の推移の経緯がわかりやすくかかれているので、社会の問題の成り立ちがわかる。
Posted by ブクログ
日本の戦後史について幅広く説明されている本。
さすが池上さんでわかりやすいが、内容薄め。東工大の講義が元になっている。
自衛隊は朝鮮戦争中、日本に駐留していた米国が朝鮮半島に送られ、日本に軍隊がない空白期間にソ連が攻めてきたときのため作られたと教えられてきた気がするが、日本国内での社会主義革命が起こることも心配していたためとも書かれていて、今では想像つかないことだったので驚いた。
55年体制は、社会党に対抗するために保守政党が団結した流れ。日本が社会主義になるのを防ぐため。世界は東西冷戦中だったが、日本国内でも同様だった。
自由民主党は、憲法をGHQの押し付け憲法とし改憲の立場。西側の一員としての位置づけ、米国と協調。
社会党は、平和憲法として護憲の立場。ソ連や中国との友好を重視。
その後、村山首相のときに自民党と社会党が連立を組んで日本国内の東西冷戦も終了。
日本の政治は政策で分かれるというより人間関係で党を組んでいる感じを受けた。和を重んじる日本的。
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池上先生の東工大講義第二弾。
今回は、1年生対象の日本の近代史の授業です。
世界編と違って、日本の歴史なので、より親密感のある内容で、
自分が知らなかった(でも知っておくべき)日本の近代についてざっとおさらいができます。
1作目同様、とても分かりやすい語り口で、これをとっかかりに自分の興味のある分野を深堀できるようになっています。
一家に1冊は置いておきたい分かりやすい教養書ですね。
Posted by ブクログ
東工大講義シリーズ第二弾。自信喪失した日本を変えるために、敗戦から甦った「ほんとうの戦後史」を学びたい人へ。
もともと子どもニュースでお父さん役をやってらした頃に見ていた世代です。こんなに活躍されるようになるとは・・・確かに分かりやすいし自分の主張を抑えて事実の説明に徹する姿勢がいいのかなと思います。私にとって戦後は生まれてもいない過去の話で、想像するしかできない時代ですが、知らずにいることは同じ過ちを繰り返しかねない愚者の行為です。こんなことがあったのかと時折新鮮に読みつつ、常に批判的に考える癖を身に着けなければと反省しました。それにしてもこの授業を生で聴けるなんて、東工大生が羨ましすぎる。
Posted by ブクログ
池上彰氏が東工大で主催する講義の内容のオムニバス。講義の趣旨としては「現代社会を理解するには、その少し前に起こった事を理解することが大切であり、歴史に苦手意識の多い理系の学生にその視点を与える」というもの。本書はその中でも日本に関わる問題が中心。解説されるトピックスとしては、憲法9条問題、日韓関係、沖縄の基地問題、日米安保の問題、原発とエネルギーなど、まさに今ニュースとして取り上げられている問題です。解説の分かりやすさはさすが。知っているようで、実はあまり理解できてなかったような部分の説明が、まさに「痒い所に手が届く」感じで展開されます。
しかし私が驚いたのは、池上氏も本書で触れられていますが、細川政権や村山政権の誕生や、東西冷戦とその崩壊、天安門事件、地下鉄サリン事件、阪神大震災、9.11テロなど40歳以上の人なら誰でもすぐに思い出せる大きな事件や出来事を、今の大学生より下の世代はほとんど実体験として持っていないという事実。ここ20年ぐらいに、実は現代社会を方向付ける大変重要な出来事がたくさんあったんですね。戦争を体験した方の経験を私たちの年代が受け継ぐのが大切なように、これらの出来事の意味や中身を自分の子供の世代にもちゃんと伝えないといけないな、と感じます。池上氏の受け売りですが、歴史の授業ではどうしても現代史、とくに近い過去の部分は手薄になりがちですものね。